むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 人に尽くすことvs自分のやりたいことをする

    今日は昼休みに北区の清田産婦人科の院長先生から電話があり、今晩時間ある?と聞かれました。なにかと思ったら、産婦人科漢方勉強会がホテル日航であるから、よければ出席して、とのこと。7時に間に合うにはかなり急がないといけないのですが、診療後車で直行したらぎりぎり間に合いました。講演は名古屋大学の産婦人科の教授で、座長は熊本大学に新たに就任された産婦人科の教授でした。私は、前産婦人科教授の片渕先生とは大学の部活が同じで、片渕大先輩と慕っていたのですが、今度の教授は随分若い感じでした。最近の大学教授はことごとく自分より年下です。昔は大学教授といえば、恐れ多く近寄りがかかったですが、自分のほうが年上になってしまうと変な気分です。

    さて、心療内科をしていると、心を病んでいる人に多いのが、人からどんなふうに見られているかばかりが気になり不安、周りによく思われたい、という心優しい人。例えば新婚のお嫁さんで、お姑さんから悪く思われたくない(よくできた嫁だと思われたい)から家事も育児も精一杯頑張る。だけどもう限界、と体を壊して来院されます。繊細な人ほど周りからの評価を気にします。反対に、憎まれっ子世に憚る、といいますが、マイペースで周りの人を巻き込みながら大騒動する人は、他人からの評価など全く気にしません。この2つのキャラクターは丸反対なので、お互いのことは全く理解できないと思います。

    今私がイチオシでみているNetflixの韓国ドラマは「医師チャ・ジョンスク」です。主人公の女性は女医さんなのですが、結婚して医学部教授の夫とセレブな家庭を守るため専業主婦として一生懸命夫やお姑さんや娘に尽くすのですが、あることをきっかけに自分の人生を歩きたいと思い始め、研修医からやり直すというストーリーです。やはり、夫婦、家族とはいえ、自分の好きなことやりたいことを一切抑えて家族のために尽くすというのは限界が来ます。もし限界が来なかった場合、きっと死ぬときに後悔すると思います。周りの評価ばかり気にせず、自分のやりたいこと、幸せと感じることを優先してもいいのではないでしょうか。

  • 保健所立入調査の準備中

    昼は暑いですが朝夜は結構涼しくて快適ですね。一日の温度差がかなりありますから、風邪で来院される患者さんが増えています。最近は喉の所見を見たらだいたい何かわかるようになってきました。コロナ、インフルエンザ、溶連菌、どれも独特の所見です。きちんと見せてもらうと、抗原検査しなくてもほぼ分かるんじゃないかと思います。ただ、舌がじゃまして喉が見えない人がかなりの割合います。これは昔のおじいちゃん先生なら舌圧子というアイスクリームの棒を大きくしたような道具で喉をぐいと押し下げて喉を見ていましたが、最近はめったに使いません。もしかしたら耳鼻科ではまだ使っているかもしれません。私が子供の頃風邪で病院に行って嫌だった思い出の一つが舌圧子です。もちろん注射も嫌でした。昔はなかったですが、今ならインフルやコロナの検査のために鼻に綿棒を入れる検査。これも嫌でしょう。よくわかります。しないで済むならしたくないと思っています。

    ところで、来月当院には保健所の立ち入り調査が入る予定です。これは医療機関すべて順に検査をうけて、衛生的で安全な医療供給体制にあるかをチェックされ、不備があればその点を改めるというものです。この3年間保健所はコロナ対応に追われてそれ以外の業務が止まってしまっていたのですが、この度コロナが5類に分類されたことを契機に、施設立入検査が再開したものです。事前に自主チェック項目を知らされているため現在全職員でその一つ一つきちんとできているかをチェックしながら、体制に不備がないように取り組んでいます。

    通常通り当たり前のことをやっていれば問題はないはずですが、役所を甘く見ると大変なことになるので、忙しい中にも精一杯の時間を割いています。マニュアルの整備とか帳簿など目に見える形で日頃やっていることを残しておかないといけないので、気が抜けません。先日、チャットGPTにマニュアル作りを手伝ってもらったら、あまりの完璧な仕事ぶりに驚きました。適当な下書きを、きちんとした文章にしたり体裁を整えたりと、頼めば何でもこなしてくれます。頼もしい味方です。

  • 漢方の研修

    今月から、漢方を勉強したいという女医さんが週1回私の診察を見学されています。当院は日本東洋医学会の研修指定施設になっているため、漢方を勉強して専門医を目指す場合、当院で実績を積まないといけないことになっています。熊本県内ではもう一箇所熊本赤十字病院の総合内科でも漢方の研修を受けることができます。診察時には私の後ろから診察風景を見学して、私が決めた処方を見てその処方に至る考え方のプロセスを後で考察する、という勉強となります。患者さん方はどうぞ気にされないようにお願いします。漢方に関しては勉強中の先生ですが、内科としてはすでにベテランの方なので、よろしくお願いします。

    私も実は20年ぐらい前に師匠の先生の陪席について、その先生の外来を毎週見学して技術を見て盗むという昔風職人の育て方で勉強したことがあります。それは鍼治療です。当時御幸病院で針の外来をされていた長尾先生に直々に頼んで見学させてもらいました。長尾先生は熊本弁で冗談を言いながら患者さんの診察をして、病態を確かめたら、ベッドに寝かせて針を打たれていました。私が見学に行くと、半身だけ針を打って、反対側は私に打つようにと残りの針をくれました。私はそれこそ見様見真似で長尾先生が打った針の場所と角度と深さを左右対称な位置に正確に打つ練習をしました。

    そうこうしているうちに、寸分たぐわぬ左右対称の位置に打とうとして左手で探っていると、そこはつぼでないとわかる時がありました。そう、人の体は人形ではないので左右対称ではないのです。特に腰痛や肩こりなど問題がある人の場合、骨盤が歪んでいる影響で背骨も曲がっており、左右対称の位置にツボがあるとは限らないのです。これに気がついたとき、私は独立して一人で針が打てるようになったのです。長尾先生は一昨年亡くなられました。私の漢方の師匠である牟田先生もだいぶ前に亡くなられたので、今となっては私が後進を育てる番になりました。

     

  • 首コリの話 Pt2

    先日「無印良品」に行って面白いものはないかと、うろうろしていてふと目に止まったのが、コーヒー豆。大きな袋にレギュラーコーヒーが400gも入ったお得用。1200円はちょっと高いと思いましたが、200g600円は本当はオトクな値段。こんな大量に買って好きな味でなかったらどうしようと思いましたが、「無印」を信用して買ってみました。帰ってからすぐに入れてみたところ、雑味が全くない、とてもスッキリとした気持ちいい後味。おいしい!苦いのが苦手な人もすーと飲める味です。私はスタバの焙煎の強い味も好きですが、今回買った無印のコーヒーは気に入りました。リピートします。

    昨日、学会で「首わしづかみ」で指圧することで頚静脈の流れを良くしてあげると頭痛、めまいなどが改善するという話だったと書きました。早速、その発表をされた宮城先生の著書を2冊購入し、読んでいます。手技はあまり詳しく書いてないのですが、懇親会で先生に直接して見せてもらったのでだいたいわかりました。私は日頃から患者さんの肩こり首コリを鍼治療しているため、首のつぼは触ればわかります。患者さんごとに凝った場所が違うのですが、針をする前に首から肩にかけてそっとなぞるように触れば、ここ掘れワンワンみたいにここがつぼだよと手に感触が伝わってくるのです。

    宮城先生のされている頸静脈ブロックの解放という手技は私が寝違えた患者さん(朝起きたら首が回らなくなった)に指圧してあげる場所でした。ここはとてもカチカチに緊張している人が多く、強く指圧すると患者さんはアイタタタと悲鳴を上げるのですが、ここを緩めないと首は回りません。この指圧こそ、おそらく宮城先生の手技に近いものだと思いました。そして、今日来院されためまいの患者さんの首を触ってみましたが、たしかにこの寝違いのつぼに反応がありました。これは面白い。私のハンドパワー(指圧)でめまいが治せる日もちかいかも・・・。

  • 首コリ頭痛、首コリめまい

    五月晴れのカラッとした気持ちの良い日曜でした。今日もどこかの学校では運動会だったみたいです。天気に恵まれてよかったですね。私もいつものごとく洗濯をしたり布団を干したり、洗車をしていい天気を満喫しました。午後からは久しぶりにリアルの学会に参加しました。日本統合医療学会の熊本支部総会でした。コロナの間ずっと中断していたので、3年以上ぶりでした。やっぱり、会場に足を運んで演者の先生の生の声を聞いて勉強するのはいいものです。演者は沖縄の宮城旺照先生でした。

    この先生は著書があり、「1日1分首わしづかみで脳脊髄液を流しなさい」という本です。今日の講演で面白かったのでさっそく購入しました。私たちが日頃からよく目にする頭痛、めまい、ふらつきなどが天気の影響を受けやすいことは御存知の通り。その時、私たち漢方専門医は五苓散という水分代謝を良くする漢方を使って頭の余分な水分を抜きます。今日の講演では、首を後ろからぐいとわしづかみにしてマッサージすることで首周りの筋緊張がほぐれ、頸静脈の圧迫が解除されることで脳脊髄液の流れが正常化し、頭痛やめまいから開放されるとのこと。なるほどー理にかなっています。

    めまいの原因には、発作性頭位めまい、メニエール病、前庭神経炎、自律神経失調などがありますが、耳鼻科YouTuberの竹越先生が肩こり関連めまいという分類を提唱され、肩こりをとる葛根加朮附湯、桂枝加苓朮附湯などでめまいが改善すると解説されていました。私はそれを聞いて以来、肩こりとめまいの関連は注意してみているのですが、首コリのほうがもっと関連していそうです。思い起こせば、私がこの前めまい発作を起こしたときレセプトチェックに精をだして肩首がすごく凝っていたのは間違いありません。薬を使わず首のマッサージで治るらしいので、今度試してみたいです。やっぱり学会に参加するといろいろ新しい知識が入って進歩します。