むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 中西医結合

    週間天気予報を見ていたら、来週は気温が3度くらいまで下がるようです。一気に真冬になりそうですね。冬の洋服や布団を今週中に準備しておきたいところです。クリニックでは皆さんが寒くないように暖房を入れていますが、私は暑いので半袖で仕事をしています。自宅でも、今シーズンはまだ一度も暖房を入れていません。来週は暖房が必要になりそうですね。

    今週末、私は長崎の大村医師会で漢方の講演を行うことになっています。テーマは「コロナ後遺症の漢方治療」です。この講演を依頼されたのは約1年前で、その頃はコロナ後遺症の患者さんも多く、さまざまな症状に苦しんでおられました。しかし、それから時間が経ち、コロナも弱毒化し、後遺症の患者さんも減少しています。現在では、治療が難しいケースは少なくなりました。2年ほど前から重い後遺症に悩んでいる方が数名通院中ですが、こうした難治例については今後も研究が必要です。しかし、それ以外の症例については治療法がかなり確立されてきたのではないかと思っています。とはいえ、これは私がこれまで約二千人のコロナ後遺症患者を診てきた経験から、自然に処方を決めているからかもしれません。そのため、私の治療法を一度まとめて医師会の先生方にご紹介するのも良いかもしれません。

    今回の講演は漢方に関する内容ですが、実際は漢方だけでなく、西洋薬も併用しています。したがって、ハイブリッド治療を行っています。中国では、これを「中西医結合」と呼びます。中医学と西洋医学を結合させる方法です。中国や韓国では、伝統医学(漢方や鍼灸)と西洋医学は別々の国家試験があり、免許が異なるため、両方を扱う医師は非常に少ないそうです。しかし、日本では、西洋医学の免許を持つ医師が漢方を処方できるという特殊な環境があります。これにより、私たちは一人で中西医結合を行えるという、非常に恵まれた状況にあります。

    日本では、田舎の人々は西洋医学を好み、都会の人々は漢方を好む傾向があります。当院では常に中西医結合を実践していますが、例えば子供さんに漢方が飲めないと言われれば、西洋薬を出すこともありますし、健康志向が強い方で漢方を希望される場合には、漢方だけで治療を行うこともあります。一人で両方に対応できるという点が、日本ならではの特徴です。患者さんの希望にできるだけ沿う形で治療を行いたいと思っています。

  • 8/16(土)は通常通りです

    8月13日〜15日はお盆休みをいただいています。折しも新型コロナ患者さんが急増していますが、発熱や体調不良の際は、当番医や地域医療センターなどをご利用くださいますようお願いいたします。なお、16日(土)からは通常通り診療を行います。

    私は毎週木曜の朝、経営者モーニングセミナーに参加しています。経営者(社長さん)が中心の勉強会です。今日はお盆休み中にも関わらず、いつも通り開催されたので、朝4時半に起きて参加しました。講話は水素吸入器を製造・販売されている方によるものでしたが、内容は水素とは直接関係ない話題でした。それでも、私の興味はやはり水素です。会の後は、今日はクリニックの仕事がなかったため、朝食会に参加し、演者の方にいろいろなお話を伺いました。

    水素吸入は医療行為ではないため「○○に効く」という表現はできませんが、今日伺った体験談では、リウマチの痛みが薬なしでなくなったり、緑内障が点眼不要な程度まで回復したりといった事例があるそうです。素晴らしいことだと思います。

    当院でも今後、患者さんに広く水素吸入を勧めていく準備を進めています。ちょうどコロナ感染者が急増しており、お盆休み明けにはさらに増える可能性が高いため、点滴ベッドは発熱患者さん優先で埋まってしまうかもしれません。当初は初回割引で多くの方に体験していただこうと考えていましたが、受け入れ可能人数が限られるため、通常料金でのご案内といたします。料金は30分1,500円(60分3,000円)+初回のみ経鼻カニュラ代500円です。ご希望の方は受付でお申し込みください。希望者が増えてきた場合は予約制としますが、当面は先着順といたします。

    さて、このお休み中に「やっておきたい」と思っていたマイナンバーカードの更新にも行きました。自宅近くの東郵便局でも更新できると聞き、朝ふらっと立ち寄ったところ、すぐに手続きしてもらえました。暗証番号を2種類タッチパネルで入力するだけで、10分ほどで完了。ほっと一安心です。ところがその後、iPhoneのウォレットに登録してあるマイナカードを確認すると「失効」状態に。現物を更新した後は、スマホ内のマイナカード情報も更新する必要があるようです。案内に従ってパスワードを入力し、カードを読み込ませたところ、無事に更新できました。お盆休みに「やらなきゃ」と思っていたことが、これで一つ片付きました。

  • AIに助けられる日々

    医学雑誌に論文を投稿する際には、「査読」というプロセスがあります。これはその分野の専門家が内容をチェックし、

    • 学術的に価値があるか

    • 雑誌に掲載するにふさわしいか、オリジナリティーがあるか

    • 内容に曖昧さや矛盾がないか

    などを審査するものです。査読者からのコメントをもとに執筆者が修正を行い、再提出して認められると、ようやく論文が掲載されます。


    私自身は最近、忙しさにかまけて論文を書く時間はおろか、勉強の時間すら十分に取れていません。また、論文を査読するには、常に最新の医学知識と批判的な視点が求められますが、なかなかそれも難しいのが現状です。

    そんな中、私が熊本の東洋医学会の代表をしている関係で、県内の先生から「投稿前に一度読んでほしい」と原稿が送られてきました。しかし、内容は私の専門外で、的確なコメントをする自信がありません。


    そこでふと思い立ち、GoogleのAI「Gemini」に「この論文を査読者の目で読んでコメントして」と頼んでみました。すると、30秒ほどで驚くほど詳細な査読コメントが出力されてきたのです。内容を一つひとつ確認してみましたが、まるで本物の査読者が書いたような指摘ばかり。細かい数字の整合性などもチェックが入っています。これは凄い…。
    これに対して執筆者が丁寧に修正を加えれば、きっと本番の査読も通るだろうと思います。


    【紹介状の作成もAIにお任せ】

    話は変わりますが、私はときどき眼科の先生から「白内障手術予定の患者さんについて、内科的な問題がないか病状(紹介状)を書いてほしい」と依頼されます。

    今日もそうした依頼の手紙を受け取り、ふと思いついてChatGPTにカメラで読み取らせ、「体調は落ち着いているので、手術には特に問題ありません」という返書を書いて、と指示してみました。

    すると、数秒で完璧な返書の草案が完成! あとは最新の血圧や採血結果を書き込み、体裁を整えるだけでした。いやはや、本当に優秀な秘書です。


    🟨まとめ

    こうしてみると、AIはわれわれ医師の日常業務のなかで、時間と手間を劇的に減らしてくれる心強い存在です。使いこなせばまさに「縁の下の力持ち」。忙しい医療者にとって、今後ますます欠かせないツールになっていくと思います。

    ChatGPTで作成。最近はイラストに日本語も入るし、作ったイラストを手直しできるようになりました。進化してます。

  • 「快適指数100」

    土曜日は大雨の予報で、セミナーも心配されましたが、奇跡のように薄日が差し、ほとんど雨が降りませんでした。
    天気図を見る限り、大陸から大きな雲の塊を伴った低気圧が九州に向かってまっしぐら。これはもう大雨は避けられないだろうと覚悟していました。「せめてセミナーの始まる夕方までに通り過ぎてくれないだろうか…」と願っていたところ、1日を通して天候は大きく崩れず、なんともラッキーな展開になりました。
    あれだけの雲を吹き飛ばしてくれたのは、いったいどこの晴れ男(晴れ女)さんのパワーだったのでしょうか。本当に感謝です。

    そして、一夜明けた今日は、朝から地域医療センターの当番で、内科系の急患を診察しました。幸い、最近はインフルエンザやコロナの患者さんも落ち着いており、それほど忙しくもなく、ゆったりとした時間を過ごせました。
    医局のソファに座っていたら、先日お亡くなりになった藤好クリニックの藤好先生のことが思い出されました。
    ここで新聞を読まれたり、コーヒーを飲まれたりしていたなぁ…と、ふとした情景がよみがえってきます。私は2〜3ヶ月に一度しか医療センターの当番はありませんが、不思議と、行くたびに藤好先生と一緒だった記憶があり、医局には思い出がたくさん詰まっています。

    昼過ぎに仕事を終えて外に出ると、なんといい天気!しかも涼しくて、心地よい風が吹いていました。まるで外国にいるかのような気分です。夏には「不快指数」という言葉がありますが、今日のような日は「快適指数100」ですね。こんなに爽やかで気持ちの良い日は、年に一度あるかないかかもしれません。

    さて、昨日のセミナーでは、アロマの学校を運営されている早川さんが登壇し、認知症予防や朝の気分を上げる方法について、実際の精油を使って紹介してくれました。
    また、当院のすぐ近くにある整体治療院CHOICEの小村さんからは、姿勢を正すことが呼吸の改善につながること、スマホやパソコン作業で首が前に傾くと、頭の重心が背骨から外れてしまい、それが肩こりなどさまざまな不調の原因になるというお話をしていただきました。

    主催者の立場で言うのもなんですが、非常に有意義な会だったと思います。
    参加してくださった皆さま、そして運営を手伝ってくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

  • アンチエイジングの取り組み方

    土曜日は各地で小学校の運動会が予定されていたようですが、あいにくの雨で中止になったところも多かったようです。私たちが予定していた予防医療セミナーは、おかげさまで無事に終了しました。その件につきましては、また後日あらためて書きたいと思います。足元の悪い中ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

    私はというと、土曜の昼間は通常通りの診療、午後は夕方まで医師会ヘルスケアセンターでの学校心臓健診でした。それが終わるやいなや、急いでセミナー会場に駆けつけるという、まさに時間との闘いの一日でした。明日の日曜日も、地域医療センターで出動協力医として内科の急患対応に当たる予定です。というわけで、この週末はまったく休む暇もありません。

    今回のセミナーでは、「アンチエイジングの取り組み方」をテーマにお話ししました。いつまでも若々しく元気で過ごすためには、当然ながら老化現象を少しでも食い止めることが大切です。そのためのキーワードが、「酸化」と「糖化」の防止です。

    体にはもともと酸化を防ぐ仕組みが備わっていますが、加齢とともにその力は衰えていきます。だからこそ老化が進むのです。植物も紫外線などのストレスにさらされることで酸化してしまうため、抗酸化の仕組みを持っています。私たちは、そうした抗酸化力の強い植物から抗酸化物質をいただくのが理にかなっています。

    たとえば、紫芋・紫大根・ブルーベリーなどに含まれる紫の色素、イクラやサーモンに含まれるオレンジ色の色素、さらに緑茶・ローズマリー・オリーブのような緑の色素などが代表的です。成分としては、アントシアニン、カテキン、アスタキサンチンなどが知られており、いずれも健康に良いとされています。

    日々こうした食材を取り入れた食事を心がけることはもちろん大切ですが、いつでも手に入るとは限りませんし、効果を実感するにはかなりの量を摂る必要があるのが実情です。そう考えると、サプリメントをうまく活用するのも有効な手段だと思います。実際、私自身もビタミン類をはじめ、いくつかの抗酸化物質のサプリメントを継続的に取り入れています。

    美肌は、女性にとって永遠の憧れではないでしょうか。しかし、化粧品などで外側からいろいろ塗っても、その効果には限界があります。そういうときは、内側からしっかりと抗酸化・抗糖化に取り組むことで、肌の若返りが期待できます。

    漢方では、症状への対処を「標治」、原因から治すことを「本治」と呼びます。化粧は標治、アンチエイジングのサプリメントは本治にあたるといえるでしょう。