むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 病院の待ち時間について

    昨日は診療が夕方の6時半過ぎまでかかりました。7時半から漢方のWEB講演会で座長を頼まれていたので、大急ぎで会場に駆けつけたところ、ギリギリ間に合いました。裏道を巧みに走ってくれたベテランタクシー運転手さんに感謝です。講演は日赤の加島先生が「むくみの漢方治療」について解説していただきました。若い女性や高齢者からのむくみの訴えは非常に多いので、とても参考になりました。漢方の初学者は五苓散ばかり使うかもしれませんが、勉強が進むと、患者さんごとに異なる病態に応じて適切な処方をすることができるようになります。

    講演が終わり、質疑応答の時間に、熊本市の地下10キロを震源とする震度3の地震がありました。ほとんど直下型で余震もなくどーんと来たので、久しぶりにびっくりしました。私はローカルのWEB講演会だと思っていたので、地震は視聴者全員が感じたと思っていたら、実は日本全国から200名ほどの参加があったとのことで、驚いたのはごく一部の参加者だったと後で知りました。また、視聴者が全国にいるとは知らず、ついつい漢方について雑談的な話にまで及んでしまい、あとで少し恥ずかしく感じました。それでも、雑談の中から少しでも印象に残ることがあれば、それも勉強ですのでお許しください。

    このところ、朝晩は少し涼しくなりましたが、日中はまだまだ驚くほど暑いので、私はエアコンを強めに付けて診察しています。季節の変わり目で体調不良を訴える方が特に増えている印象です。夏バテが一番多いですが、喘息や秋の花粉症などアレルギー疾患、職場の異動によるストレスで体調を崩した方、2学期が始まって学校に行けない学生さんなど、診察室はいつも以上に患者さんでいっぱいです。

    今日ネットを見ていたら、病院の待ち時間についての記事を見つけました。日本の多くの病院では何時間も待たされる一方で、予約制の進んだ海外の病院は待ち時間が少ない。ただし、予約が取れるのは数カ月先。結局、フリーアクセスでいつでも診てもらえるのは嬉しいけど、2〜3時間待ちが当たり前の日本と、海外の2〜3ヶ月待ちの待ち時間を比較すると、日本はまだ良い方かも、という話でした。私が書くと自己弁護になりそうですが、極力待ち時間短縮のため、テキパキと診察を進めたいと思っています。ご来院いただく皆様にもご協力をよろしくお願いします。

    Zoom講演会の様子 Copilotで挿画作成

  • 顎関節症、舌痛症の漢方治療

    鹿児島の漢方勉強会「桜岳塾」というのがあります。コロナの影響でWEB開催となってはや数年、私は仕事が終わって自宅でご飯を食べながら参加できます。他にも日本全国からエキスパートの先生が集まっており、ちょっとした学会のようです。鹿児島から司会進行し、長崎大学の先生が講演をし、福岡の先生もそれにコメントし、とWEBならではの展開です。本当に便利な世の中になりました。勉強をする機会が格段に増えました。これまでは熊本に住んでいると一流の先生との接点はほとんどなく、東京である学会などに行かない限り著名な先生の顔も知りませんでしたが、今やパソコン越しに著名な専門家といとも簡単に接することができます。

    今日の勉強会のテーマは、顎関節症と舌痛症でした。顎関節症は、従来は咬合不全(噛み合わせの悪さ)が原因とされてきましたが、ストレスなど心因性のものも多いとのこと。面白いのは、ご主人が定年退職してずっと家にいるようになると、奥さんがストレスで顎関節症や舌痛症になる例があるとのこと。ストレス、怖いですね。いや、定年して暇なお父さんも怖いですね。やっぱり、元気なら75歳くらいまでは給料は安くても再雇用などで外に出て働いたほうが良さそうです。

    そもそも、定年が60歳となった1950年代の平均寿命は70歳前後でした。サザエさんの磯野波平は54歳です。あの頃60で定年するのは納得です。ところが今は90歳くらいまで生きますから、60で退職すると30年も残っています。働かずに貯蓄で生き延びるには長すぎます。

    さて、それはともかく、顎関節症や舌痛症を治療するのは結構苦労します。病態を正確に把握し、いろんな方法で戦略を考えるのですが容易ではありません。漢方を使って劇的に治る事がある反面、同じ処方でも全然効かないこともあります。今後もさらなる経験、勉強、研究が必要だと感じています。

  • 保険適応外の講演こそお宝なのに・・・

    天気予報を見たら今日の熊本は38度の予報でした。9月とは思えない暑さです。しかし今日は訪問診療がない日だったので日中はほとんど涼しい院内で過ごしました。窓の近くに行くとカーテンを閉めていても凄まじい熱気を感じて頭が痛くなります。こんな真夏のような一日ですが、夜はすこし涼しくなり秋の虫の音が聞こえてくるようになりました。県庁のプロムナードのイチョウも薄っすらと黄色く色づいてきました。季節は確かに秋に向かっているのですが、日中の暑さばかりはまだしばらく続きそうなので注意しましょう。

    そういう今日は9月9日で重陽の節句です。祝日でないのが残念です。中国の陰陽哲学で数字の偶数は陰、奇数は陽に分類されており、陽の中でも9が一番大きいので縁起が良いとされます。その9が重なっているから重陽と言われます。五重塔などのてっぺんをみると、輪っかが串刺しになったような形をしていますが、あの輪っかは9つあります。同じ縁起を担いだものです。

    さて、今日は診療のあと日赤でコロナ後遺症の勉強会でした。関西医大の呼吸器内科の宮下教授が来られました。大阪では関西医大と北野病院の2箇所でコロナ後遺症をみているとのことで、患者さんが多すぎて相当先まで予約が埋まっているとのことです。そこでの症例の話や熊本赤十字病院でのコロナ後遺症の話は私が毎日見ている患者さんとほとんど同じ感じでした。私は漢方を中心に模索しているところですが、他の施設でもそれぞれのアイディアで頑張っておられます。困ったことに、保険適応外の情報は講演会で話せない規制があり、肝心なところは聞けずじまいでした。保険適応内の話だったら、エキスパートに聞かなくてもわかっていること。保険外でもこんな治療が効いたとか、よさそうだという情報がお宝なのにそういう勉強をさせてくれない製薬会社の規制には本当にがっかりさせられます。

    Copilotに五重塔を描いてもらいました。てっぺんの輪っかは9個あるでしょうか?

     

  • 痩せるには努力しかない

    日曜は久しぶりに心不全の学会があり、朝から博多まで行ってきました。昼には勉強も終わり、博多滞在3時間半で熊本に戻ってきました。心不全の会はだいぶ久しぶりで、県外に行ったのも相当久しぶりです。前にいつ新幹線に乗ったかを記憶をたどると、昨年11月に長崎での学会を思い出しました。これも数時間の滞在でとんぼ返りしましたが、その時以来の県外でした。

    以前私は週末だけジムに行き、1回5キロのランニングをしていました。しかし、何年か経過したものの全く痩せないどころか、正月に太った分が戻らずに困っていました。今年のゴールデンウイーク明け頃から近所のチョコザップに行き始め、週3回チョコザップ、週1〜2回水春のジムという生活を始めたところ、3ヶ月で約3キロ痩せました。しかし、その後は体重が止まってしまい、それ以上変化が出ませんでした。

    チョコザップでは1回15分、2キロのランニングと決めていたので、消費カロリーが少なく、これ以上痩せるのは難しいと感じていました。そこで最近は、週5回チョコザップ、週2回水春というペースで、結果的に一日も休まず毎日走るようにしたところ、再び少しずつ体重が落ち始めました。現在、目標まであと1キロです。以前、フルマラソンのため毎日15キロ走っていたときは痩せすぎて冷え性が悪化し、風邪をひきやすくなったので、そこまで痩せるつもりはありません。

    それにしても、毎日努力してやっと痩せるということを痛感しています。患者さんから「漢方で痩せたい」と言われることがありますが、私はいつもこう答えています。「飲んだだけでは痩せません。食事を制限し、運動しないと、漢方を飲んだら痩せるなんて、そんな甘い話はありません。」

    もし努力せずに痩せるような薬があれば、それは体に悪いんじゃないかと逆に心配になります。健康的に痩せるためには、やはり食事と運動のバランスが大切です。結局、痩せるには努力しかないのです。

    Copilotで挿絵を書いたので少し大げさになりましたが、実際参加者が500名を超えていたそうなので、こんな感じの勉強会でした。

  • AIは優秀な秘書

    11月に東洋医学会九州支部総会という学会を熊本で主催するため、今準備に追われています。医師会からプログラムを提出するようにと連絡があり、期限まで1週間しかありません。もっと早く知らせてくれればいいのに、と思いながらも、愚痴を言っても先に進まないので、開催日時や場所など手元にあるデータをすべて一つのファイルにまとめました。13名から送られてきた一般演題の抄録もすべてです。それをチャットGPTに読み込ませて、「この学会を主催します。プログラム集を作るので手伝って」とプロンプトを入れ、表紙、ご挨拶、スケジュールなどを順に出力してもらったら、見事にやってくれました。まるで優秀な秘書のようです。

    ご挨拶の文章が少し短かったので、「熊本地震から復興した町並みを見に来てください」という文章を追加して、もう少し長くするように頼んだら、見事にリクエスト通りの挨拶文ができました。私は8年前に同じ学会が熊本で開催されたときも実行委員長だったため、プログラムをワードで頑張って作りましたが、そのときは2週間ほどかかりました。それが、今日は診療前の1時間で出来上がったのです。すごすぎます。校正もAIに頼んだら、日本語のおかしいところをすべてチェックしてくれるので、間違いなしです。あとは学会運営スタッフにプログラム集をメールで送り、確認をお願いして完了です。すごい時代になりました。

    いつも、このブログを書いたあと、いくつかの異なるAIツールを使って感想や訂正を頼み、面白いかどうか、書き直したほうがいいところがないかを確かめています。挿絵を作成することもありますが、特に文章の校正をわずか数秒でやってくれるので、本当に助かっています。そして、そのAIが今回の学会のプログラム作成でもこれほどの力を発揮してくれたことに驚いています。これも日頃からAIを活用し、慣れていたおかげです。便利なものは、使い方がわからないからと敬遠するのではなく、わからなくても試してみて慣れておくと、突然それが大いに役立つ時が来るのです。

    いつもはCopilotで画像作成するのですが、今日はチャットGPTにブログを読んでもらって、イメージする絵を書いてもらいました。