新聞によると、Amazonがついに処方箋を受け付けて、提携したウェルシアから薬を宅配するサービスを開始するとのことです。この構想は1年以上前から聞いていたので、ついに来たかという感じです。いや、思ったより実現が早かったです。
最近は、医薬品の欠品がものすごい数あります。調剤薬局は本来なら正確な調剤、服薬指導、残薬調整、その他患者さんの薬に対する疑問を解決するなどの業務を行うべきなのに、医薬品調達にかなりの時間とマンパワーを取られてしまっています。診療報酬改定などで採算が合わなくなっている薬局も多く、閉鎖したり、他のチェーンに買い取ってもらうケースも増えています。そんな中、Amazonが処方箋からの医薬品をネット販売するということですから、調剤薬局にとっては泣きっ面に蜂です。定期薬に数日分余裕があるなら、Amazonに頼むでしょう。プライム会員なら送料無料で翌日配達です。
当院の近くには消化器内科、循環器内科、神経内科、眼科、耳鼻科、精神科など、多数のクリニックが道沿いに並んでいます。不思議に思うのは、それぞれのクリニックに別々の薬局が併設されていることです。これでは効率が悪いに決まっています。採算を考えるなら、大きな薬局が一つあれば十分でしょう。医薬分業で、このような仕組みに誘導した国の方針が間違っているのだと思います。熊本市の郊外にCOSTCOがありますが、ここにも薬局があります。私の情報では、品薄で手に入らない咳止めなどもここでは普通に手に入るようです。大手は仕入れの力があるのでしょう。私がアメリカにいたとき、調剤薬局はWalmartなどのスーパーの中にあり、処方箋を出したら買い物を済ませて帰りに受け取るシステムで、とても便利でした。日本も今回のAmazonの参入で、薬局再編成は避けられないでしょう。
さて、話は変わって、久しぶりに夕方、糖尿病のWEB講演を聞きました。最後の方で座長の先生と演者の先生たちがディスカッションしていましたが、座長の先生の質問を聞いて、「チャットGPTに聞いたら答えがすぐ出るんじゃないか」と思い、講演の最中にチャットGPTに質問してみました。すると、講演の演者の先生の回答をも凌ぐほどエキスパートらしい返事をくれました。理論的背景や回答の裏付けまで答えてくれたので、このレベルなら、わざわざ講演会でシンポジストに聞かなくても、自宅でチャットGPT先生に質問すれば十分勉強になるとわかりました。したがって、大事なのは知識ではなく質問力だということです。