むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 米サンクスギビングデイ(感謝祭)は来週です

    テレビやネットを見ているとブラックフライデーが話題です。今週末がブラックフライデーだったかなと思って調べてみたら、来週でした。この数年でブラックフライデー(バーゲン)は有名になってきましたが、本場アメリカで大事なのはブラックフライデーではなくその前日のサンクスギビングデー(感謝祭)です。日本で言うならお盆と正月が一緒になったような大切な日で、遠くにいる家族も帰省してきます。私のいた職場(テキサス大学麻酔科ラボ)もみんなでターキー(七面鳥)のローストなどを持ち寄ってパーティーです。私の家族は、中華街から食材を揃えてきて、もち米に桜えびなどをいれて竹の皮に包んで蒸したチマキを作って持っていったりしました。アメリカ人も米を食べることはありますが、あちらの米はサラサラしています。日本で言うタイ米みたいな品種です。うちが持っていったチマキをみんなはスティッキーライス(ベタベタする米)と呼んでいました。懐かしい思い出です。

    そして、そのサンクスギビングが終わったらみんなでバーゲンにでかけます。日本でいえば新春初売りバーゲンみたいな感じです。どこも大賑わいで黒字になるからブラックフライデーと呼ぶと言われていますが、真相は知りません。確かにブラックフライデーはバーゲンセールなのですが、それほどでもない印象でした。なぜなら、クリスマスを前にして、みんなプレゼントを買う季節なので、バーゲンをしなくても需要が大きいのです。したがって、クリスマスが終わって、需要が冷え込む年末の方が最も安くなる時期なのです。うちの家族は、テキサスのガルベストンから数100キロ離れたサンアントニオ(熊本市の姉妹都市です)近くのアウトレットモールまで泊りがけで買い物に行っていました。

    クリニックを開業すると熊本から離れられません。学会でもせいぜい福岡くらいまでです。患者さんでホンダや東京エレクトロンみたいな企業づとめの方は、先週は台湾、今週は中国、来週はベトナム、みたいな生活です。私としては、羨ましくて仕方ありません。いまや国際化の時代です。日本に留まらず世界に羽ばたいて仕事をしたいものです。

    往診先の老人介護施設「ふくろうの森」のシンボルがクリスマス飾りになった

  • なんのために血糖をコントロールするのか

    東洋医学会に参加してきました。沖縄の先生と話していたのですが、今年は台風が沖縄をそれて直接九州や関東にいって、コースが変わったようだ、沖縄の民家はどこも鉄筋コンクリートで大抵の台風には耐えられる、内地の人も木造はそろそろやめないと危ないですよ、とのことでした。たしかにそうかも知れません。沖縄に木造住宅はめったに無いそうです。台風だけでなく、地震の事もありますから、建て替えるならRC(鉄筋コンクリート)がいいと思いました。

    ところで、先日当院でTKUの健康大百科という番組の撮影がありました。多分18日月曜に放送だと思います。昼頃だと思いますが、恥ずかしいので見ないでください(と言いながら宣伝しています)。見損なったら、TKUのホームページからネット配信でしばらくの間見れるようですので、確認が取れたらサイトをアップしようと思います。

    番組では糖尿病の管理について話していますが、たった3分ほどの番組ですから大したことは話していません。私が最近思うのは、なんのために血糖コントロールするかということです。その答えは、将来起こりうる心筋梗塞や脳梗塞、腎不全、眼底出血などこわい合併症を予防するためです。こういった合併症は糖尿病になってから20年くらいたって起こってきます。そこで、80歳過ぎたような糖尿病患者さんは厳密にコントロールする必要はありません。むしろ低血糖のほうが害があります。例えば、血糖が200でヘモグロビンA1cが7.8の人と、血糖が70でA1cが5.8の人がいたら、後者は一見成績優秀に見えますが危険です。私はそんなデータを見たら冷や汗を流します。素人の皆さんはデータ(正常値)ばかり気にするのですが、それは大きな過ちです。

     

    佐賀銀行前

  • 冷え性の漢方治療

    今日は日赤の加島先生が漢方の講演をしたので、診療が終わり次第駆けつけました。夕方の診察後にしばらくお客さんが来たりして対応していたので、講演に10分ほど遅れたのですが、100人は入る講演会場が大入り満員で、私は一番うしろの補助席でした。その後も続々と来場する先生がおられました。主催したクラシエの集客力と漢方に対する本気度が伝わります。講演の内容は冷え性の病態解説と漢方の使い方です。これからの季節、冷え性は多くなります。漢方の出番です。西洋薬ではほとんど冷えには対応できないと思います。

    冷え性というのは不思議なもので、かなり主観的なものです。足が冷えると言う患者さんの足を触っても冷たくないことがよくあります。漢方の診察では、脈や舌の状態から寒熱を診断するのですが、本人が冷えると言っているのに診察所見は熱という場合があります。診察しながら頭が混乱してきます。今日の加島先生の講演ではこのような頭が混乱するような症例は出てきませんでしたが、実臨床ではしばしばこういう場面に出くわします。患者さんがなぜ冷えを訴えているのかを個々の症例でじっくり考えないとうまく治療法を思いつきません。

    また、単なる冷えでなく、冷えに伴ってお腹が痛くなる人、頭痛や腰痛がする人、しもやけになる人、眠れない人など多彩な症状を合併します。それらをそれぞれの症例で病態を考えながらベストな漢方処方を考えます。本当に難しい作業なのですが、謎解きが楽しくてこの仕事はやめられません!

    ちょっと季節がおくれました。せっかく撮った写真なので出しておきます。

  • 明日の医療連携を考える会

    月曜の診療のあと、講演会に参加しました。「明日の医療連携を考える会」というものです。主催は東(あずま)病院です。東病院は田迎にある老舗外科病院でしたが、今は息子さんの代になっています。私は現在の院長と同級生で、10年以上前ですが、しばらく東病院に勤務していました。私の開業医の基礎はここで学びました。私たち医師は大きな病院で研修しますが、クリニックでかかりつけ医の訓練する事は殆どありません。大きな病院は手術して終わりですが、かかりつけ医は退院したあとの一生の面倒を見ないといけません。その心がけから、ノウハウに至るすべてをこの病院にいた5年ほどで学びました。東院長には感謝です。

    そして、この頃開業医の先生たちとのつながりができたのも私の宝となっています。今日の勉強会には、その仲間たちが大勢来ていました。腰椎手術で有名な成尾院長、立野病院の上村院長。私が数億の借金(開業資金)をする際に健康診断の書類を書いていただいた、鶴屋パーキングにある中川院長。訪問診療のやり方を教えていただいた、わかばクリニックの片山院長。これらの先生たちとの交流を持てたのは東病院で働いたおかげです。

    東病院のある田迎は私の実家もありとても愛着のある土地です。当時東病院で外来をしていたときは、私の幼少期を知っている近所の人たちがたくさん来てくれていました。私を育ててくれた土地に恩返しできる喜びを感じました。今は東区に移りましたので、幼少期を知る人が来ることはありませんが、今のクリニックには阿蘇、天草、水俣、玉名と県内各地から来院していただいています。地元熊本に貢献できているという喜びを日々感じています。

  • 漢方で免疫を高める

    土曜の夕方は、恒例の漢方の勉強会でした。私も以前勤めていた桜十字病院の岡先生に講演していただきました。桜十字病院は私がいた頃にたくさんの漢方薬を採用してもらった都合上、今も積極的に漢方を使っています。入院中の患者さんにもたくさんの漢方を使います。

    なかでも画期的なのは、MRSA(多剤耐性菌)に対する漢方治療です。免疫機能を高める人参養栄湯を使うと、MRSAで苦しんでいる患者さんからMRSAが消えてしまいます。抗生物質だと菌と抗生物質の戦いなので、菌のほうが強くなれば、更に強力な耐性菌となります。抗生剤の開発と菌の耐性獲得のイタチごっこですが、菌のほうが圧倒的に先をいきます。抗生剤はこの先10年以上新しいものが出てくる事はありません。どの製薬メーカーも開発治験をしていないからです。

    人参養栄湯は菌と直接戦わず、人間の免疫を高めることで菌を排除してくれます。理想的な戦いです。寝たきり高齢者は肺炎になったり褥瘡ができたりで感染症でなくなることが非常に多いので、人参養栄湯は非常に役に立ちます。漢方を勉強していれば、こんなこと当たり前過ぎてわざわざ言うまでもないことなのですが、西洋医学しかやらない先生は信じないかもしれません。ただ、せっかく処方しても漢方が苦手で飲めないと言う方が結構います。我慢してでも飲むか、飲まないと断るかで命に関わる分かれ道となります。

    人がたくさんいるのは無料のドッグランです。道の駅久木野