むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 疲れない体つくり

    当院にかかりつけの方はご存知かと思いますが、クリニックの前には公園があります。今日見たら桜がかなり咲いており、4~5分咲きといったところでしょうか。ちょうど見頃を迎えています。来院されて待合ロビーがいっぱいだった場合は、少し公園でお花見を楽しんでみてはいかがでしょうか? ベンチに腰掛けて暖かい日差しの下、お茶でも飲めば、あっという間に30分ほど過ぎてしまうと思います。近所の方の中には、受付を済ませた後に散歩に出たり、1周1キロのコースをウォーキングしたりしている方もいらっしゃいます。せっかくの素晴らしい季節ですから、時間を有効活用していただければと思います。なお、外出される際には、受付に一言お声がけいただきますようお願いいたします。

    以前も少し触れましたが、GW明けに「予防医学セミナー」を開催する予定です。先日、立ち上げメンバー3人でZoom会議を行い、それぞれの講演内容について打ち合わせをしました。私はその内容をもとに、今日からスライド作りを始めました。普段は医師向けの講演を行うことが多いのですが、今回は一般の方にも参加していただけるようにする予定です。そのため、専門用語をなるべく避け、わかりやすく噛み砕いた内容にすることを意識しながら、一からスライドを作っています。医師はどうしても簡単なことを難しく説明してしまいがちなので、そうならないように注意しながら、楽しく学べる講演にしたいと思っています。

    今回のテーマは「疲れない体づくり」についてです。現代社会はストレスも多く、人手不足の影響もあり、特別なことがなくても日々疲れを感じやすい環境にあります。また、私たちの食事は昔に比べて豊かになっていますが、それでも「現代型栄養失調」と呼ばれる状態が問題視されています。しっかり食事をとっているはずなのに、なぜか疲れやすい――その原因の一つが、必要な栄養素が不足していることかもしれません。そういった背景を踏まえながら、「疲れにくい体をつくるための食事と栄養」について詳しく解説する予定です。現在、鋭意準備中ですので、ぜひ楽しみにしていてください。

  • 糖尿病と脂肪肝

    土曜日は、クリニック開業以来最多となる半日で85名の来院がありました。もちろん午前中では終わらず、午後2時近くまで診療が続きました。昨日に引き続き、待ち時間が長くなり申し訳ありませんでした。平均で1時間待ちほどだったのではないかと思います。相変わらず発熱や胃腸炎の患者さんが多く、定期診察の患者さんに加えて来院数が増えている状況です。

    さて、その慌ただしい診療が終わった後、午後から福岡で糖尿病の勉強会に参加しました。熊本でもこういった会にはよく参加するので、知った顔ぶれが何人も来られていました。最近はコロナ後、ようやくリアル(対面での)勉強会も復活しつつあります。もちろんWEB講演のほうが移動せず自宅から参加できるという利点も大きいのですが、実際に会場で参加し、同じ興味を持つ先生たちと雑談を通して交流できるのはとても楽しく、また、疑問があった際にお互い助け合える関係を築ける点でも、やはり対面の良さを感じました。

    最近、採血結果の紙に「FIB-4」という検査項目が載っているものを多く見かけます。これは肝硬変の予測マーカーとされていますが、こちらが依頼していないにもかかわらず自動的に印字されることがあります。正直なところ、私自身はこの数値をあまり信用しておらず、迷惑だと思っていました。しかし、今日の勉強会でその検査項目の意義がやっと理解できました。参加していた友人に聞いても「そういうことだったのか」とみな今さらながら納得した一日でした。

    もう一つ、検診でよく指摘されるのが肝機能異常です。軽度の場合、多くは脂肪肝と診断され、特に治療薬もないため「食事に気をつけること、運動をすること」と説明するしかありません。しかし、こうした一般的な指導では患者さんも「はいはい」と聞き流すだけで、効果的なアプローチとは言えません。私自身も、ただ説明するだけでは徒労に終わることが多いと感じていました。ところが今日の講演で、海外ではすでに脂肪肝の治療薬が開発され、臨床現場で使用されていることを知りました。日本はこの分野でかなり遅れていると痛感させられました。

    講演の内容とは直接関係ありませんが、日本はどんどん貧困化していると感じます。物価の上昇がさらに生活を圧迫し、経済的に厳しい状況が続いています。実はアメリカでは、貧困層ほど糖尿病の発症率が高いことが分かっています。安くてお腹が満たされる食品は、高カロリー・高脂肪・高糖質のものが多いためです。一方で、お金持ちはサラダを食べ、ジムでランニング。貧困層はフライドポテトやポテトチップスを食べながらテレビを見る。この生活習慣の違いが、健康格差を生み出しているのです。

    熊本駅中レストラン街「꼬끼오」(コッキオ)コケコッコー

  • 予防医学セミナーの準備

    暖かく、春の陽気が心地よい日曜日でした。行楽日和でしたが、皆さんは楽しめましたか?私はこの日差しを利用して、布団を干したり、携帯型太陽光パネルをベランダに広げてポータブル電源に充電したりしました。日差しが強かったので、昼過ぎには電源が満タンになりました。

    せっかくの日曜日を家で過ごしたのには理由があります。毎晩少しずつ見ていた韓国ドラマが、先週ついにクライマックスを迎えたのです。結末が気になり、この日曜日を使って最終話まで一気に視聴しました。とても面白かったです。

    夜は、友人たちと「予防医学セミナー」を立ち上げるための打ち合わせをしました。病院では、体調を崩した患者さんの治療が主な仕事ですが、これからの時代は「予防」がますます重要になります。食事や運動などの生活習慣の見直しはもちろん、食事で補いきれないビタミンやミネラルをサプリメントで摂取することも、病気の予防に役立ちます。私はこうした話題をよくこのブログで書いていますが、今回はまちなかの会議室を借り、50名程度を目安に興味のある方々を募ってセミナーを開催する予定です。ゴールデンウィーク後の開催を考えていますので、詳細が決まり次第またご案内します。

    話は変わりますが、先日、白衣の襟元の汚れが取れないという話を書きました。ちょうど生協のカタログを見ていたところ、「オキシクリーン マックスフォース スプレー」という商品を見つけました。シミ汚れなど気になる部分にスプレーしてから通常通り洗濯するだけという手軽さです。これまで、塩素系漂白剤を試したり、さまざまな方法を試みましたが、思うように汚れが落ちず、半ば諦めかけていました。しかし、このオキシクリーンを使ってみたところ、驚くほどきれいになりました。オキシクリーンは掃除のさまざまなシーンで活躍しますが、この商品は大満足の効果でした。

  • 基礎の勉強が大事

    2月は短いのに2回も祝日があるんですね。カレンダーを見ていたら、来週の月曜もお休みです。休みはうれしいですが、そのしわ寄せで他の日がむちゃくちゃ忙しくなるので、覚悟しておかないといけません。

    そういえば、今日の昼に熊本市で地震がありました。今調べたら震度2だったみたいです。揺れたのは一瞬でしたが、ちょうどスタッフ全員が集まって勉強会をしていた最中だったので、びっくりしました。先週は満月だったので、月齢は21くらいでしょうか。今週は寒波再来のニュースもあり、明日の天気予報では最高気温が5度くらいです。こんな寒い中で地震が来て停電でもしたら、寒さで凍えてしまいます。どうか大地震が来ませんように。

    先週の土曜日に漢方の講演会があり、私も30分ほどレクチャーをしました。今回は、漢方を勉強する際のコツについて話しました。普段は「こんな症例にはこんな治療が良い」といった実践的な内容を話すことが多いのですが、今回は基礎的な話にしました。実は今週も別の勉強会で講演を頼まれています。参加者が前回の講演会とは異なるため、今週も同じテーマで話します。ただし、今回は時間が1時間あるので、スライドの枚数を増やし、より詳しく話す予定です。

    漢方の勉強には時間がかかります。日本の医学部を卒業する段階では、漢方の知識はほとんどゼロです。臨床(西洋医学)を学んだ後で、興味のある人だけが漢方を勉強するのが一般的です。しかし、その時点ですでに臨床医であるため、勉強したことがすぐに役立つことを期待されます。そのため、私たちが講演する際も、「今日学んで明日から実践できる」ような内容にすることが多いのです。

    しかし、中国では漢方(中医学)を学ぶ中医学院に入学すると、東洋医学ベースの薬理、処方学、内科・外科などの科目に加え、古典の勉強を含め、6年かけてみっちり基礎を学びます。日本でも基礎を飛ばして臨床応用だけを勉強していては、腕が上がりません。やはり、すぐに役に立たなくても、基礎をしっかりと学ばないと、何事も成長しません。

    ホスピタルメントにて

  • 熊本城マラソン頑張れ!

    明日2月16日は熊本城マラソンですね。今日(15日)は「東方医学研修会」という漢方の勉強会に参加するため街に出ましたが、すごい人出でした。年末の忘年会シーズンを上回る混雑ぶりで、マラソン前日の賑わいを感じました。ただ、今の時点ではあいにく雨が降っています。明日の朝までに雨がやんでくれることを願っています。雨の中のフルマラソンは過酷です。私自身、レインコートを着て走った経験がありますが、雨に濡れなくても汗だくになり、結局全身びしょ濡れになってしまいます。明日私は地域医療センターで内科の1次救急外来を担当します。低体温や足がつって動けなくなるランナーが運ばれてくるかもしれません。朝から待機していますので、何かあれば対応します。

    さて、今日の東方医学研修会の話に移りたいと思います。今回は佐賀から栗山先生をお招きし、心身医療についての講演をいただきました。漢方に関する話題はもちろん興味深かったのですが、それ以上に心身医学の話が示唆に富んでいて、私にとっては宝石箱のような講演でした。

    特に印象的だったのは、精神科疾患、特に発達障害のような患者さんに対する考え方です。栗山先生は「治せないけれど、楽に生きられるようにすることはできる」とおっしゃいました。その言葉にハッとさせられました。最近の医療は「治るか治らないか」に注目しがちで、患者さんが日々の生活をいかに楽に、快適に過ごせるかという視点が軽視されがちです。例えば、がん患者さんの場合、最近では「治らなくても、共存しながら元気にやれているので大丈夫です」と言われることが増えてきました。それでいいんだと思います。

    別の例を挙げると、不眠症の患者さんは「睡眠薬を使えば眠れるけど、いつまで薬を飲み続けないといけないんだろう?薬なしで眠れるようになりたい」とおっしゃいます。糖尿病や高血圧も同じで、多くの場合、薬は長期間にわたって必要です。しかし、薬を使うことで血圧や血糖値が安定し、脳卒中や心筋梗塞などの深刻なトラブルを防ぎ、快適な生活を維持できるのです。

    睡眠に関しては、栗山先生が興味深いデータを紹介されました。睡眠薬を飲んでよく眠る人と、薬を飲まずに不眠に悩む人を比較すると、前者の方が認知症の発症率が低いそうです。生活の質(QOL)も、当然ながらよく眠れる人の方が高いです。それなのに、多くの患者さんは薬を飲み続けることに抵抗を示します。日中に眠くてボーっとするより、睡眠薬を使ってでもしっかり眠り、日中は元気に活動する方が、結果的に充実した人生を送れると思うのですが……皆さんはどう思いますか?