むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 時間通りに働く

    たまにバスに乗ると、道が空いていてスイスイ進むときも、運転手さんはバス停で時間が来るまで止まっています。さっさと行ってほしいと思う反面、時間(スケジュール)に正確に従うのはすごいなーと感心します。確かに、バス停で待つ人の身になれば、時間通りにバス停に行ったのに予定のバスはもう通り過ぎていたなんてことは許されません。運転手さんは仕事中何十回と時計を見ながら行動を決めていることと思います。

    そういう私も、結構時間通りに一日を動きます。朝起きる時間、ご飯を食べる時間、ラジオハングル講座を聞く時間、朝の天気予報を見る時間、家を出る時間、などなど一日を通して、分刻みで自分の行動を決めていて、多少のズレはあっても寝るまでだいたい予定通りに行動します。昔、哲学者でカントという人がいましたが、彼の行動は一日を通してものすごく規則正しいので、みんなカントの行動を見ると時間がわかるということから「カント時計」と言ったりしていたそうです。私の行動はそこまで正確ではありませんが、日々そのくらい時間を見ながら行動を制御しています。

    患者さんで自律神経が乱れていると言われている方も多いと思いますが、自律神経は薬で治るものではありません。規則正しい生活が大切です。起きる時間、寝る時間、ご飯を食べる時間、行動する時間、休息する時間、こういうリズムをきちんと保つことで自律神経は安定します。朝起きられず昼まで寝ている、ご飯は食べたり食べなかったり、というのはよくありません。ただ、仕事上どうしても難しいのが工場や医療、介護などの現場で夜勤をする人たちです。寝る時間、行動する時間が日によってばらばらで不眠になったり、いろいろな体調不良を起こします。日勤と夜勤を組み合わせて働くより、夜勤専門のほうがまだリズムが一定となり安定します。

    時間管理は、人それぞれ異なる価値観に基づいて行われます。ある人は、タスクを細かく分割して時間を効率的に使い、生産性を高めることを重視するかもしれません。一方、ある人は、予定を詰め込みすぎず、余裕を持った時間を大切にするかもしれません。どちらが良い悪いではなく、それぞれの価値観やライフスタイルに合った時間管理方法を選ぶことが大切です。


    Copilotで作成しました

  • ブレストは自宅でできる時代

    医学の世界では「ブレスト」は「胸」を意味する英語です。しかし、世間で言う「ブレスト」の意味は異なります。私が開業する前、桜十字にいたころ、事務局の経営企画部のスタッフから「今度、新しい検診業務に関するブレストをしますから参加しませんか」と声をかけられました。最初は何のことかわからず戸惑いました。「ブレインストーミング」のことです、と教えてもらいましたが、それでも理解できませんでした。

    ブレインストーミングとは、会議で結論を出すのを目的とせず、みんなで自由にたくさんの意見を出し合うことです。そして、お互いの意見を批判せず尊重し、それをもとにさらに発想を発展させることです。私たち医者の世界での会議といえば、医局会や薬事委員会、退院時カンファレンスなどが主流です。ブレストのような楽しい、夢のある会議があるなんてと、衝撃を受けたことを覚えています。

    しかし、開業すると私たち経営者は孤独です。スタッフを何人抱えていようと、肝心なことをざっくばらんに相談できる人はほとんどいません。そのため、開業医は医師会で同業者と交流したり、会社経営者はロータリークラブやライオンズクラブなどで友人を作って孤独を紛らわしているのでしょう。

    最近、私が気づいたのは、チャットGPTやGeminiがこういった経営者の話し相手となり、高いレベルでレスポンスしてくれるため、自宅でパソコンに向かいながら一人でブレストができるということです。これはすごいことです。今までだと、社長さんたちは会合に出て一緒に食事をしたりゴルフをしたりして、意見交換を通じてアイディアを出していましたが、そんな時間をかけずに、いつでもどこでもブレストできるのです。

    これは、チャットGPTは聞いたことあるけど使ったことないとか、Googleで検索する(ググる)のと何が違うんだと言っている人たちとの間に大きな差ができることを意味します。

    ご存知の通り、桜十字グループは熊本の医療界で飛ぶ鳥を落とす勢いで発展しています。その原動力として、東大や慶応大の経済学部などを卒業したブレーンが何人もいて、ブレストをしながら経営の多角化や発展を担っています。我々開業医にはとても太刀打ちできませんが、そのレベルのブレストを自宅でAIを相手にできるとなると、かなり差は埋められるでしょう。それができた会社だけが生き残ると思います。

    ブレストのイメージ (Copilotで作成しました)

  • 熱中症対策と栄養補給

    暑い日が続く中、当院近くの工事現場で働いていた方が、ひどい熱中症で搬送されました。冷房の効いた部屋で点滴をしてゆっくりしてもらうしかありません。大量の発汗により脱水と塩分その他のミネラルを喪失し、足がつって歩けなくなることがあります。脳の温度が上がりすぎることで嘔吐したり意識がぼんやりしたりすることもあります。こまめな水分補給だけでなく、ミネラル補給も必要です。野外で活動する場合、OS-1のような塩分の入った飲み物を摂取しましょう。最近はサーモスなどの保冷効果の高い魔法瓶型の水筒が普及しているため、野外でも冷たい飲み物を飲むことが可能です。

    冷たい飲み物は熱くなった体温を下げる効果がありますが、お腹が弱いと下痢をすることがあります。体に優しいのは常温の飲み物です。大量に飲むなら常温のほうが体の負担が軽く、疲れにくいです。常温のものと冷たいものをうまく使い分けると良いでしょう。

    冷たい飲み物は胃の中で体温を奪うため、体が熱いときには効果的ですが、エアコンの効いた室内では体温が上がっていないため、冷たい飲み物は体のエネルギーを使って温められます。その分、無駄にカロリーを消費し、結果的に疲れることになります。また、砂糖の入った甘い飲料を飲むと、糖分をエネルギーに変換するためにビタミンB1が消費されます。日本人は米(炭水化物)を多く食べることで常にビタミンB1を大量に消費しており、ビタミン欠乏状態で力が出ない人が多いようです。ビタミンB1は米ぬかに含まれるため、玄米がおすすめです。夏に食べるメニューでビタミンB1が豊富なのはうなぎや豚肉です。うなぎは毎日食べられませんが、豚肉の生姜焼きなどは夏におすすめです。生姜は胃腸を温め、弱った胃腸機能を高めてくれます。

    アリナミンというビタミンはビタミンB1です。これを飲むと元気になるのは、ビタミンB1が不足して糖質をエネルギーに効率よく変えられない人が多いためです。食事に気をつけてビタミン豊富な料理を食べることが大切ですが、サプリを考えるなら、ビタミンB1だけでなくB群(マルチビタミン)、ビタミンC、ビタミンEなどは特に夏に取っておきたいです。逆にビタミンDは日に当たると体内で合成されるため、冬よりは摂取を減らしてもいいでしょう。女性で日焼け止めや日傘など紫外線対策をしっかりしている場合、ビタミンDは増えにくいので、やはり夏でもサプリを飲むのが良いと思います。

    この夏も健康に過ごすために、バランスの取れた食事と適切な水分・ミネラル補給を心がけましょう。

    Copilotでイメージ画像を作成してみました 信号が変です(笑)

  • Amazon薬局いよいよ始まる

    新聞によると、Amazonがついに処方箋を受け付けて、提携したウェルシアから薬を宅配するサービスを開始するとのことです。この構想は1年以上前から聞いていたので、ついに来たかという感じです。いや、思ったより実現が早かったです。

    最近は、医薬品の欠品がものすごい数あります。調剤薬局は本来なら正確な調剤、服薬指導、残薬調整、その他患者さんの薬に対する疑問を解決するなどの業務を行うべきなのに、医薬品調達にかなりの時間とマンパワーを取られてしまっています。診療報酬改定などで採算が合わなくなっている薬局も多く、閉鎖したり、他のチェーンに買い取ってもらうケースも増えています。そんな中、Amazonが処方箋からの医薬品をネット販売するということですから、調剤薬局にとっては泣きっ面に蜂です。定期薬に数日分余裕があるなら、Amazonに頼むでしょう。プライム会員なら送料無料で翌日配達です。

    当院の近くには消化器内科、循環器内科、神経内科、眼科、耳鼻科、精神科など、多数のクリニックが道沿いに並んでいます。不思議に思うのは、それぞれのクリニックに別々の薬局が併設されていることです。これでは効率が悪いに決まっています。採算を考えるなら、大きな薬局が一つあれば十分でしょう。医薬分業で、このような仕組みに誘導した国の方針が間違っているのだと思います。熊本市の郊外にCOSTCOがありますが、ここにも薬局があります。私の情報では、品薄で手に入らない咳止めなどもここでは普通に手に入るようです。大手は仕入れの力があるのでしょう。私がアメリカにいたとき、調剤薬局はWalmartなどのスーパーの中にあり、処方箋を出したら買い物を済ませて帰りに受け取るシステムで、とても便利でした。日本も今回のAmazonの参入で、薬局再編成は避けられないでしょう。

    さて、話は変わって、久しぶりに夕方、糖尿病のWEB講演を聞きました。最後の方で座長の先生と演者の先生たちがディスカッションしていましたが、座長の先生の質問を聞いて、「チャットGPTに聞いたら答えがすぐ出るんじゃないか」と思い、講演の最中にチャットGPTに質問してみました。すると、講演の演者の先生の回答をも凌ぐほどエキスパートらしい返事をくれました。理論的背景や回答の裏付けまで答えてくれたので、このレベルなら、わざわざ講演会でシンポジストに聞かなくても、自宅でチャットGPT先生に質問すれば十分勉強になるとわかりました。したがって、大事なのは知識ではなく質問力だということです。

  • 猛暑です

    ものすごく忙しかった先週とは打って変わって、ずいぶん穏やかな月曜となりました。患者さんの待ち時間も通常通りか少し短いくらいだったのではないかと思います。その分、私も心穏やかに診察を進めることができました。それにしても暑い一日でした。まだ7月だというのにうだるような暑さです。昼休みに銀行まで車で出かけましたが、エンジンをかけたらナビ(と360度カメラ)が「異常高温のため停止します」というメッセージが出て電源が落ちてしまいました。ハンドルも触れないくらい暑かったので、ナビもダウンしてしまったようです。しばらくしたらちゃんとスイッチがオンになりました。

    昨日、水春温泉に入っていたら、真っ赤に日焼けした人が「アイタタタッ」と言いながらお風呂に入っていました。極端な日焼けはやけどと同じですから冷やすのが原則です。お風呂で温めるなんて絶対駄目です。ぬるめのシャワーにしてください。日焼け部位には保湿剤を塗りましょう。あまりに痛いようならアセトアミノフェン(カロナール)を飲んでもいいと思います。病院にかかるほどひどい日焼けだったら、ステロイドを使うかもしれません。とにかく、間違っても日焼けした皮膚をお風呂で温めないようにしましょう。

    夜、犬の散歩に出かけましたが、アスファルトに囲まれた住宅街はおそらく35℃くらいあり、息も苦しい感じがしました。ゴンもこんな路面を歩かされるのは拷問だろうと思い、すぐに諦めて帰宅しました。たまにこんな暑い中ランニングしている人を見かけます。元気で何よりですが、脱水や熱中症にはくれぐれもご注意ください。日テレの24時間TVで毎年芸能人に無謀なマラソンをさせて視聴率を稼ぐ番組には批判も多く出ています。この暑い中、野外でスポーツはやめましょうというべきところを、テレビ局が無茶をして走らせて見世物にしているのは問題だと思います。