むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 鍉鍼(ていしん)による鍼治療

    早速、水素吸入についてのお問い合わせをいただいています。
    現在はまだ水素発生機を発注した段階で、今後、納入・試運転・スタッフでの勉強会・料金設定などを経る必要があり、実際の導入までは少なくとも1ヶ月ほどかかる見込みです。
    準備が整い、具体的に決まり次第、あらためてブログやホームページにてご案内いたしますので、今しばらくお待ちください。


    最近、喘息のような咳がひどくなっている患者さんが目立ちます。
    通常、春や秋の季節の変わり目が喘息シーズンですが、梅雨明けのこの時期に悪化するのは少し珍しい印象です。雑草などの花粉も原因として考えられますが、私の見立てでは、おそらく新燃岳の噴火による火山ガスに含まれる硫黄成分を含むPM2.5が拡散し、それが気道過敏のある方にとって刺激となっているのではないかと思います。

    ちょうど週末に雨が降ったので、空気中の粒子はある程度洗い流されてきれいになっているかもしれません。PM2.5の情報は、天気予報などでも確認できますので、体調に不安のある方はチェックされることをおすすめします。


    昨日と今日の2日間連続で、県外から鍼治療をご希望の患者さんが来院されました。わざわざ泊まりがけでお越しくださったので、こちらとしてもそれに見合うだけの効果が出せるよう、全力で治療にあたりました。

    診察してみると、全身の筋肉が緊張して硬直している状態でした。要所のツボに鍼を刺して筋肉をほぐしていきましたが、それでも取りきれない硬いしこりが残ったため、久しぶりに鍉鍼(ていしん)を用いました。

    鍉鍼とは、刺さらない太めの金属の鍼を使ってツボを刺激したり、経絡を擦って「気」の流れを整える施術法です。素材にはステンレス、チタン、銀、金などさまざまな種類があり、それぞれで効果が異なります。もちろん、金製の鍉鍼は非常に高価なため、持っている方は少ないと思いますし、管理も慎重に行う必要があり、盗難にも注意が必要です。

    私が普段使用しているのはチタン製の鍉鍼です。ステンレス製の安価な鍉鍼も持っていますが、実際に使ってみると効果がまったく違うと感じるため、今はもっぱらチタンを使用しています。そう考えると、私の使ったことのない金や銀の鍉鍼の効果がどれほどか、興味が尽きません。

    鍉鍼は刺さない鍼であるため、小児治療にも活用されます。特に、刺す鍼に対して恐怖心のあるお子さんには、鍉鍼を使った小児鍼治療が効果的です。肩こりや首こり、慢性疲労などの治療でも、刺さないことで安心感があり、それでいてしっかり効果が得られるのが鍉鍼の魅力です。


    今後、水素吸入が導入されれば、鍼治療との“二刀流”でさらなる治療効果が期待できるのではと、私自身も楽しみにしています。
    水素吸入に関心のある方は、引き続きブログやホームページをご覧ください。乞うご期待!

     アサリ、オクラとミョウガを添えた夏の彩りオイルパスタ

  • 高齢者の糖尿病管理

    「糖尿病だからあれこれ食べたらだめ」と言われて、食事を楽しめなくなっている方、多いと思います。

    もちろん、血糖コントロールは大切ですが、高齢者の場合は若い方とは少し違った考え方が必要です。むしろ、「食べない」ことがリスクになることもあるのです。

    高齢になると、筋肉量が減り、体力や免疫力も低下しがちです。ここに「糖尿病だから」と食事を極端に減らしてしまうと、さらに筋力が落ちてしまい、寝たきりやフレイル(虚弱)につながってしまいます。

    実際、高齢者の糖尿病治療では、血糖値だけを追いかけるのではなく、

    体重が減りすぎていないか
    筋肉がしっかり維持されているか
    食事をきちんと楽しめているか
    低血糖を起こしていないか
    といった視点がとても重要になります。

    たんぱく質やビタミン、ミネラルを含むバランスのよい食事は、筋肉や免疫を支えるために欠かせません。高齢者の糖尿病では、「控える」より「足りているか」を確認することのほうが大事な場合も多いのです。特に注意したいのは、低栄養によるフレイルやサルコペニア(加齢による筋肉減少)です。これらは、転倒・骨折・入院のリスクを高め、生活の質を大きく損なってしまいます。

    では、どう管理すればいいのか?
    高齢者の糖尿病管理の目標は、「血糖値を完璧にすること」ではなく、元気で、日常生活を楽しく続けられることです。制限することより、無理なくバランスよく食べる内容や量を工夫することが大切です。

    そもそも、血糖をなんのためにコントロールするか。それは、動脈硬化や心疾患などの合併症を抑えるためです。血管病変などの合併症は血糖コントロールが悪い状態を10年20年と経過した結果出てきます。そうかんがえると、例えば75歳くらいまで厳重に血糖コントロールしたら、あとは検査データに一喜一憂せず、ご褒美と思って食事を楽しんでいいと思います。

    高齢の方の糖尿病は、「制限」よりしっかり食べて、筋肉を保ち、元気で過ごすこと。それが、長く健やかに生きるための秘訣です。

    ほほ肉のトマトソース煮込み

  • AIに助けられる日々

    医学雑誌に論文を投稿する際には、「査読」というプロセスがあります。これはその分野の専門家が内容をチェックし、

    • 学術的に価値があるか

    • 雑誌に掲載するにふさわしいか、オリジナリティーがあるか

    • 内容に曖昧さや矛盾がないか

    などを審査するものです。査読者からのコメントをもとに執筆者が修正を行い、再提出して認められると、ようやく論文が掲載されます。


    私自身は最近、忙しさにかまけて論文を書く時間はおろか、勉強の時間すら十分に取れていません。また、論文を査読するには、常に最新の医学知識と批判的な視点が求められますが、なかなかそれも難しいのが現状です。

    そんな中、私が熊本の東洋医学会の代表をしている関係で、県内の先生から「投稿前に一度読んでほしい」と原稿が送られてきました。しかし、内容は私の専門外で、的確なコメントをする自信がありません。


    そこでふと思い立ち、GoogleのAI「Gemini」に「この論文を査読者の目で読んでコメントして」と頼んでみました。すると、30秒ほどで驚くほど詳細な査読コメントが出力されてきたのです。内容を一つひとつ確認してみましたが、まるで本物の査読者が書いたような指摘ばかり。細かい数字の整合性などもチェックが入っています。これは凄い…。
    これに対して執筆者が丁寧に修正を加えれば、きっと本番の査読も通るだろうと思います。


    【紹介状の作成もAIにお任せ】

    話は変わりますが、私はときどき眼科の先生から「白内障手術予定の患者さんについて、内科的な問題がないか病状(紹介状)を書いてほしい」と依頼されます。

    今日もそうした依頼の手紙を受け取り、ふと思いついてChatGPTにカメラで読み取らせ、「体調は落ち着いているので、手術には特に問題ありません」という返書を書いて、と指示してみました。

    すると、数秒で完璧な返書の草案が完成! あとは最新の血圧や採血結果を書き込み、体裁を整えるだけでした。いやはや、本当に優秀な秘書です。


    🟨まとめ

    こうしてみると、AIはわれわれ医師の日常業務のなかで、時間と手間を劇的に減らしてくれる心強い存在です。使いこなせばまさに「縁の下の力持ち」。忙しい医療者にとって、今後ますます欠かせないツールになっていくと思います。

    ChatGPTで作成。最近はイラストに日本語も入るし、作ったイラストを手直しできるようになりました。進化してます。

  • 手ぬぐいでいいじゃないか

    ☀️ 夏の訪問診療は“修行”

    夏の訪問診療は、真冬の寒さよりもずっと過酷です。特に今年は昨年以上の猛暑で、しっかり対策をとらないと本当に熱中症になってしまいそうです。

    訪問診療では、近隣の老人ホームやご自宅を次々と移動して回るのですが、そのたびに車を出入りするため、エアコンが効く暇がありません。そのせいで、常に車内は体感40度以上。これはまさに“移動式サウナ”です。


    💡 ひんやりタオルの実力

    先日、右腕だけが日焼けしてヒリヒリしていたので、試しにひんやりタオルを濡らして腕にぐるぐる巻いて出かけてみました。すると、これが意外と快適。
    「これはいける!」と思い、週末にスポーツ用品店へ行ってみると、夏のランナー向けの日焼け&暑さ対策コーナーを発見。そこにあったのが、冷感アームカバーでした。

    速乾性のある素材でできていて、水に濡らしてから腕につけると、ひんやり気持ちいい!
    翌日さっそく使ってみたところ、最初は非常に快適だったのですが、しばらくすると乾いてしまい、冷却効果が落ちてきました。そこで、立ち寄った老人ホームの手洗い場でアームカバーに水をかけてみると、再び冷たさがよみがえり、快適さが戻りました。


    🎐 手ぬぐいでいいじゃないか

    アームカバーで腕の日焼けは解決しました。すると、手元にあったひんやりタオルが余ってしまったので、今度は首にかけてみることにしました。これがまた抜群に良い!やはり首を冷やすと、頭まで冷えて一気に楽になります。

    ここでふと思ったのが、ひんやりタオルの仕組み。
    あれって薄手の速乾性生地を濡らして、気化熱で体感温度を下げてくれるものです。
    「薄くてすぐ乾く布…あれ? 手ぬぐいも同じでは?」と気づきました。

    ちょうど、お祭りのときにもらった手ぬぐいが手元にあったので、試しに水に浸して固く絞り、パンパンと振ってから首に巻いてみました。これが実に快適!しかも、少し温まってきたらもう一度パンパンと振るだけで冷たさが復活するのです。

    これは経済的だし、洗ってもすぐ乾く。なにより私は毎年ボシタまつりに寄付しているので、手ぬぐいは山ほど持っている。
    ひんやりタオルの“元祖”は、間違いなく手ぬぐいだと実感した一日でした。

  • 水素吸入機を導入することにしました

    🌧 久しぶりの雨と、空の変化

    熊本市内では久しぶりに雨が降りましたね。当クリニックのある小峯から長嶺にかけてはほとんど降らず、雷の音だけが響いていましたが、後から聞いたところによると、中央区や菊陽のあたりでは横殴りの激しい夕立だったそうです。

    おかげで、空気には湿気が戻り、吹く風が少し涼しく感じられるようになりました。植物たちも、久しぶりの雨で生き返ったことでしょう。雨上がりに空を見上げると、月が美しく輝いていました。このところ、まるで黄砂のように空がずっと霞んでいましたが、今日の雨で上空の汚れが一掃されたように感じました。


    🌋 霞の正体と、火山活動の活発化

    今日ネットで見かけた情報によると、このところ九州を覆っていた季節外れの霞の正体は、霧島・新燃岳の噴火による火山ガスだったそうです。

    トカラ列島周辺では海底火山の活動も注目されており、それに連動するように各地の火山も活発になっています。桜島や霧島でも噴火の勢いが強まり、阿蘇でも火口付近の温度が上昇しているという報道がありました。

    つい地震にばかり意識が向きがちですが、実は火山活動にも注意が必要です。阿蘇の場合、カルデラ内に多くの人が暮らしており、万一の際には影響が大きくなりかねません。

    当院からも阿蘇はすぐ近くに見える位置にあります。万が一噴火すれば、火山灰どころか、軽石や小さな噴石が降ってくる可能性もゼロではありません。あまり不安を煽るつもりはありませんが、日頃から少し意識しておくことが大切だと感じます。


    🌱 前向きなニュース:水素吸入機を導入予定です

    とはいえ、分からないことを心配ばかりしていても始まりません。ここでひとつ、前向きなお知らせです。

    以前から導入を検討していた水素吸入機を、当院にて本格的に導入することにしました。

    水素には抗炎症作用があり、炎症性疾患、がん患者さんのケア、アンチエイジング、美容医療など幅広い分野で活用されています。最近では、救命救急の現場でもその効果が注目されています。

    当院では、次のような症状や目的に対して、水素吸入を提供していく予定です:

    • 熱中症・めまい・頭痛・肩こりなど体調管理

    • アンチエイジング・美容目的のケア

    ※水素吸入は保険適応外です。

    費用は現在検討中ですが、まずは体験していただけるよう、7〜8月限定で初回お試しキャンペーン(30分500円程度)を予定しています。
    9月以降は通常料金となる予定です。開始日が決まりましたら、改めてご案内いたします。