むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 「忙しい」と心(の余裕が)亡くなる

    土曜日は診療が終わってからうちのゴンを連れて狂犬病の予防接種に行ってきました。動物病院で土曜日の午後や日曜日に空いているところは少ないのですが、最近健軍に土日もやっている動物病院がオープンしたので行ってみました。私たちのように平日仕事があり土曜の午後か日曜しか時間が取れない場合、こういった病院が土日に空いているのはとても助かります。健軍商店街のそばには、年中無休の歯医者さんもあります。我々のように通常休みが取れないときに、土日や正月などに歯のメンテナンスをしてもらえるのは、本当にありがたいです。

    当院は月曜から金曜まで午前午後フルに、そして土曜の午前中と合計週5.5日診療しています。多くのクリニックは週半ばに半日休むところが多いので、私はよそより少し多く働いています。実は、これはスタッフを少し余裕持って多めに雇わないと実現できません。スタッフは週休2日だったり、パートさんは夫の扶養の範囲でないと働けないという制約があるからです。当院は、通常のクリニックよりだいぶ余裕を持ってスタッフを雇っているので、院内の外来対応だけでなく、訪問診療や訪問看護なども幅広く対応しています。

    わたしが、スタッフみんなに対して思っているのは、ギリギリの人数で目一杯働かなくてもいいように、多めに雇うから、気持ちに余裕を持って、患者さんに笑顔で優しく接してもらいたい、ということです。「忙」と言う字はりっしんべん(心という意味)を亡くすと書きます。「忙しいと心を失う」のです。常に余裕を持って働きたいものです。

    海鮮チヂミ 健軍マクドナルド向かいの韓国料理「ソニン」にて。絶品です。

  • 春は検診の季節

    春は検診の季節です。学校や職場で健康診断があると思います。雇用時検診や職場の定期検診では人間ドックほど詳しい検査をしませんので、あまりコメントが付く事はないと思います。しかし時としてあまりに検査値が異常だった場合、精密検査を勧めることがあります。例えばレントゲンで異常陰影を認めた場合、CT検査をお勧めします。心電図で異常を認めた場合は心エコーをお勧めします。採血で肝機能やコレステロール尿酸などが高かった場合は一般の内科で再検査を受けることをお勧めします。

    新年度に入り特定健診の案内が届いているご家庭もあると思います。特定健診はいわゆるメタボ(生活習慣病)検診ですからコレステロールや糖尿の検査が主となります。もし必要な場合はレントゲンや心電図をオプションで付けて検査することができますのでご希望でしたらご相談ください。

    最近健康診断でよく指摘されるのが慢性腎臓病(CKD)です。腎機能が低下してくると将来透析になりますよと脅かされます。実際はそのように腎機能がどんどん低下して腎不全となる症例はそれほど多くは無いのですが健康診断のレベルでCKDと指摘されるケースは非常に多く見られます。CKDの評価には採血データとともに年齢を計算式に入れて評価します。その結果、年齢が高くなればなるほど同じ採血の値だったとしても腎機能が低下していく計算結果となります。結果、多くの人が脅かされることになります。時には、保健師さんが家まで来て脅かしていきます。

    問題なのはこのCKDを検診で見つけたとしてもあまり治療法がないことです。腎臓内科に紹介する場合がありますが、血圧やコレステロールの管理をきちんとすること、糖尿病の管理をきちんとすることといった基本的な健康管理につきます。当院ではCKDに非常に効果的な漢方がありますのでCKDを指摘された患者さんの多くには漢方薬を処方しています。多くの人がこの漢方を飲むことで腎機能が回復しています。

  • いい事は理屈抜きに実践すればいい

    最近テレビの車のCMを見ていると、むかし多かった車の性能を強調したようなものはほとんどなく、車を買ったらいかにウキウキ楽しい週末が過ごせるかとか、趣味のレジャーを楽しめるか、といったイメージCMが多く見られます。論理的な左脳に対してイメージ優先の右脳に訴える構造になっています。

    最近、薬の中にもこの車のCMのように性能をあれこれ語るより、とにかくイメージでその薬を飲んでおきさえすれば健康な未来が待っているといった薬があります。例えばスタチンというコレステロールの治療薬です。これはコレステロールの数字がいくつであれ、ちゃんと飲んでおきさえすれば将来起こるかもしれない心筋梗塞などを有意に減らすことができる薬です。 またSGLT2阻害剤という糖尿病治療薬は血糖の数字がどうあれこの薬を飲みさえすれば心不全や腎機能障害を軽減することができるということが分かってきており、薬の効果を数字であれこれ議論するよりも、ただ飲みさえすれば幸せな将来をかなえてくれる薬だと思います。

    その他、ビタミン剤も似たような効果を期待できるものがあります。例えばビタミン B やビタミン C です。これらのビタミン剤は効能をあれこれ知らなくても、きちんと飲みさえすれば身体に良い結果をもたらします。食事の面で言えばオリーブオイルやエゴマ油あるいは魚に含まれる DHA/ EPA などの良い油を取ることは非常に健康に良い結果をもたらします。あとは減塩することや糖分を取りすぎないこと。こういった当たり前の注意をすることがで幸せで健康的な将来が持っていると思います

  • 熊本地震から5年

    熊本地震から5年が経ちました。地震の時、当院はクリニックの建設中でした。設計の際に当院敷地内の地盤調査をしました。熊本の在住の方はご存知と思いますが、クリニックのある小峯付近は小高い丘になっており、厚い火山灰の層になっています。地盤調査をして分かったのは20メートル以上杭を打っても固い地盤に届かないと言うことでした。そこで当院を建設する際には杭を打つ建築方法は諦め、基礎全体をコンクリートで固める方法をとりました。

    基礎の工事にはかなりお金がかかりましたが、幸い地震の際に被害はなく、無事クリニックが完成しました。地震の後、当院の向かいにある東稜高校は避難場所となっていました。もし当院が既に開業していたならば、東稜高校の避難所をボランティアで回っただろうと思うのですが、当時私は桜十字病院に勤めていましたので、南区の多くの患者さんたちを受け入れ桜十字病院で診療を続けました。桜十字病院は大きい病院なので、廊下やロビーに近所の人たちがたくさん避難してきていました。地下水が使えたので、断水もありませんでした。毎日の診療は本当に大変でしたが、余震の中お互い励ましあいながら仕事をしたのをついこの前のように思い出します。また何年か後に熊本で大きい地震があるかもしれません。あるいは南海トラフ地震があるかもしれません。そういった際にも我々は医療人としての使命がありますので、地域住民の方々のためにできることを精一杯果たしたいと思っています。

    当時こまった思い出として、停電が続いたため、自宅の電動シャッターが開かず、車が出せないで大変でした。あと、この季節夜はかなり冷え込みますので、運動場や体育館で一夜を過ごすのは本当につらいことだと感じました。そんな困った中でも、近くの公園では水の配給とおにぎりなどの炊き出しがあり、こんな状況でもなんとか生きていけるんだと安心したのも今思うと貴重な体験でした。

  • 新しい糖尿病食のあり方(私見)

    従来の糖尿病治療はエネルギーコントロール食と言って1日の総カロリーを計算して制限する方法がとられてきました。しかしこのエネルギーコントロール食は十分なタンパク質やビタミンが取れず、栄養のバランスが悪いと思っています。そこで大切なのは糖質を制限して血糖を上げない食事です。最近話題の炭水化物ダイエット(炭水化物を制限してその他の肉や魚野菜などは制限しない食事方法)は同じカロリーの食事をしても血糖があまり上がりません。こういった食事を糖尿病の人には食べていただきたいと思っています。また同じ食べ物でも食べ方によって血糖が上がる場合とあまり上がらない場合があります。例えばご飯を暖かくして食べる場合と冷やして食べる場合では血糖の上がり方が異なります。冷えたご飯を食べると血糖はあまり上がらないことがわかっています。コンビニでおにぎりを買って食べる時、レジで温めますかと聞かれた場合、温めずに食べた方が血糖が上がらないと言うわけです。

    スムージーも人気ですが、スムージーにはリンゴやバナナなど甘い果物を一緒に入れますので、血糖はかなり高くなります。同じく市販されている野菜ジュースも、甘い果物を一緒に入れてあるため、単にトマトやニンジンといった野菜のジュースに比べて血糖が上がりやすくなっています。それを考えると、野菜はサラダとして食べ、果物はデザートとして食べた方が血糖が上がりすぎずにいいと思います。

    ご飯の前に野菜サラダを食べると同じ量のご飯を食べても血糖は上がりません。このような工夫を重ねることで栄養はしっかりとりつつ血糖を上げない食事が可能となります。食品交換表でカロリーの計算ばかりして味気ない糖尿病食に我慢するよりこのような知識を持って豊かな食生活を目指してはと思います。