むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 電話不通で大変な月曜日

    当院はキューネットのセキュリティーが張り巡らされています。私が開業前に桜十字病院で勤務していた関係で、桜十字と兄弟会社のキューネットに相談して建物を設計するときからキューネットにも入ってもらい、ドアや窓の全てにセンサーが付いています。もちろん玄関や駐車場、受付レジのところはセキュリティーのカメラが24時間画像を録画しています。この映像は自動的にキューネットの本社に送られ、遠隔で異常がないか常にチェックしてもらっています。ところが昨日キューネットから連絡が入り、インターネット回線がダウンしており、病院からの信号が途絶えているとのこと。どうしたんだろうと思っていましたが、一晩待って、朝6時半頃出勤したら、すでにキューネットの人も見守りに来てくれていて「監視の信号が入らないので巡回に来ました」とのこと。さすが、頼りになる!

    院内を見て回ったら、電話回線がエラーになっていました。パソコンを立ち上げてもネット回線が通じていない。ビジネスホンの本体パソコンは見た感じ普通に動いているようでした。どこが悪いのかわからないので、早朝でしたがNTTに電話して、見に来てくれと頼みましたが、今日は予約が入っていてすぐ来れない、できるだけなんとか対応する、と言われました。仕方ないので自力でいろいろ確かめたら院内LANは動いているので電子カルテとサーバーは正常。レセコンと電子カルテの間はなぜかうまく信号のやり取りができていないとわかりました。また、マイナ保険証はネットがないと全く機能せず、保険証の確認は昔ながらの保険証でのみ可能でした。

    そこで、当院に通院歴が1度でもあればカルテが存在するため診察可能と判断し、通常通りに営業を開始しました。昼休みになり、NTTが見に来てくれました。なんと建物の外の回線が切れているとのこと。カラスがつついたんじゃないですか?という話でしたが、それはありえます。いつも私が出勤する早朝、駐車場でカラスを見かけていました。あいつのいたずらか。それにしても、NTTの迅速な対応に救われました。90名の外来をなんとか終了できました。病院の経営というと、薬局や介護施設との関連ばかりクローズアップされますが、今日のようにキューネットとかNTTの支えがあって初めて営業できているんだとわかり、つくづく皆さんに感謝です。

     

  • 雨の日曜、イオンモールは大混雑

    このところ、日曜にWEB講演会の予定が入ることが多く、今日も朝から3つの講演を同時に聴講しました。一つは漢方で口腔乾燥の話。2つ目は統合医療のセミナー、3つ目は心不全治療薬の講演会。3つとも面白くて興味ある話なので、聴き逃がせませんが3つとも音を出すと、わけがわからなくなるので、今日は漢方をメインに勉強して統合医療と心不全の講演はスライドを見ながら面白そうなところだけ聞きました。すごく勉強になりました。雨の日曜で、特に外出の予定もなく充実したスタートです。

    昼過ぎに3つとも講演が終了したので、午後はいつものようにスポーツジムに行きました。ちょうど新生活応援セールみたいな時期で、イオンモールはむちゃくちゃ混んでいました。モールに入るための渋滞が今まで4年ぐらいのうちでマックスひどかったです。私は裏技で渋滞を避けてモールに入り、ジムで5キロランニングし、温泉とサウナでさっと汗を流したあと、せっかくなのでクレアの中に入ってみましたが、人の多いこと。無印なんか、レジに並んだ人の長蛇の列が店の外まで達しそうな勢いです。私は並ぶのが嫌いなので、すぐに買い物はあきらめて帰宅しました。

    並ぶのが嫌いなのは私の常です。学会などで東京に行くと、レストランなどどこに行っても人の列です。熊本でもアミュプラザがオープンしたときはどの店もすごく並んでいました。私は美味しいと評判の店に並ぶくらいなら、全然人の並んでいない不人気店でいいです。ただ本当は、人が並んでいないけど絶品という穴場探しが大好きです。

  • タクシーは呼んでもこない!

    開業して地元で長年仕事をしていると、幼なじみの情報も入ってきます。今日は幼稚園時代からの友達と中学時代のクラスメートと久しぶりに会食をしました。同級生というのは何も気を使わずワイワイ話せるので貴重な存在です。幸いなことに、50年以上の古い付き合いの友人でいまだに時々あってご飯を食べたりする人が5人ぐらいいます。親友とよばれる人は一人でもいれば十分と言われます。それが、5人もいると言うのはなんと幸せなことでしょうか。幼なじみだけでなく、開業してから仕事関係で付き合い始めた薬品卸の所長さんもたまたま同じ年で、卒業した学校は別ですが、今では親友みたいにざっくばらんに話せます。

    こういう付き合いはいいものですが、女性ではたまに仲がこじれた話を聞きます。LINE既読スルーされたとか、そんなところから長年の友達付き合いがピリオドとなるみたいです。診察中にそんなストレスの話を聞くことがあります。男性はそういうところは少ないような気がします。

    話は変わって、タクシーが全然来ない!夕方会合に行こうとしても配車できませんと断られます。タクシーを呼ぶアプリで試しに呼び出しをしても、数分後にメールで配車できませんと言われる。患者さんに聞くと、免許を返納して車がなくなったので、病院通いもタクシーを使わないといけないけど、呼んでもこない。結局息子を呼んで送ってもらった、とかよく聞きます。なんでこんな世の中になったのでしょう。コロナでタクシー会社がたくさん潰れたり業務縮小、リストラをしたので、いざ景気が回復しても運転手さんがいない。人手不足はどの業界でも著しく、お客さんがたくさんいても働けるスタッフがいないために会社が潰れる話をよく聞きます。医療、介護業界も例外ではありません。大変な時代になりました。

  • 春の花が咲き始めました

    すごくいい天気で温かい一日でした。昼に往診に出かけた際には暑くてクーラーを入れました。自宅では、この好天気の恩恵で布団も干したかったのですが、仕事に出るのは暗い時間で帰宅するのも日が暮れているので外に出していくわけにはいきません。そこで仕方ないので室内に干して仕事に行って帰ったら、布団はふっくらと乾燥していました。やっぱり温かいとちがいますね。クリニック近くにコブシの花が満開です。コブシは漢字で辛夷と書きます。漢方で葛根湯加川芎辛夷とか辛夷清肺湯という処方があります、辛夷(こぶし:シンイ)は鼻炎に効く生薬です。花粉症の季節に鼻炎に効く辛夷の花が咲くなんて、面白いですね。

    辛夷清肺湯は、市販ではチクナインという商品名で手に入ります。ネーミングの通り蓄膿症の薬です。アレルギー性鼻炎がひどくなると副鼻腔に感染を起こして鼻の横(頬)や目頭付近に痛みを感じるようになります。頭蓋骨を軽く叩いてみて響いて痛むときはほぼ間違いなく副鼻腔炎です。耳鼻科に行くと抗生剤を出されますが、治りにくいときは何ヶ月も抗生剤を変えながら投与されます。当院では辛夷清肺湯をベースに入れながら抗生剤を使います。炎症が取れたら、漢方だけしばらく続けておくと再発予防になるため、慢性鼻炎でしょっちゅう副鼻腔炎になる人にとっては辛夷清肺湯はとても有用な処方です。

    辛夷とハクモクレン(白木蓮)はそっくりなので私には区別がつきません。たぶんモクレンのほうが花が大きいような気がします。似た花といえば、ボタン(牡丹)とシャクヤク(芍薬)もそっくりです。ただ、牡丹は木で少し大きく、芍薬は草で小さめです。どちらも根っこが漢方薬になります。漢方で瘀血(おけつ)という血液の循環の滞りを治してくれるので女性向けの処方の特効薬となります。

    満開のコブシ 佐土原にて

  • RSウイルスのワクチン

    発熱患者さんはだいぶ減ってきましたが、検査をするとインフルエンザもコロナも出ます。どちらも出ないこともあります。こういう場合、来院するタイミングが早すぎて確定できないこともあり、翌日再検査するとはっきりする場合もあります。しかし、再検査をしても出ないとなると、それ以外のウイルス感染(RSウイルスやアデノウイルスなど)あるいは溶連菌のような細菌感染、あるいは副鼻腔炎も鑑別に上がってきます。そんな中、最近RSウイルスに対するワクチンが発売されました。今日はその新しいワクチンの勉強会でした。会場参加の予定でしたが、夕方往診が入ったので会場に行けず、自宅からWEB参加しました。

    RSウイルス感染は小児に多く、子どもの病気みたいに思われていることも多いのですが、子供がかかるとその親とか面倒を見てくれている祖父母にも感染します。糖尿病や呼吸器疾患のある高齢者がかかると重症化しやすいとのことです。大人用のRSウイルス検査キットは無いことから、これまでRSウイルスの風邪は存在は知っていてもよくわからずじまいだったというのが現状です。しかし、今回発売されたRSウイルスのワクチンは有効率が85−90%以上あるそうなので、かなりの確率でRSによる気管支炎や肺炎を予防できるようです。まだ発売されて間もないのですが、ひどい副作用はなさそうなので、基礎疾患のある人の場合は考慮してよいのではないかと思います。ただ、現在のところ保険適応ではないので自費となります。

    それにしても、私たち医療従事者は不思議と感染に強く、毎日インフルエンザやコロナの患者さんと接しているのに全然うつりません。マスクは伊達でしていますが、N95マスクのようなちゃんとしたものではないのでウイルスなんか簡単に通ります。メガネもしていないし手袋もしていません。結局大事なのは一処置一手洗いの原則です。私たちがたまに失敗するのは診察後手洗いやアルコール消毒をせずに電子カルテの入力を始めてしまうときです。特に胃腸炎のウイルスはアルコールで殺菌できないため手洗いしかありません。診察したら何も触らずすぐ手を洗う。これさえしておけばほとんどうつりません。

    老人ホームなど介護施設でよく見かけるのが、手袋をしてガウンをしてフェイスシールドをして患者さんの介護をしているけど一処置一手洗いを全くせず、次々と別の入居者さんの介助をしている介護士さん。これはだめです。自分だけプロテクトしても施設全体に広げてしまっています。

    入院病棟で働く看護師さんたちは大工さんみたいに腰に道具を入れるベルトをして、そこに手指消毒のアルコールを持ち歩き、処置の前と後で必ず手指消毒をします。病棟では処置のたびに近くに手洗いできる場所があるとは限らないので、これがいちばん確実です。

    テキサスではちょうど今頃ブルーボネットという青い花が野原に咲き乱れます。25年ぐらい前にテキサスにて撮影