むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • AIはロゴ作成も得意

    私は小学校時代、絵画教室に通ったことがあり、水彩ですが、絵を描くのが好きでした。高校時代は美術か書道の選択でしたが、私は書道を選びました。実は同じく小学校時代、習字も習っていたことがあるのです。

    今、私から手書きの診断書をもらったことがある方は、私がまさか習字を習っていたなんて信じられないでしょう。丁寧に字を書くのは苦手です。最近はパソコンで文章(カルテやブログ)を書くのが仕事で、タイピングは速いのですが、いざ手で字を書こうとすると漢字を思い出せなかったりして、みみずの這ったような雑な字でごまかしてしまうのです。

    さて、私がクリニックを開業した際には、クリニックのロゴをどうしようかとあれこれ考えたことがありました。紙に鉛筆と定規などを使って描こうとしても、一向にいいものができません。直線や丸だけでなく、やはり病院だからハートや人の形を入れたほうがいいか、とか、循環器だから心臓や心電図をモチーフにしたほうがいいか、とあれこれ考えたのですが、どれもどこかで見たことのあるような、ありきたりのデザインになってしまい、全部却下しました。

    そこで、自力でロゴを作るのをあきらめ、病院の設計を依頼した設計事務所のデザイナーさんに頼んだところ、いろいろと洗練されたアイデアが提案され、最終的にはその中から選んだのでした。

    そんなことを思い出して、チャットGPTに「私のクリニックは内科、循環器科、漢方内科、心療内科を専門としていますが、病院のロゴを考えてください」と依頼してみました。すると、1分ほど考えた後、ジャーンと現れたロゴが、かなり洗練されていて、しかも私の専門性を具体的なデザインに落とし込んだものだったので、びっくりしました。

    習字や絵画を習って育った私が太刀打ちできなかったロゴ作成が、わずか1分ででき、しかも即採用できそうなクオリティだったことに、少しショックを受けつつ、AIのすごさに感心しています。

  • 食後の血糖をあげないようにする

    最近、チャットGPTを仕事に活かす方法についてブログに書いていますが、先日その記事を読んだ患者さんから「自分も使っています」という報告を受けました。とても嬉しい出来事でした。

    その方は、体調が悪いときにチャットGPTを相談相手として活用しているとのこと。ボランティアによる健康相談の電話などもあるけれど、何度もかけるのは気が引けてしまう…。そんなとき、私のブログを読んでAIを相手に相談してみたところ、だんだん気持ちが落ち着いてきたそうです。まさに、AIが寄り添う形のメンタルサポートですね。素晴らしい使い方だと思います。

    以前にも書きましたが、チャットGPTなどのAIと対話する際は、「相手のキャラクター設定」が重要です。たとえば、男性・女性、朗らか・冷静などの人格を指定することで、より自分に合った話し相手になります。また、会話の導入でAIが混乱しないよう、役割をはっきり伝えることもおすすめです。

    たとえば、こう始めてみてはどうでしょうか?

    「あなたは私の信頼する主治医です。今日は相談があります。今から私の話を聞いて、必要があればアドバイスをお願いします」このように設定すれば、より的確な返答が得られる可能性が高まります。試しにGoogleの「Gemini」にも同様の設定で相談してみましたが、かなり良いアドバイスを返してくれました。

    さて、昨日NHKの『とりせつ』という番組で「加齢は糖化によって進む」という話題が取り上げられていました。もちろん加齢の要因はひとつではありませんが、「糖化(glycation)」はその大きな一因とされています。

    番組では、糖尿病のある人は高血糖のために体内のタンパク質が糖化されやすいことは理解されているが、血糖値に異常がない人でも、糖化がかなり進んでいるケースがあると紹介されていました。実際には、これらの方は「食後高血糖型」だったのです。

    健診で測られるのは空腹時血糖です。しかし、空腹時に問題がなくても、食後に血糖が急上昇している人がいます。この「見えない高血糖」が、体の糖化=老化を進めている可能性があるのです。

    こうした人たちにおすすめしたいのが、「食後のちょこちょこ運動」です。番組では「一つ上の階のトイレに行ってくる」といった軽い運動を紹介していました。食後血糖が上がるタイミングに合わせて軽く体を動かすことで、血糖値の急上昇を緩やかにする効果があるそうです。

    私も患者さんには「運動するなら食前より食後が効果的です」とお話しています。食前に運動するとお腹が空いて食べすぎてしまうこともありますが、食後に動くと摂取した糖をすぐにエネルギーとして使えるため、高血糖を予防できます。

    また、高血糖を避けると、インスリンの分泌が抑えられます。インスリンは血糖を下げる一方で、脂肪を蓄えるホルモンでもあります。インスリンの分泌を最小限にすることは、ダイエットや体重管理にもつながります。

    つまり、「食後高血糖」を意識した生活を送ることが、老化予防・健康維持につながるということです。

  • AIと英会話するための設定方法

    昨日のブログでは、ChatGPTで試験問題を解くだけでなく、資格試験対策の模試やその解答・解説まで作れることを書きました。また、チャット機能(音声入力)を使えば、AIと実際に会話ができるので、英会話教室のように語学練習もできる、という点にも触れました。

    昨日は「どんなことができるのか」をちょっと試してみて、「できたできた!」と喜びながら書いたのですが、今日はその機能を自分仕様にどうカスタマイズするかにチャレンジしてみました。

    私のクリニックには、英語圏の外国人患者さんがかなり多く来院されます。中国・台湾・ベトナムの方と比べると、英語圏の患者数は5倍以上。なので、英語での診察はもう日常茶飯事になってきています。

    とはいえ、診察内容や状況が少し変わると、いつもの英語表現では対応しきれないことがあり、単語や言い回しがすぐに出てこないこともあります。そういうとき、AIに通訳してもらうのはちょっと恥ずかしい…。なので、自分の語学力を高めるためのツールとして使いたいと思っています。

    昨日、資格試験の模試を作ってくれると分かったので、今日は試しにこんなふうにAI(今回はGoogle Gemini)に頼んでみました。

    「私は内科医です。英語を話す患者さんを診察する際に、挨拶・問診・検査の説明・処方などで想定される会話を、英語でどう表現するかまとめてください。」

    すると、まるで本屋さんにある「外国人診察に必携!医療英会話」みたいな本ができそうなレベルのまとめが返ってきました。これは本当に役に立つ!あとはこのフレーズを覚えて、ChatGPTとの会話練習に活かすだけです。

    普通に雑談を振れば、ChatGPTはどこまでも付き合ってくれます。でもそれでは診察時の練習にはなりません。そこで、診察シーンをリアルに再現するために、まず以下のような設定を日本語で指示してみました。

    「あなたはアメリカ人です。日本に旅行中で、今朝から発熱と咳があり、私のクリニックに来院しました。私は医師としてあなたに質問しますので、患者として答えてください。」
    これだけで、AIは役割をすぐに理解し、驚くほどスムーズにリアルな診察会話を始めてくれます。思わず冷や汗をかくほどの臨場感があり、かなり実践的な英会話トレーニングになります。これは私にとって必要なプラクティスですが、みなさんも自分に必要な状況設定を考えてAIに付き合ってもらえば、いろんな練習ができます。

    そういえば、以前新聞で「外国で弁護士を雇わず、AIの助けだけで裁判に勝訴した人」の記事を読みました。すごい時代になりましたね。

    今、私たちにとって一番必要な勉強は、「AIの力をいかに引き出すか」です。昔の記憶力だけで点数が取れた頃とは完全に時代が変わりました。思い出せないことは検索すればいいだけのことです。

  • AIの進歩に目を見張る

    私は毎日ChatGPTを使っています。使わない日はありません。
    先日ネットニュースを見ていたら、「ChatGPTが東大医学部に合格できる実力を持っている」との記事を目にしました。すごいですね。すでに医師国家試験にも合格できるだけの知識があるとのことで、AIの進歩には本当に驚かされます。

    また、別の記事では、さまざまな資格試験にも合格レベルの知識を持っており、「模擬試験を作ってもらうこともできる」とのこと。そこで試しに、「公認会計士の受験勉強をしたいので、模試を作ってください」と頼んでみたところ……なんと、しっかりとした試験問題が提示されました。内容が専門的で、私には解き方がわからなかったのですが、ChatGPTは正解と解説まで丁寧に作ってくれます。まさに至れり尽くせり。これがあれば、もしかして塾もいらないかもしれません。

    そんな話題をクリニックで雑談していたとき、ふと思いついたのが「音声入力を使えば、英会話レッスンもできるのでは?」ということ。

    実は以前、AIを使った英会話アプリを1ヶ月だけ無料で試してみたことがあります。プログラムに沿って、カフェで注文する練習などが段階的に用意されていて、アドリブにもある程度対応してくれるのですが、一定のシチュエーションの枠が決まっているため、ちょっと話しにくさも感じていました。

    そこで今回は、ChatGPTの音声入力機能を使ってみました。AIが「なんの話題についてお話しましょうか?」と聞いてくれたので、”Do you speak English?”と尋ねると、英語で自然に返してくれました。

    「これはいけるかも」と思い、英語で「今から私が話す英語の発音や文法が間違っていたら正してください」と伝えてから、今日の出来事をずらずらっと話してみたところ、「あなたの英語はほとんど間違っていませんが、ここをこう言うともっと自然です」と丁寧にフィードバックしてくれました。

    会話が終わって画面を閉じると、その会話内容がすべて文字起こしされていて、あとから文章として確認することもできました。これなら英会話レッスンも、なんと無料でできてしまいます。

    しかも、会話相手をしてくれるAI音声のキャラクターも選べます。男性・女性はもちろん、知的、ユーモラス、冷静、フレンドリーなど、好みのタイプを選んで会話ができるのです。

    すごい時代になりましたね。
    これからも、日々の暮らしや学びの中で、AIとの付き合い方がどんどん変わっていきそうです。

  • PDFを使いこなそう

    パソコンで文章を書いて人に送る際には、ワードなどのワープロソフト形式ではなく、PDFで保存して送るのが一般的です。私がアメリカに留学していた20年前から、PDF変換は当たり前のように行われていました。これは、受け取った人が勝手に内容を書き換えられないようにするためです。もちろん、パソコンに詳しい人ならPDFを編集することは可能ですが、ワープロソフトのまま送るよりも改変されるリスクを大幅に減らせます。

    しかし、日本では厚労省や保健所などの行政機関、さらには学会本部からのお知らせがワード形式で送られてくることがあり、驚かされます。もしかすると、若い世代は学校で情報リテラシーを学ぶ機会があるため、この重要性を理解しているかもしれません。しかし、勉強していない大人こそ注意を払うべきだと感じます。

    一方で、紙の書類をデジタル保存する際、スキャナーを持っている人はスキャンしてPDFで保存できますが、出先でスマホしかない場合、書類を写真として保存してしまうことが多いのではないでしょうか。しかし、この方法には以下のような問題があります。

    写真データは無駄に大きな容量を消費する
    メールに添付する際、情報量が過剰になる
    画質の問題で、文字が読みにくくなる

    そのため、私はスマホやタブレットでも書類をPDFで保存するよう心がけています。Android端末の一部では、標準の写真アプリでスキャンしてPDFに変換できる機能がありますが、すべての機種で対応しているわけではありません。iPhoneでは「メモ」アプリの機能としてスキャンが可能ですが、やや分かりづらい場所にあります。

    より簡単で便利な方法を探していたところ、マイクロソフト(MS)の「Lens」というアプリを見つけました。「レンズ」といえば、AndroidではおなじみのGoogle Lensがありますが、MS Lensはスキャン専用のアプリです。iPhoneでもAndroidでも利用でき、操作がとても簡単で便利です。

    このアプリを使えば、斜めから撮影しても自動で台形補正がされ、影が入ってもフィルターで除去されるため、きれいなPDFとして保存できます。紙の書類をデジタル化する機会が多い方には、ぜひおすすめしたいアプリです!