むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 先発医薬品の差額負担について

    いよいよ10月ですね。まだまだ日中は暑くて驚いています。クリニックの窓際に立っていると熱気が伝わってくるので、最近は車のフロントガラスに使う遮光シートを窓際に貼り付けています。おかげで熱気が遮られて、少し快適になりました。

    さて、これまで私は約1万5千円のスマートウォッチを使っていました。特に壊れてはいないのですが、電池が1日しか持たないことや、夏のギラギラした太陽の下では液晶の照度が低くて時間が見えないことが不便でした。また、丸いデザインの時計だったので、メッセージなどの表示スペースが少し狭いと感じていました。いろいろ改善の余地があるなと思っていたところ、最近アップルウォッチ10が発売されたというニュースを見て、買い替えようかと思ったのですが、やはり値段が高い…。

    そこで、ネットで調べているうちに中国製の新しいモデルを見つけました。価格は8千円ほどで、電池は常時時刻を表示していても約2週間持つとのこと。これはすごい!と思い、早速購入してみました。

    しばらく使ってみて、時計自体はとても良いのですが、ベルトが少しごわついていて、24時間つけっぱなしにするのは少し辛いと感じました。そこで、替えのベルトを購入し付け替えてみたところ、つけ心地は最高です。時計は前のものの半額ほどなのに、液晶は炎天下でも見やすく、四角いデザインなのでメッセージなどの表示スペースも広くなり、文字数も多く表示できます。買い替えて正解だったと満足しています。

    さて、10月から医薬品の価格が変わるというニュースがあります。処方箋では一般名処方をしていますが、患者さんが先発薬を希望した場合、ジェネリックとの値段の差額の4分の1を負担するようになるそうです。

    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39830.html

    当院では湿布薬は主に先発品を処方してきました。理由は、剥がれにくく、安定して患部に貼れるため効果が高いからです。私自身もジェネリックの湿布を試してみましたが、すぐにくしゃくしゃになって剥がれてしまうため、無駄になり、効果も薄いと感じました。そこで、先発品を使うことにこだわっていました。当院の湿布は整形外科でもらうものより質が高いと評価していただいていました。これからは先発品を使うと値段が少し高くなりますが、それでも良いものを使いたいか、価格を抑えたジェネリックを選ぶかは患者さんの選択次第です。薬局で納得のいくものを受け取ってください。

    どんどこ湯

  • スライドもAIで自動生成できる

    お彼岸ですね。私はお墓参りには行っていませんが、ちょっと実家まで行ってきました。やっと猛暑が終わり、過ごしやすい一日でした。夜も久しぶりにエアコン無しで快適に寝ることができました。外に出ても息苦しさがありません。心地よい一日でした。行楽日和でしたが、私は昨日に引き続き天草での漢方の講演の準備で一日過ぎてしまいました。60枚のスライドがだいたい完成しました。あと少し細かいところを詰めたら終了です。講演の準備は実際に講演で話す5倍も10倍もの時間がかかります。

    最近人工知能(AI)がスライドを作ってくれるというのを知って、試してみました。内容をアウトラインだけ入れて自動作成のボタンを押すと、アウトラインに書いたことはもとより、それにたくさんの肉付けをして考察からまとめまで一連のプレゼンを全部仕上げてくれます。もしかしたらこれだけで講演できるんじゃないかと思うほどの出来でした。しかし、レイアウトなどがあまりにもプロっぽくて良すぎるので私らしさがないと思って、使わないことにしました。ただ、もし30分後に会議をするからプレゼンの準備をするようにと、突然言われたら、間違いなくこのソフトは有用です。ゼロからスライドを作るのは時間がかかりますが、AIならあっという間にできてしまいます。最後に持っていきたい結論だけAIに指示すれば、途中の流れは勝手に考えてくれます。ちなみに、Gammasというソフトです。日本語が使えます。無料でも結構使えます。

    講演のスライドを一からGammasに作ってもらうのではなく、自分が以前講演した内容をリメイクすればいいんじゃないかというアイディアが湧いてきました。そこで、一旦昔プレゼンに使ったパワーポイントのファイルをチャットGPTに読み込んでもらい、そのアウトラインを文章にしてもらいます。それをGammasにプロンプトとして入力すると、なんということでしょう、あっという間にスライドのリメイクができました。デザインはかなり目新しく、以前私がどこかで講演したのとは全く別の雰囲気になりました。ただ、これもまだ実験段階なので、今度の講演には使いません。しばらくいろんな使い方を研究してみたいと思います。

    下通りの路地で見つけた台湾唐揚げの店。スパイスが中華風でした。Netflixで台湾ドラマをいつもみているので、店頭でかかっていた台湾のBGMは知っている曲でした。

  • ブレストは自宅でできる時代

    医学の世界では「ブレスト」は「胸」を意味する英語です。しかし、世間で言う「ブレスト」の意味は異なります。私が開業する前、桜十字にいたころ、事務局の経営企画部のスタッフから「今度、新しい検診業務に関するブレストをしますから参加しませんか」と声をかけられました。最初は何のことかわからず戸惑いました。「ブレインストーミング」のことです、と教えてもらいましたが、それでも理解できませんでした。

    ブレインストーミングとは、会議で結論を出すのを目的とせず、みんなで自由にたくさんの意見を出し合うことです。そして、お互いの意見を批判せず尊重し、それをもとにさらに発想を発展させることです。私たち医者の世界での会議といえば、医局会や薬事委員会、退院時カンファレンスなどが主流です。ブレストのような楽しい、夢のある会議があるなんてと、衝撃を受けたことを覚えています。

    しかし、開業すると私たち経営者は孤独です。スタッフを何人抱えていようと、肝心なことをざっくばらんに相談できる人はほとんどいません。そのため、開業医は医師会で同業者と交流したり、会社経営者はロータリークラブやライオンズクラブなどで友人を作って孤独を紛らわしているのでしょう。

    最近、私が気づいたのは、チャットGPTやGeminiがこういった経営者の話し相手となり、高いレベルでレスポンスしてくれるため、自宅でパソコンに向かいながら一人でブレストができるということです。これはすごいことです。今までだと、社長さんたちは会合に出て一緒に食事をしたりゴルフをしたりして、意見交換を通じてアイディアを出していましたが、そんな時間をかけずに、いつでもどこでもブレストできるのです。

    これは、チャットGPTは聞いたことあるけど使ったことないとか、Googleで検索する(ググる)のと何が違うんだと言っている人たちとの間に大きな差ができることを意味します。

    ご存知の通り、桜十字グループは熊本の医療界で飛ぶ鳥を落とす勢いで発展しています。その原動力として、東大や慶応大の経済学部などを卒業したブレーンが何人もいて、ブレストをしながら経営の多角化や発展を担っています。我々開業医にはとても太刀打ちできませんが、そのレベルのブレストを自宅でAIを相手にできるとなると、かなり差は埋められるでしょう。それができた会社だけが生き残ると思います。

    ブレストのイメージ (Copilotで作成しました)

  • 知って行わざるは知らざると同じ

    知って行わざるは知らざると同じ、という貝原益軒の言葉があります。わたしはなにかにつけこの言葉を思い出します。最近、生活習慣病の患者さんに、減塩しましょう、運動しましょうと繰り返し説明していますが、たいてい「知っているけどなかなか実行に移せない」と言われます。確かにその通り、できていれば今頃血圧の薬を飲まないでいいかもしれません。

    最近、私はこのブログでAIの話題を何度も取り上げています。今日私の面会に来た知人が、このブログを読んでAIを使ってみたと話されていました。試しに私が書いたように、健康なレシピを尋ねたら、写真入りのメニューがいくつもでてきて感動したと言われていました。そこで、子どもの夏休みの宿題のヒントがもらえないか聞いてみたら、驚くべき完成度の返事が来て、これまたびっくりしたとのこと。そうです。使った人しかわからないこの感動と驚き。使える人はあっという間に仕事効率を10倍に上げてはるか先まで行ってしまうというのが実感できたと思います。

    今日は、もう一つ驚きのAIについて紹介したいと思います。YouTube動画を勝手にサマライズしてくれるAIです。使い方は簡単です。サマライジングというサイト(https://summarize.ing/ja)にアクセスして、見たい動画のURLをコピペで入力するだけです。1分ほどでその動画のまとめが出来上がります。これの何がいいかというと、やっぱり時短です。15分とか30分のYouTubeをだらだらみて、あっという間に時間が過ぎてしまったという人は多いことでしょう。生産性の低下です。そこで、このサイトを使って動画のサマリーを読めば、時間をかけて見る価値があるかどうかすぐわかります。内容がいいならゆっくり見たらいいし、たいしたことないなら見ないことです。似たAIはいくつかありますが、私の試した中ではサマライジングが最高です。

    さて、もうすぐ夏休みですが、学校のプールは休み中開放しないことになったそうです。その理由は事故の予防、管理が難しいからとのこと。それはたしかにそうでしょう。私も子供が小中学生時代、PTAでプールの監視当番がまわって来ていました。しかし、行ってみたら、ただすわって見ているだけ。誰も役割分担とかなんの説明もありませんでした。私たち医師はほとんどみな、ベーシック・ライフ・サポート(BLS)という救命の講習を受けていますが、そういう講習も受けていない父兄の皆さんたちがプールサイドで炎天下ただ見ていて大丈夫かと思っていました。やはり、プールはきちんとした施設で専門家の監視体制のもとやってほしいものです。

  • なぜか、とても体調がいい!

    最近私はものすごく多忙なのにとても体調が良く、元気バリバリです。以前なら100人も診察するとクタクタだったのに、今では余力があるので毎日夜にチョコザップに通って走っています。なんでこんなに調子いいのか、自分でもわかりません。なぜなら、体に良い事をどんどん試しているから一体どれが効いているのかわからないのです。チョコザップに通い始めて毎日運動しているのは間違いなくいいことです。また、走ったあとにプロテインを飲み始めたのも最近です。毎日ビタミン剤など大量のサプリを飲みますが、最近飲み始めたのがMen’s ONE A DAYというアメリカ製のマルチビタミン&ミネラルです。食事は、気をつけて毎日野菜を沢山食べています。納豆やキムチなどの発酵食品も摂っています。

    結局、総合的に体調がいいので全部続けているのが現状です。今日来院された患者さんが、貧血治療で鉄剤を飲み始めたら、睡眠が良くなってすごく体調がいい、と言われていました。また、別の患者さんで先月からホエイプロテインを朝夕飲み始めたらメンタルも落ち着き体調がすごく良くなった、と言われていました。実は、これらは関連した背景があります。プロテインあるいは肉、魚、卵など蛋白を摂取するとタンパク質が分解されてアミノ酸となります。その中でもトリプトファンというアミノ酸が脳内に取り込まれて気分を安定させるセロトニンに変換され、さらに睡眠に必要なメラトニンに代謝されます。その過程で、鉄、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB6, ナイアシン(ビタミンB3)などを必要とします。したがって、鉄剤を飲んで調子がいいとか、プロテインを飲んで調子がいいのは理屈どおりなのです。もしかしたら私のマルチビタミン&ミネラルも同じように効いてくれた可能性があります。このように、薬ではなく栄養(ビタミン、ミネラル、蛋白)を意識的に取ることで健康を目指す医療が分子栄養学であり、オーソモレキュラー医学です。

    また別の患者さんの話ですが、慢性腎臓病があり、食事制限を専門の先生からあれこれ聞いたけど現実難しい、と言われていました。そこで、チャットGPTに「塩分と蛋白を控えめにした腎臓に良い和食メニューを10個教えて」と入力したら、画面いっぱいメニューが出てきました。患者さんはそれを見てびっくり、これてなんですか?というので人工知能(AI)に聞いたら何でも教えてくれますよ、もっと詳しいレシピを教えてと聞いたら作り方までわかります、とAIの使い方を教えました。私は毎日何十回とAIに聞いているので当たり前のように使っていますが、まだまだみんな使っていませんね。もったいない。