むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • ブラックライトを買ってみた

    天気予報の通り、今日の熊本市内は雪となりました。私は医師会病院の出動協力医として、日曜の朝から出勤でした。 家を出たときはまだ降っていませんでしたが、診療中はずっと吹雪のような雪が舞い、駐車場の車もみるみる白くなっていきます。「無事に帰れるだろうか」と心配になるほどでしたが、昼過ぎからは気温が少し上がり、幸いにも雪は溶けてくれました。

    診療後は、少し遅めのランチをとりに街まで歩いてみました。さすがに人出はいつもの日曜日より少なめです。今日は郡市対抗駅伝が行われており、雪の中で懸命にランナーを応援する姿があちこちで見られました。さぞ寒かったことでしょう。来週はいよいよ熊本城マラソンですが、この雪が来週でなくて本当に良かったですね。

    地域医療センターの休日外来は、患者さんの大半が発熱や胃腸炎でした。いつもの倍近い患者さんが来院され非常に多忙でしたが、この規模の病院では検査結果が出るまでに時間がかかり、外来の流れが停滞しがちなのが課題です。 自院で診療する場合と比較すると、どうしても待ち時間が長くなってしまう印象は拭えません。動線や電子カルテの運用など改善の余地はまだ多いと感じますが、1〜2年前と比べればスタッフの動きは以前よりスムーズになっており、その点は評価すべきだと感じました。

    ところで、皆さんは「ブラックライト」をご存じでしょうか。紫外線に近い365nm(ナノメートル)程度の波長を持つ、肉眼ではほとんど見えない光ですが、これを当てると蛍光物質が鮮やかに光り出します。昔、ディスコの照明で白いワイシャツが光って見えた、あの光といえば分かりやすいかもしれません。

    最近、このブラックライトがペン型で、1,000円ほどで売られているのを見つけて購入してみました。 釣りをする方は魚をさばく際のアニサキス発見に使ったり、家庭ではペットの尿汚れを見つけたりするのに重宝するそうです。面白そうなので、さっそく我が家でも試してみました。

    うちのゴンの周囲を調べてみると、やはりトイレシートはピカピカと光ります。一方で、リビングのカーペットに汚れがないことが確認できて一安心。さらにトイレを照らしてみると、自分では掃除したつもりでも汚れが残っている場所が一目瞭然でした。 試しにお札を照らしてみたところ、一箇所だけマークが浮かび上がるように光りました。偽札鑑別の技術がこんな身近に隠れているとは……。なかなか奥が深く、おもしろい道具を手に入れました。

    駕町通りでパスタランチ。味はまずまず。星3つ。

  • 漢方講演の準備

    「2月は逃げる」と言いますが、気がつけば早くも一週間が過ぎました。今週は比較的患者さんの数は落ち着いており、全体としてはのんびりした雰囲気でしたが、一方で発熱外来の対応に追われる日々でもありました。

    現在、水素吸入の回数券をご購入いただいた方には、できる限りご希望の時間帯にご利用いただきたいと考えております。しかし、発熱患者さんの対応が重なると処置室が満室になってしまうことが多く、思うようにご案内できない状況が続いております。ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。

    さて、私は明日土曜日の夕方、漢方の講演を予定しています。参加者は現地とオンラインを合わせると260名を超えそうだと聞いています。日赤の加島先生と分担し、4つの処方について解説した後、後半はフリートーク形式で漢方処方のコツなどをお話しする予定です。これまでスライド作成や処方解説の準備にかなりの時間を費やしてきましたが、最近はAIのおかげで思考の整理がずいぶんと効率よく進むようになりました。

    ところで、皆さんは買い物をするとき、「すでに持っているのに、また別のものが欲しくなる」という経験はありませんか? 今あるもので困っているわけではないけれど、少しだけ機能やデザインが違う新しいものが気になってしまう。こうした収集癖は、どちらかといえば男性に多いのかもしれません。ゴルフクラブを何本も揃えてしまう方など、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。

    実は私にも、つい増えてしまうものがいくつかあります。

    一つは、タブレット端末です。iPadやAndroid端末をいくつも並べ、用途に合わせて同時に複数の作業をこなすのが私のスタイルです。

    二つ目は、ペンライトやLEDライトなどの「明かり」。なぜか昔から光るものが好きで、ついつい手が伸びてしまいます。

    三つ目は、目覚まし時計。特に正確な時刻を刻み続ける「電波時計」には強い安心感を覚えます。各テーブルに置いておきたいと思うほどで、寝る時も食事中も、常に時間を意識して行動するのが習慣になっています。

    皆様には、理屈抜きについ集めてしまうものはありますか?

  • 今の日本はベトナム人に助けられている

    以前のブログで、私の幼少期の思い出として、父に連れられてベトナム難民の保護施設を見学したことを書きました。ベトナム戦争後の混乱期、小さな船で命がけの国外脱出を図った人々は「ボートピープル」と呼ばれ、日本各地で保護されました。今から40年ほど前の話です。

    単なる昔話のつもりで綴ったのですが、先日、この記事を読んだ患者さんから「自分も昔、その施設に行ったことがあります」と声をかけていただきました。益城に施設があったとのことですので、おそらく私が見学したのと同じ場所でしょう。 その方のお父様は当時、施設を眺めながら「この人たちは今、日本で保護されているけれど、いつかきっと日本のために力になってくれる存在になるよ」と話しておられたそうです。その予見通り、現在、私たちの身の回りでは、コンビニや農業、介護の現場など、人手不足のさまざまな場所で、ベトナムの方々が献身的に働いてくれています。

    私は当時の記憶があるからか、ベトナムの方々の根性や、命がけで物事をやり遂げる国民性に強い関心を持ち続けてきました。どんなものを食べ、どんな音楽を聴き、どんな服を着ているのか……。興味は尽きず、今ではベトナム料理店を見つけると、たとえ言葉が通じなくても思わず入ってしまいます。 おかげで、熊本市内のいくつものベトナム料理店で店員さんと顔なじみになりました。当院にも健康診断でベトナムの方が来院されることがあり、どこでどのような仕事をされているのか、つい興味津々でお話を伺ってしまいます。

    ところで、皆様は「バインミー」というベトナムのサンドイッチをご存じでしょうか。私の大好物で、よく食べに行きます。健軍商店街や健軍自衛隊前、下通りにもお店があります。 バゲット(フランスパン)を使うのが特徴で、非常に洗練された味わいです。これはベトナムがかつてフランスの植民地だったという歴史的背景から生まれたもの。タイ料理のようなスパイシーなエスニック料理とはまた一味違った、奥深い魅力があります。まだ食べたことのない方は、ぜひ一度試してみてください。

    私のブログを読んだGemini が素敵な話だからベトナム人の乗った小舟とバインミーをイメージした画を書きましょう、と言って作ってくれた画です!(笑)

  • 漢方入浴剤

    立春を迎えました。まだまだ寒い日が続きますが、これからは一歩ずつ春めいてきます。今日、仕事終わりにふと外を見たら、まだ明るさが残っていたので驚きました。暦(こよみ)というのは、本当によくできているものです。 先日は満月でしたが、そこから約2週間経ち、月が欠けて新月(月齢ゼロ)になる頃が「春節(旧正月)」です。年賀状に「迎春」や「初春」と書きますが、まさにこの旧暦の正月にこそ、しっくりくる言葉だと改めて感じます。

    先日、養命酒で冷え性が改善した患者さんの話題を書きました。私の両親も昔、養命酒を愛飲していたことを懐かしく思い出し、久しぶりに自分でも買って飲んでいます。確かに体に良さそうな実感があり、毎晩小さなカップに1杯ずつ嗜むのが日課になりました。 そんな折、「ツムラが薬用養命酒事業を買収する検討に入った」というニュースが目に飛び込んできました。漢方の最大手が製造・販売を担えば、生薬の調達コストや手間の面でも理にかなっています。今後の展開に注目したいところです。

    ツムラといえば、入浴剤の「バスクリン」を思い出す方も多いのではないでしょうか。実は私も以前、漢方入浴剤を研究していた時期があります。開業前、当時桜十字病院の薬局にいらしたIさんの協力を得て、何十種類もの組み合わせを試作しました。 「香りが良く、肌がしっとり潤い、乾燥肌の痒みも軽減する」……そんな理想の処方を目指して、試行錯誤を重ねた結果、ついに納得のいくレシピが完成しました。名付けて、漢方入浴剤『潤美湯(じゅんびとう)』です。

    現在、当院向かいの凌雲堂薬局さんで、この処方を忠実に再現していただいています。少量からの小売りもされていますので、肌の乾燥にお悩みの方や、漢方の力で温まりたい方は、ぜひ薬局で相談してみてください。

    イオンモール嘉島にあるインド料理「ビスヌ」

  • 十徳ナイフは便利だが・・

    「器用貧乏」という言葉があります。何でもこなせるのに、これといった抜きん出た強みがないために重宝されない、といった意味で使われます。

    考えてみると、スマートフォンほど「何でもできる」という意味で器用な道具はありません。しかし、裏を返せば「専用の道具には永遠にかなわない」というのもまた事実でしょう。 例えば電卓です。経理の専門家は必ず自分にとって叩きやすい「マイ電卓」を持っています。本格的に文章を書いたり表計算をしたりする人は、やはりパソコンを使います。

    今日ふと思ったのは、タイマーや目覚ましのような単純な作業ですら、スマホでは「アプリを開いて設定する」という数秒のプロセスが意外と面倒に感じられる、ということです。その点、昔ながらのキッチンタイマーや目覚まし時計の方が、直感的で確実です。

    これに似たものに「十徳ナイフ」があります。折り畳みナイフにドライバー、缶切り、ハサミなどが一つにまとまった道具です。キャンプや旅行では非常に便利で、その多機能さには惚れ惚れしますが、プロはこれを仕事道具にはしません。料理には包丁を、ネジ締めには専用のドライバーを使います。つまり十徳ナイフは、便利さと引き換えに、個々の機能性をある程度妥協しているわけです。

    日本の企業は、社員をこの十徳ナイフのような「何でもできる人材」に育てたがる傾向があります。営業で入社したのに総務や開発に回され、「一通り経験してこい」と言われることも珍しくありません。一方、アメリカではその逆で、一点突破の尖った専門家が重宝され、何でもできる人は「これといった専門性がない」と見なされがちです。

    近年の日本の医療界も、アメリカに倣って数多くの専門医を養成してきました。大学病院などは臓器別の専門科ばかりです。かつての「内科医」は、消化器、呼吸器、循環器をすべて一人で診ていましたが、医学が高度に複雑化した今、それらを同じレベルで網羅し続けるのは非常にハードルが高くなっています。

    その反省から「総合診療科」が生まれましたが、日本ではまだ十分にシステム化された教育が行われているとは言えません。

    「本物のナイフ」と「十徳ナイフ」は、使うシチュエーションが異なり、それぞれに独自の価値があります。専門医と総合診療医も同様で、どちらも不可欠であり、互いに補完し合うべき存在です。それを理解したうえで、私たちはそれぞれの特性を適切に選び、活用していく必要があるのだと思います。