むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 忙しさは心をうしなう

    GW前後の忙しさが一段落して、最近はかなり落ち着いた診療になっています。カルテが山のようになったり、駐車場が満車になったりすると気持ちも焦って、一人にかけられる時間も最小限となり、ゆっくり考えられないので、とりあえず血圧の薬や眠剤など必要な分は全部出しておく、みたいな状態でした。ところが、今週くらいゆっくりなってくると、一人ひとりとじっくり話を聞いて、他に困っていることはないかとか、診療に関係ない雑談などしながら、患者さんの人柄や仕事の内容など詳しいことまで聞いて理解が深まります。忙しいという漢字は心をうしなう(亡)と書くように、本当に心がどこかに消えてしまって、機械的に動いてしまいます。忙しさのあまり体調を壊したり、気分の変調をきたしたりします。やはり忙しすぎるのは良くないことです。そういう私もGW前後で多忙のあまり心を失っていたような気がします。今日あたり、やっと心に潤いが戻ってきました。

    折しも、コロナが開けてどの業界も大忙しです。コロナ中にリストラを進めたところは、今忙しくなって求人を出しても全然集まりません。結局少人数でコロナ前の倍働いてクタクタ、というケースも多々見受けられます。今までの分を挽回しようとがむしゃらに働いている経営者の方も多いと思いますが、経営者と従業員は心の持ちようが違います。経営者はどれだけ忙しくても会社の存続がかかっているので必死ですが、従業員は忙しすぎるとやめてしまいます。今このタイミングで退職者が出たらただでさえ人手が足りないのに、会社はとんでもないことになります。

    そう考えると、今流行りの「持続可能な」会社経営ということについて考えると、(1)事業を縮小して無理なく働く、(2)外国人を雇ってでも事業を拡大する、(3)日本を飛び出して外国に進出する、ぐらいしかありません。最悪なのが、人員が足りないまま忙しさにかまけて気がついたら事業拡大してしまった、みたいな状況です。

    萌の里から俵山方面を見上げる