むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 敬老の日

    敬老の日は、老人ホームや介護施設にとって、ちょっとしたイベントの日となっています。私が以前勤めていた桜十字病院の老人ホームでは「敬老祭」と呼ばれるお祭りが行われていました。入居者の皆さんはごちそうを楽しみ、スタッフ全員が協力して出し物を行うなど、施設全体でお祭りの雰囲気を作り出していました。

    老人ホームでの生活は、ご飯、デイサービス、お風呂、と毎日のスケジュールがほぼ決まっており、変化の少ない日々が続きます。そんな中で、敬老の日をはじめ、クリスマスやお正月など、季節を感じられるイベントは生活に潤いを与える良い機会です。最近ではハロウィンを楽しむ施設も増えていますが、高齢者の方々にはその由来を説明するのが少し難しいかもしれません。それでも、こうしたイベントは生活に彩りを添え、日々の変化を感じられる貴重な時間です。

    さて、本日行われた藤崎宮の秋の例大祭ですが、朝夕は雨が降らず安心しましたが、昼には結構な雨が降りましたね。涼しくなるかと思いきや、蒸し暑さが増すばかりで、車の温度計では路上の温度が40度を超えていました。お祭りに参加した皆さんもかなり暑かったと思います。水分補給はしっかりしていたかと思いますが、あの暑さでは体力も相当消耗したことでしょう。

    また、冷たい飲み物を取りすぎると、お腹だけが冷えて体調を崩すこともあります。こんなときは、あまり冷えすぎていない飲み物で水分補給することをおすすめします。もしも大量の水分摂取でお腹がチャプチャプになってしまったときは、漢方の五苓散が効果的です。過剰な水分をうまく体外に排出してくれます。また、体が熱くて仕方ない場合には、黄連解毒湯がオススメです。体調が優れないと感じたときは、ぜひ漢方も試してみてください。

    昔から、熊本は藤崎宮の例大祭が終わると秋が来ると言われてきました。私が子供の頃は確かにそうでしたが、最近では10月に入らないと涼しくならないようです。ただ、週間天気予報を見ていると、暑さもあと1週間ほどで落ち着きそうです。今はなんとかこの暑さを乗り切り、待ち遠しい秋の訪れを楽しみにしたいものですね。

    Copilotに敬老の日のお祭りの雰囲気を描いてもらいました。バックがすごいですね。

  • 祭りの大音量で耳を傷めないようにしましょう

    今週末、いよいよ藤崎宮秋の大祭(ボシタ祭り)がやってきます。毎年この時期になると、なぜか私は医師会病院の出動協力を頼まれるのですが、去年もお祭りの勢子さんたちが次々と熱中症で運ばれてきたのを覚えています。今年はさらに暑さが厳しいので、また同じことが起こらないか心配です。しかし、スケジュールを確認してみると、今年の私の当番は日曜日で、随兵行列は月曜日に行われるようです。少しホッとしていますが、何事もない平和な外来診療を期待しています。

    一方で、今、台風が九州地方に接近しています。現在の進路予想では大陸に向かっているようで、九州への直接的な上陸はなさそうですが、前回の大騒ぎと比べて今回は情報がほとんどありません。天気予報やニュースを見ても、まるで台風が存在しないかのような扱いです。でも、もし予想が外れて東へ進路を変えたらどうするのでしょう? その時になって慌てても遅いのではと感じます。鹿児島や熊本、長崎は多少なりとも影響を受けそうなので、皆さんも念のため最新の情報をチェックしておくことをお勧めします。東京から離れていると、台風のニュースも軽視されているようで、少し複雑な気持ちになります。

    さて、話をお祭りに戻しますが、ボシタ祭りは近くで見ると耳がキーンとなるほどの大音量が特徴です。ラッパや太鼓、鐘の音が響き渡ります。しかし、この大音量を長時間聞いていると耳に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、耳鳴りや難聴のリスクがあることを忘れてはいけません。工場や空港で働く方々がしっかりと防音対策をしているのと同じように、お祭りでも音のリスクには注意が必要です。お祭りの雰囲気に乗ってしまうと、つい忘れがちですが、耳を大切にしながら楽しんでください。

  • 強い日差しに注意

    9月に入り、日が斜めからさすようになり、クリニックの南側の窓から非常に強い日差しが差し込むようになりました。室内はエアコンが効いているので快適ですが、窓際に立つとあまりの暑さに頭痛がしたりクラクラしたりします。窓は曇りガラスでロールスクリーンで遮光しているのに、眩しくて目が痛くなります。背に腹は変えられず、窓に紙袋を置いて遮光してみたら、なんか涼しくなりました。しかし、窓の外から見ると買い物袋が見苦しい!スタッフのアイデアで、車のフロントガラスに置くアルミの遮光板をもってきて窓に置いてみたら効果抜群。これは快適です。

    この強い直射日光が目に悪いのは想像に難くないと思います。紫外線が目に当たると活性酸素が発生してレンズが曇ります。その結果、白内障を引き起こすと言われています。白内障は一度発症すると目薬で治すことは難しいため、予防が何よりも大切です。直射日光を避けましょう。サングラスは有効です。ファッション性ではなく、目の保護のために着用することをおすすめします。サングラスを選ぶ際はUVカット機能があるものを選びましょう。目を守るための投資だと思ってください。

    最近では、室内をエアコンで快適に保っているにもかかわらず、夏バテを訴える方が増えています。外は暑いのに、室内は冷えすぎるくらいの温度設定にしていると、体が外気と室内の温度差に適応できず、自律神経が乱れてしまうことが原因の一つです。その結果、疲労感、倦怠感、さらには頭痛や消化不良といった夏バテの症状が現れます。また、エアコンの効いた部屋に長時間いると、体内の水分が意外と失われやすく、知らず知らずのうちに軽い脱水症状に陥ることもあります。涼しい環境にいると、水分を摂ることを忘れがちですが、こまめな水分補給は忘れないようにしましょう。

    さらに、冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎると、胃腸の働きが弱まり、体全体のエネルギーレベルが低下します。これも夏バテの一因です。バランスの取れた食事と適度な温度管理が、夏バテ予防の鍵となります。エアコンの使用は適度に抑えつつ、体調に合わせた生活習慣を見直すことが大切です。

    幸い、私のクリニックでは、今回の遮光対策で暑さや強い日差しからのストレスが軽減され、診療がさらに快適に行えるようになりました。ちょっとした工夫が大きな効果をもたらすこともあります。みなさんも、日常の中で目や体に負担がかかる環境に気をつけ、しっかりと対策を取りましょう。

    Copilotでイメージ画作成しました

  • 予防医学に栄養学の視点を

    最近のコメ不足がかなり話題になっています。熊本にいるとあまり実感しませんが、都会のスーパーなどは本当に売るものがないみたいなところがあるようです。今年どうしてこうなったかを考えてみると、ちょうど前の年の収穫したコメの在庫が少ない時期に、南海トラフ地震が来るかもしれないという注意喚起があったため、多くの人が家庭に多めに米を買ったのではないかと思います。また、こんな状況の中、政府は備蓄米をなぜ放出しないのかと叩かれていますが、国は本気で南海トラフ地震を心配しているので、今ここで放出するわけにはいかないのでしょう。私たちはお盆前に一時期大地震が来るかも、と思ったりしましたが、1ヶ月が経過し、少しその不安も薄れてきています。地震は忘れた頃にやってきます。もちろんプラスマイナス何十年という範囲での話なので、怖い怖いといって恐れていても、一生被害に合うことはないかもしれません。

    さて、話は変わって、昨日は桜十字の検診部門(メディメッセ)のスタッフたちと情報交換会をしました。私が分子栄養学をクリニックで実践していることを話していたら、メディメッセでは予防医学の一環として栄養学に力を入れようと考えているとのことで、お呼ばれしたのです。桜十字はプロバスケットチームのヴォルターズをサポートしており、選手たちの健康管理も担当しているそうです。その中に栄養管理を取り入れたいという考えもありました。アスリートにはアスリート向けの栄養学があるので、そういった分野の知識を深め、実践に活かしていければと思います。

    栄養の重要性は、今の医療においてますます高まっていると感じます。特に慢性疾患を抱える患者さんにとって、適切な食事と栄養バランスは治療の一環であり、病気の予防にもなります。薬だけに頼るのではなく、食生活を改善することが、健康を維持するカギだと考えます。その意味では、予防医学に栄養学の考えを取り入れることで、患者さんの健康管理に新しい視点が加わるのではないかと期待しています。

    最近は、コメ不足以外にも猛暑で野菜などの食材の供給が不安定な状況も続いていますが、基本的な食生活の質を維持するための工夫を怠らないことが大切です。先日のメディメッセのスタッフたちとの会話を通じて、予防医学の中で栄養学がどのように現場で役立てられるかを改めて考えさせられました。これからも地域に根ざした医療を提供し、より多くの人々に健康的な生活をサポートしていきたいと思います。

    Copilotでイラスト作成しました。文字が無茶苦茶ですが。。

  • 血糖値が高いと言われたら

    健康診断などで血糖値やヘモグロビンA1cが高いので注意しましょうと言われたことのある人も多いかと思います。要治療と言われた場合、糖尿病確定ですが、注意しましょうと言われた場合はまだ本当の糖尿病になる手前なので、食事に気をつければ健康体に戻れる状態と判断します。たとえ糖尿病の診断で薬を飲み始めたとしても、きちんと食事を気をつけることで内服を減らしたりやめることができる場合があります。糖尿病は生活習慣病の一つですから、生活習慣を見直すことが第一だと思います。

    まず、食事の注意としては、糖質というのが甘いものに限らず、炭水化物全般だということです。お菓子などの甘いものだけでなく、米、パン、麺、粉もの(お好み焼きなど)などの量を減らしましょう。ご飯を抜くより少しずつ3度に分けて食べたほうが、血糖値の乱高下を防ぐことができます。ご飯を食べる前に肉や野菜などを先に食べると血糖上昇を抑えることができます。今は秋の果物も美味しい季節ですが、甘い果物はブドウ糖や果糖をたくさん含んでいるので注意が必要です。

    次に運動についてです。運動は血糖値の管理に非常に重要な役割を果たします。適度な運動はインスリンの感受性を高め、血糖値を下げる効果があります。ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動は、心肺機能を向上させ、血糖値を効果的に下げることができます。1日30分のウォーキングを週5日行うと良いでしょう。特に、血糖の上がりやすい食後の運動がおすすめです。また、筋力トレーニングも血糖値管理に有効です。筋肉量が増えることで、基礎代謝が上がるため、血糖値のコントロールがしやすくなります。

    さらに、ストレスを避けることも大切です。甘いものを食べたり、過食することで交感神経の興奮状態がおさまり、副交感神経が活発になります。また、甘いものが脳内のエンドルフィンやセロトニンという幸せホルモンを増やすため、一時的にストレス解消につながりますが、これは血糖値に悪影響を与えることがあるので要注意です。ストレスが副腎のストレスホルモンであるコルチゾールを増加させることで、食欲が増してしまうことも考えられます。運動をしたり、食べること以外でストレスを発散しリラックスする時間を持つことも重要です。

    このように、食事、運動、ストレス対策は血糖値管理において非常に重要な要素です。無理のない範囲で、継続的に取り組むことが大切です。

    往診中に遭遇しました。