むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • インフルエンザにご注意を

    御存知の通りこのところインフルエンザが増えています。これまで学校で流行ってその親などにかかるケースが多かったのですが、最近は大人同士職場で感染が広がっているようなケースを良く見かけます。皆さん職場でもマスクをしたり換気をしたり気をつけているのではないかと思いますが、それでもかかってしまいます。何か予防に足りないことがあるのです。それは一つではありません。以前何度も書いたと思いますが、もう一度書いておきたいと思います。まず、こまめな手洗い。そして、手で自分の口や鼻を触らないこと。触る前には必ず手洗いか手指消毒を丁寧におこなうこと。マスクはウイルスを予防する効果は殆どありませんが手で口や鼻をうかつにさわらないという予防効果は期待できます。マスクから鼻を出していると手で鼻を触る危険があるので要注意です。

    次に、防御力(免疫力)アップです。ストレスを避ける、睡眠をしっかり取る、食事をおろそかにしない、などは基本。サプリではビタミンCを最低2000mg、Dを最低1000mg毎日取ること。体を冷やさないこと。緑茶(カテキン)を15分に1回のむことで口や喉のウイルスが除菌されます。私は診察中必ず緑茶を入れたマイボトルを横においています。

    漢方では、補中益気湯を飲んでおくと感染予防になります。体力がついて風邪ばかり引いていた人も、めったに風邪引かなくなります。運動は体に良いですがやり過ぎは逆効果です。雨が降ってもランニングするランニング中毒の人とか、誘われたらどんな体調でもゴルフに行くとか、そんなむちゃすると風邪を引くのは当然です。かかったあとで後悔しても仕方ありません。手洗い、手指消毒、栄養、休息、ストレス回避、ビタミン、カテキンこれがキーワードです。

    長崎駅前 新幹線で駅前再開発中。

  • 暖かくて年の瀬の雰囲気でない

    気がつけば11月も最終週に入っています。あっという間に年末まで行きそうです。そろそろクリスマスの雰囲気でも出そうかとおもって院内BGMをクリスマスソングにしたのですが、数日でやめてしまいました。あまりにポカポカと暖かく季節外れみたいな感じだったからです。今日仕事帰り温かいなーと思って車の外気温を見たらなんと18度もありました。

    この温暖化でクリニックの駐車場の生け垣は伸びに伸びてすごいことになっていました。昨日、造園業をやっている友人のKくんがきれいに剪定してくれました。相当大変だったみたいです。植え込みに沿った側溝には茂った葉が大量におちて詰まっていました。雨が降ったら雨水が流れるところがない状態でしたが、側溝もきれいに掃除してくれたので助かりました。ちょっと季節が正月に向かっている感じが出ました。

    前にも書いたように来年は無印良品のウィークリースケジュール帳を使おうと思って早々と買いました。この手帳は12月スタートになっていて、よく見たら今日からかくところがありました。そう、今週金曜から12月になるんですね。さっそく、使い始めることにします。新しい手帳というのは毎年ながらワクワクします。これから始まる1年でどんなことが起こるんだろう。まだ真っ白な手帳にどんな予定が入るんだろうと想像すると楽しいです。今年1年を振り返って一番大きかった出来事はコロナが5月8日(連休明け)に5類になったことです。これは社会的に大きな変化をもたらしました。暗く長かった規制だらけのコロナのトンネルから抜け出た日でした。自由がこんなに素晴らしいものだと改めて気付かされました。そして、国家権力というのは「国民のため」といいながら私たちの生活をがんじがらめに規制することもできる怖いものだと実感しました。昔から「亭主元気で留守がいい」といいますが、国家権力も私たちの生活を影ながら支援してくれる分にはありがたいですが、表立って私生活まで指図されると嫌になります。

    今日は「インフルエンザとCOVID-19」というタイトルのWEB講演会に参加しました。この3年インフルエンザはほとんど出なかったのでみんなの体内からインフルエンザの抗体が失われているのは事実みたいです。今シーズンインフルエンザはすでに相当増えてきています。早めにワクチンを済ませておきたいものです。この講演で示されたデータでワクチンの感染予防効果は40%程度だそうです。それなら打ったけどかかったという人がいるのは当然です。個人的には五分五分以下ならなんだかなーと思ったりしますが、学校単位、国単位で考えれば効果アリといえるのです。

    新幹線ができて新しくなった長崎駅(正面)と煉瓦造りで横浜みたいな雰囲気のアミュプラザ長崎(左)

  • 漢方咳止めシロップ「一風飲」入荷しました

    近々、東洋医学会九州支部総会が長崎で開催されます。最近の学会はWEB開催だったので、自宅からのんびり講演を聴くことができましたが、今回は現地開催のみなので、行くしかありません。最近はホテルの確保も半端ないくらい困難らしく、私も日帰りしようと思っています。学会も近づき、予定を立てないとと思っていましたが、プログラムがどこにもありません。送ってきていないし、WEBを検索してもみつかりません。長崎のどこに何時頃行けばいいのか全然わかりません。この調子だと、せっかく長崎駅までいっても、ちゃんぽんを食べて返ってくることになりそうで怖いです。WEB開催ならパソコンさえあれば確実に参加できるし、時間を逃しても見逃し配信をしてくれます。それがないとなると、事前にプログラムをみて聞きたい講演の時間と場所をチェックしておかないと見逃します。学会主催は大変と思いますが、プログラムを早くアップしてほしい!

    気がつけば11月も後半に入りました。あっという間に正月が来ます。私の訪問している老人ホームにはおせち料理のメニューが発表になっていました。お年寄りはおせちを楽しみに「もういくつ寝るとお正月♪」と指折り数えているのでしょうか??新聞やラジオなどでもおせち料理の先行予約をしきりに宣伝しています。みんなそんなにおせちが食べたいんだろうかと思います。私は全然楽しみではないので不思議です。自宅では正月はマックとか普段のパンとコーヒーとかで過ごします。実家に行けばご馳走がでるので食べますが、どちらかと言うと普通のご飯のほうが好きです。開業する前は病院勤務で、正月はたいてい当直でゆっくり休んだことはありません。病院当直ではちょっとしたおせち料理が出ることがあるのですが、私はそれを食べる気がしませんでした。かなり前から作り置きしているので、下手すると食中毒を起こすのではないかと心配でした。

    ところで、処方薬の咳止めが手に入らないため、当院向かいの凌雲堂薬局にはコタロー漢方咳止めシロップ「一風飲」をおいてもらうことにしました。私の喘息の咳はこのシロップでバッチリ止まります。気に入ったので取り寄せてもらいました。咳でお困りの場合、ぜひお試しください。

    花博2023

  • 食材の薬効

    藤川徳美先生の分子栄養学の理論を勉強して一生懸命に実践している人がよく当院に来られます。私も藤川理論を学び、自ら実践しているので患者さんのあるあるを一通り経験しています。そして、私なりにたどり着いた結論は、この理論は正しいし、実践するのは素人でもできる。しかし、気合を入れてやりすぎないで適当に手を抜くくらいで十分だということ。医療には予防と治療という概念があります。健康な人が病気にならないためにするべきは予防です。一方、病気になってしまったら当然治療です。

    ほとんどの皆さんは藤川理論を学んでより健康になりたいとおもって実践すると思います。これは予防的な対策なので、やりすぎないことです。糖質を極端に制限したり、毎日大量の肉や卵などのタンパク食に偏るのはよくありません。ビタミンもやたらめったら大量に取る必要はありません。基本はバランス良い食事です。それで足りない分をサプリで補えばいいのです。一方、治療となると、かなり大量の成分が必要となります。それは、普通だったら偏った食事と言われるかもしれませんが、それが治療効果をもたらすわけです。

    食品は薬ほどではないにしろ薬効があります。例えばトマトやきゅうりは体を冷やす。健康にいいからといって冬に生のサラダを食べ続ければ当然冷え性が悪化します。ちなみにビール、緑茶、コーヒーなども体を冷やします。逆に温めるのは紅茶、生姜、ラム肉、もち米などです。こういう食材の特性を知らずに藤川理論でとにかくタンパクを、ビタミンを、と取りまくれば体のバランスが崩れるのは当然です。握り寿司をたべるとき生姜(ガリ)がついているのは刺し身でお腹が冷えるのを打ち消すためです。食べ合わせは先人の知恵です。昔、毎日30品目食べましょうとキャンペーンがありました。たくさんの食材を取ることで、冷える、温める、補う、瀉するなどの食材の薬効が打ち消されてプラマイゼロになるのです。これが体のバランスを壊さないで健康を維持する食事法なのです。

    花博くまもと2023 新市街 花のトンネル

  • 歯科医も分子栄養学を学ぶ時代

    ひさしぶりに本格的な雨になりました。少し涼しくなりました。週間天気予報を見ると温かいのはあと数日で、週末から来週にかけて次第に朝晩は冷えてくるようです。日中はもうしばらく20Cくらいにはなりそうです。気温差に体がついて行かないで体調を壊したと言う人が結構います。コロナはだいぶ減りましたが、かわりにインフルエンザや溶連菌感染が増えてきています。当院でも通常の診察、訪問診療、インフルエンザワクチン接種、発熱外来と一日にこなさないといけない仕事が山積みで朝からぶっ通しで忙しくしています。

    そんな中、診療が終わってから分子栄養療法のWEB講演会があったので参加しました。今日の演者の先生は歯科医さんでした。講演でもありましたが、歯周病、抜歯後のトラブル、インプラントの経過が悪いケース、などなど歯科治療に発生する多くのトラブルは栄養の問題を考えた方がいい、という内容でした。確かに歯肉が痩せてしまったり、骨形成が悪いと口腔内のトラブルが起こるのは当たり前です。そこで、栄養学的に考えれば、タンパク質、鉄、ビタミンC、亜鉛、など絶対に無視できません。栄養を語らず治療できると思っているなら大間違い。しかし、多くの歯科の先生はブラッシングの指導程度でそれ以上、食事やサプリなどの話まで踏み込んで来ることはめったにありません。血糖コントロールが悪いと歯科の治療がしにくいとか、骨粗鬆症治療薬でビスフォスフォネートという種類の薬剤を飲んでいると抜歯できないと内科主治医に連絡される先生もいます。そういうことをきちんとされている歯科は信頼できると思います。

    ちょっと専門的な話ですが、今日の講演で知った面白いことを紹介しましょう。虫歯はストレプトコッカス・ミュータンスという虫歯菌が原因なのですが、この菌はブドウ糖を解糖系で代謝して乳酸を放出する。この酸が歯のエナメル質を溶かす。フッ素は解糖系をストップするので虫歯予防効果がある、とのこと。なるほどー。病院で採血するとき何本もの試験管に取り分けますが、血糖測定用のスピッツにはフッ化ナトリウム(NaF)が入れてあります。試験管内で解糖が進むと糖の値が下がってしまうので、解糖系をストップするためNaFがいれてあるのです。その理屈で虫歯予防ができるんだー。

    熊本県庁