むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 受験生の風邪対策

    奇数月は1月1日元旦、3月3日ひな祭り、5月5日こどもの日、7月7日七夕、9月9日重陽の節句となりますが、11月11日はポッキーの日です。11月はなぜか歴史的な由緒ある節句ではないようです。なんだか縁起が良さそうなのに祝日でもない。車のナンバープレートなど、ゾロ目が好きな人は1111の番号を欲しがる人も多いのではないでしょうか。

    今日、来院された高校生の患者さんと話していたところ、もう近々大学入試(推薦)だそうです。11月なのに、もうそんな時期なんですね。学校によってはインフルエンザで学級閉鎖なんて話も聞きます。受験生は風邪を引いている場合ではないので、体調管理が特に大切です。もちろん、家族が風邪を引いて、受験生のお子さんにうつさないようにと、家族みんながピリピリしているところもあるようです。そのような風邪対策として、なにか良いサプリはないかと尋ねられたので、いくつか書いておきたいと思います。

    まず基本はビタミンB群とCです。風邪にはCが良いことはよく知られていますが、量が少ないとあまり効果が出ません。Cは2000~3000mgをとるのが理想です。それに伴い、ビタミンEは300~400IU程度が必要です。ここまでは基本ですが、忘れてならないのがビタミンDです。毎日2000IU程度で十分効果があります。さらに、漢方では「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」が免疫を高めてくれるので、感染予防にも効果があります。

    万一、風邪の初期症状が出たと感じたら、すぐにセレニウム、オリーブ葉エキス、葛根湯などを摂取するのがオススメです。もし高熱が続くようであれば、インフルエンザの可能性もありますので、48時間以内に受診してください。それを過ぎると、タミフルなどの抗ウイルス薬が効果を発揮しにくくなります。

    受験生にとっては、サプリメントも良いですが、何より重要なのは栄養と睡眠です。体力を落とさないように心がけましょう。また、ストレスは免疫を低下させる原因となりますので、心と体のケアをしっかりと行うことが大切です。ストレスに向き合うためにも、体調管理をおろそかにせず、しっかりとケアしましょう。

  • マイクロプラスチックを取り込まない工夫

    雨の日曜となりました。暖かくて、せっかく衣替えしたのにまた半袖を探して着ています。私は地域医療センターの出動協力で、朝から内科外来を担当しました。季節柄、発熱の患者さんが多く、ほかには胃腸炎や喘息などが目立ちました。昼過ぎには交代して、私は解放されました。雨も上がっていたので、歩いて街までご飯を食べに行きました。今日は私の好きなハヌルオンマです。夏の間は暑すぎて食べられなかったキムチチゲをメインに、餃子とキムチ奴を添えていただきました。涼しくなったとはいえ、今日のように蒸し暑い日に食べると、途中から汗が吹き出してハンカチで汗を拭きながら食べました。

    チゲの唐辛子で真っ赤になったスープには、体に良い成分がたくさん含まれています。まず唐辛子はビタミンCが豊富です。そして赤い色素のリコピンには、トマトと同様に強い抗酸化作用があります。キムチは乳酸菌が豊富な発酵食品です。辛味成分のカプサイシンは血行をよくするので、冷え性の改善にも効果があります。前にも書きましたが、このチゲを毎日食べることで私の冷え性はすっかり良くなりました。スーパーなどではチゲ鍋のスープやスンドゥブの素が売られていますが、実は買わなくても簡単に作れます。興味のある方はネットでレシピを調べるか、YouTubeで検索してみてください。

    ところで、最近はマイクロプラスチックの危険性が話題になっています。プラスチックごみが海洋生物に取り込まれ、体内に蓄積するという話はよく聞きますが、私たちの身近にも多くのリスクがあります。ペットボトル飲料を常用する人は、脳や心臓にマイクロプラスチックが蓄積し、脳卒中や心疾患のリスクを高める可能性があると報告されています。特にペットボトルのプラスチック製キャップは要注意です。加熱によってプラスチックが劣化し、微粒子が飲料中に混入することがあるため、ホット飲料のペットボトルには気をつけたほうがよいでしょう。

    私も以前は弁当箱に耐熱タッパーを使っていましたが、電子レンジ加熱によるリスクを考えて、耐熱ガラス製の容器に変えました。プラスチック製の電気ケトルも同様に危険があると考え、全体がステンレス製のケトルに買い替えました。ジップロックのような保存袋も、冷凍は問題ありませんが、電子レンジや湯煎での加熱は避けたほうが安全です。流水で解凍したあと、耐熱ガラスの器に移して加熱するのが良いと思います。

    ハヌルオンマのチゲ。ぐつぐつと沸騰した状態でサーブされる。熱々をフーフーしながらいただきます。

  • 医療と医学

    スケッチャーズという靴のCMを見たことがありますか?
    「ハンズフリー スリップ・インズ」という商品で、靴に触れずに脱ぎ履きできる独自構造のシューズです。テレビで見たときはスニーカータイプだけかと思っていたのですが、なんとメンズのビジネスシューズや運動靴タイプもあるのを発見しました。
    私は訪問診療で患者さんのご自宅や老人ホームに伺うたびに、10分おきくらいで靴を脱ぎ履きする必要があります。そのたびにかがんで靴を履くのが面倒で、ついかかとを踏んでしまうこともありました。
    スリップ・インズは、立ったまま“スッと履ける”。この上なく便利です。靴屋さんで見かけて、1分で購入を決めました。

    普段はいているサイズを店員さんに伝えて試し履きしてみたら、大きすぎてびっくり。
    なんと、いつもより1センチ小さいサイズがちょうど良いフィット感でした。スリップ・インズは、脱ぎ履きしやすいようにワイド設計になっているのが理由のようです。
    そのため、ネット購入は危険。必ず試着してから購入することをおすすめします。

    早速、今日の訪問診療は7箇所を訪問するスケジュールです。いつもなら7回の靴の脱着は本当に面倒ですが、さすがスリップ・インズです。偽りなく、靴にタッチすることなくさっと履けました。こんなに満足度の高い靴は初めてです。

    参考:スケッチャーズ公式サイト

    さて、話は変わりますが、最近は患者さんもAIにいろいろ相談してその回答を参考に来院される方が増えています。AIが「この薬がいい」と言うからほしい、という方も増えました。これまでは、友人から勧められた薬を欲しがる患者さんはいましたが、それがAIに取って代わったようです。
    AIは背景や条件をきちんと伝えれば素晴らしい回答をくれますが、質問の仕方が悪いと、適切なアドバイスが得られないこともあります。患者さんがどれだけ正確にAIに条件を入力したかは分かりませんし、私からすると、その答えは間違っていないけれど、その患者さんにとって最適ではないと思うことも多いのです。

    とはいえ、私に専門家としての知識や経験を基に意見を求めてくるならまだしも、「AIに聞いたからこの薬が欲しい」とか、「その薬はAIが副作用があると言うから飲みたくない」と言われると、正直「勝手にしてくれ」と思ってしまいます。
    AIの答えで明らかに害があるようであれば、もちろん私は止めますが、患者さんが医者ではなくAIを信じきっている場合、私にできることは何もありません。医療は医学(サイエンス)と違って知識だけの世界ではありません。患者さんを診る観察力、背景まで深く洞察して患者さんが話さないことまで聞き出す力、それらを総合して考える力、そして、長年の経験と勘を総動員してはじめてうまく治療できるようになるのです。

    AIはうまく活用すればメリットは大きいですが、まだ皆が使い始めて間もないため、間違った使い方をする人が多いのが気がかりです。

    サクラマチ 2F

  • 冷え対策しましょう

    朝からかなりの冷え込みでしたが、快晴だったので自転車で通勤しました。どれくらいの防寒着を着るべきか予測がつかず、とりあえず冬物を探してランニング用のトレーニングウエアを着ていきましたが、薄すぎました。自転車は体が温まるまで結構寒いです。しかも、私は電動アシスト自転車に乗っているので、クリニックに着くまで体が温まることはありません。次回は、もう少し厚手の防寒着を選んで行こうと思います。

    そんなことを考えながら診療しているうちに、どんどん暑くなり、昼間は冷房を入れて半袖でも暑いくらいでした。外から来た患者さんを見ると、冬の格好をしている方も多いので、冷房を効かせた診察室で半袖で過ごすのがちょっと場違いな感じでした。もともと私はかなりの冷え性で、冬はカイロを持ち歩くほどだったのですが、コロナ禍(暇)でNetflixで韓国ドラマを見始めたのがきっかけに、韓国料理にハマり、毎日唐辛子の入った料理を食べていたら、暑がりになりました。冷え性でお困りの方、今なら間に合うかもしれません。冬に備えて、毎日スンドゥブ・チゲを食べましょう!
    コチュジャン、粗挽き唐辛子、にんにく、ごま油、豆腐、ひき肉、ダシダ(いりこでもOK)があれば、10分程で簡単に作れます。材料は「業務スーパー」で揃います。

    もう一つ、冷え性が改善した理由として、メガビタミンを摂取していることも関係しているかもしれません。体のエネルギー(熱)は、炭水化物や脂肪が燃焼することで産生されます。その際、ビタミンやミネラルが必須です。何か足りないと、代謝が落ちてしまいます。足りないビタミンをピンポイントで補うのは現実的ではないので、私はマルチビタミンを摂取しています。現在、アメリカ製の「One-A-Day」を摂っていますが、ビタミンB群なら「B-50」もおすすめです。日本製は含有量が少なく、品質基準もゆるいので、アメリカ製のほうが安心だと思います。

    練兵町「仲むら」にて

  • 超短い秋を楽しむ

    私はダイハツのコペンという車に乗っています。オープンカーになるのですが、夏の間は猛暑でとても屋根を開ける気になれませんでした。もし開けたら、丸焦げになりそうです。
    やっと涼しくなってきたので、最近は通勤の行き帰りのわずか10分足らずの時間でも、わざわざオープンにして走っています。気持ちいい!――と思ったのもつかの間、もう寒くなってきました。オープンを楽しめたのは、わずか1週間ほど。厚着をすればまだいけますが、頭を風が直撃するので冷えます。そこで昨日、モンベルで防寒具を買ってきました。

    毛糸の帽子のようなタイプで、風に煽られても飛んでいかないようになっています。いろいろ試着しましたが、どれも似合わない(笑)。でも、頭が寒いとオープンで走れないので仕方ありません。今日は早速使ってみましたが、確かに温かい。これがあれば、しばらくは秋晴れの空を眺めながら快適に運転できそうです。

    私は普段、通勤と買い物以外ではあまり運転しません。片道30分を超える場所へ行くことは滅多にありません。通常の行動範囲で一番遠いのが嘉島の「水春」。たまに久木野の「四季の森」まで行くくらいです。昨日、久しぶりに立野の「どんどこ湯」まで足を伸ばしましたが、手帳の記録を見るとなんと1年ぶりでした。
    このくらいの距離を走ると、車の調子がすごく良くなります。加速もキビキビで、動きが軽い。やはり短距離ばかりの運転は車にとって過酷な条件なのだと感じます。少し長く走ると、まるで車が喜んでいるようです。

    私たちの体も同じです。過保護にして運動を控えすぎると、だんだん動かなくなります。たまに精一杯動かすことで、関節や筋肉の隅々まで“油”が回り、滑らかになる気がします。もちろん無理をすれば故障しますが、ある程度は動かさないと良い状態を保てません。
    毎日ウォーキングしている方も多いと思いますが、体に“活”を入れるには、ウォーキングだけでは負荷が軽すぎます。帰宅直前の50メートルだけでもジョギングしてみる、あるいはダッシュする――そんな高負荷の刺激がとても効果的です。
    欲を言えば、歩いたり走ったりを繰り返す“インターバルトレーニング”が、さらに理想的な運動法です。

    阿蘇(立野)とススキ