むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ランニングで体を作る

    クリニック前の歩道に落ち葉がどんどん落ちてきます。11月から12月にかけて木が丸裸になるまで落ち葉の季節です。毎年この時期になると、ご近所のMさんがが掃除を手伝ってくれます。今朝も、6時半頃最近買ったブロワーをもって外に出たら、もうすでにMさんがほうきで掃除をしてくれていました。私も慌てて参加しました。病院の向かいの公園ではちょうどこの時間ラジオ体操があっていて、大勢の人が朝の運動に精を出しています。最近は朝6時半は日の出前で薄暗いのですが、皆さんお元気です。掃除が一通り終わって、手伝ってくれたMさんと雑談をしていたら、面白いことを知りました。その人は私のふた周り以上年上なのですが、とてもお元気なので、その秘訣は何かと思っていたら、なんと昔は「走ろう会(熊本の元祖ランニングチーム)」に入っていて日本中のマラソン大会に参加していたそうです。海外にも遠征してブラジルの大会などにも参加したと言われていました。さすがに基礎体力があるから元気で長生きできるんですね。

    そのMさんも毎年参加していたという、昔からあるマラソン大会で天草パールラインマラソンというのがあります。キャッチフレーズは「遅いあなたが主役です」というもので、みんな仮装したりしてお祭りのように楽しく走るもの。去年、今年と2回連続コロナで中止となりました。2022年3月は未定となっているようですが、コロナも一段落して開催されるといいですね。三角から大矢野を走るコースです。私はこの大会には出たことはありません。もう一つ、天草マラソンという別の大会もあり、こちらは本渡を走るコースで、何度か出たことがあります。

    年とって急にランニングなど始めると膝や腰を痛めるので注意が必要です。ウォーキングから体を作り、スポーツジムでクッションの効いたトレッドミル(ランニングマシン)上をたくさん走って少しずつ負荷をかけていきます。体がある程度できたら、厚底で反発の良いランニングシューズで路上を少しずつ慣らしていくといいと思います。歩くような速さで走るスロージョギングがおすすめです。昨日も書きましたが、人と競わないで楽しむことです。

    久木野の喫茶店から

  • 無駄に競わないようにしよう

    みんな、無意識のうちにむだな競い合いをしているのではないかと思ったので、今日はその話を書きたいと思います。自分のことですが、サウナに入るとすごい汗をかきながら延々入っているおじさんがいます。すごいなーと思ったり、自分はあとから入ったので、その人が出るまで頑張ろうと思ったりします。実際は、何を何のために「頑張る」のかわけがわかりませんが、無意識に負けないぞ、と思ってしまうわけです。

    スポーツジムでランニングをしているときもそうです。私は無意識にもすごく走っている人に目が行きます。走っているスピードやトレッドミルの勾配は画面に出ているのでその人がどのくらいの負荷をかけて走っているかはひと目で分かります。そして、その人に負けじと私もガンガン走ります。そして、あとから自分が走り始めた場合はその人より先には終わらない。5分でもいいから長く走る。果たしてこれも、何のため?と自問してしまいます。本来なら自分の楽しみや健康のためにサウナに行ったりジムで走ったりするわけですが、そこにたまたまいた人と無意識の競争をしても何に役にも立ちません。自分のペースで、自分の好きなだけサウナに入ったり走ったりして、いつでもやめたいときにやめればいいのです。

    私のところに相談に来る患者さんも似たようなところがあると思います。同僚と比べて自分が仕事ができていない、雑用ばかり回ってくる、出世コースから外れてしまった、などなどキリがありません。人と比べて負けたくないと思うと自分を苦しめます。人のことは気にせず、自分の能力に応じてコツコツ丁寧に仕事をすればいいと思います。人はそれぞれ得意不得意があります。子供のときは不得意(例えば英語や数学)をしっかり勉強しなさいと言われますが、大人になったら不得意を頑張るより自分にしかできないような得意分野を伸ばすことが大切です。

  • 炒飯は血糖が上がりにくい

    昨日の雨も上がり、気持ちよく晴れた日曜日となりました。私はこのところ休みのたびに阿蘇の温泉に行っています。朝早く行くので道は空いています。ドライブも気持ちいいし、温泉もきもちいい。リフレッシュできます。この前行ったときはお湯がいつもより硫黄臭かったのであれっと思ったら数日後に噴火がありました。今日は以前のようにほとんど匂いのないお湯に戻っていたので、温泉マニアとしては寂しいですが、火山は落ち着いたのではないかと思います。午前10時には家に戻ってきて、漢方のWEB講演会に参加しました。一流の先生の講演が旅費もかけずに自宅から聴講できるのは本当にいい時代です。

    自衛隊の近く(錦ヶ丘)に海天という中華料理屋さんがあります。昔は子供が好きだったのでちょくちょく食べに行っていたのですが、子どもたちが巣立ってからは久しく行っていませんでした。先日、ふと思い出して行ってみたら、美味しい!昔より腕が上がったような気がします。その店の一角に中華食材の販売コーナーが新設されていました。大棗(たいそう:なつめ)を黒蜜で甘くしたドライフルーツ風の物が売ってあり、試しに買ったらあまりの美味しさにこれまた驚いて、翌日もう一度買いに行きました。

    中華料理で、とても美味しいと思うのはチャーハンです。家ではなかなかあの味にはできません。しかし、美味しさの秘訣にたっぷりと油を含ませてあるのが気になるところです。実は、ご飯をそのまま食べると血糖がドンと上がるので、血糖が気になる人はご飯は要注意です。一方、チャーハンは米をオイルがコーティングしているため、糖の分解・吸収に時間がかかり、急激な血糖上昇を抑えられます。油のぶんカロリーが高いので食べる量に注意が必要ですが、血糖があまり上がらないので安心して食べられます。

    今日の阿蘇外輪山 俵山方面

  • 鍼治療について

    珍しく天気予報が外れて雨になりました。気温も上がらず肌寒い一日となりました。体が寒さに慣れていないので、洋服をどのくらい着たらいいのかわからない感じですが、風邪を引かないようにしましょう。

    当院は整形外科はないのですが鍼治療をしている関係で関節や腰の痛みなどで来院される方が結構います。鍼治療は整形外科でレントゲンなどを撮ってすでに診断を受けている方を原則とします。それでないと、あとから検査して骨に問題があった(骨折その他)ではいけないと思うからです。鍼は肩こり、頭痛、五十肩、腰痛、ぎっくり腰、膝の痛み、自律神経失調、めまい症などが主です。たまに顎関節症や目のぴくつきなどの治療をすることもあります。

    当院では、セイリンという国産の使い捨ての鍼を使っています。一人あたりだいたい15本前後の鍼を使って治療します。痛みの局所の治療と、遠隔の大切なツボとを組み合わせて15箇所のツボ刺激を行います。遠隔のツボは経絡と言って人の体表面に縦方向に気の通り道があるのですが、ツボはその道の駅みたいなスポットになっています。例えば、腰痛では腰からまっすぐ線を足の方へおろした太陽膀胱経という経絡があり、膝裏やふくらはぎにあるツボを指圧したりすることで腰痛治療ができます。不思議ですが、とても有効なのでそういった経絡を意識して治療しています。

  • 料理と漢方の基本

    ヤフーニュースを見ていたら、今私達が直面している医薬品不足の実態をレポートする記事が載っていました{出典:文春オンライン}(https://news.yahoo.co.jp/articles/269d724d87fbbb29565e958f0e1ab83db5398633)。出荷制限されているのはなんと3000品目以上。私も毎日10人以上の人に薬が手に入らないので変更させてください、と説明しています。いつになれば出荷が再開されるかは全く不明です。ジェネリックの会社がこのまま生産を停止していれば、きっと倒産することでしょうから、今までの薬がもとのように供給される見通しは全く立ちません。巷では半導体や自動車部品も品薄で売りたくてもものがないという非常事態です。また、中国では食料品の備蓄を始めたという情報があるので、今後食糧難になることもありえます。可能なら家庭菜園なども取り組んだほうがいいと思います。

    その家庭菜園ですが、最近患者さんからキャベツをいただきました。この季節のキャベツはじゃがいもやソーセージなどと煮たポトフが美味しいですね。コンソメと塩コショウであっさりした味付けで素材そのものの味をいただくのが贅沢です。野菜など食材には体を温めたり冷やしたりする薬理的な作用があります。主に夏野菜のトマト、きゅうり、レタスなどは体を冷やします。秋ナスも(体を冷やすから)嫁に食わすなと言うように、昔の人はその働きに熟知していたと思われます。

    もう一つ野菜の話。昆布にはグルタミン酸というダシの成分が含まれるため、料理に必須です。ダシにはその他鰹節のイノシン酸、干し椎茸のグアニル酸の3種類あります。味の素で有名なグルタミン酸ですが、実はトマトや白菜にもたくさん含まれます。そこで、パスタのトマトソースはひき肉(イノシン酸)とマッシュルーム(グアニル酸)をあわせると美味しくできます。鍋は昆布を入れることが多いですが、実は白菜があれば昆布はなくてもいいので、鰹節や肉から出るイノシン酸ときのこから出るグアニル酸があいまって美味しい鍋になります。このように、旨味成分も組み合わせを考えれば美味しくできますが、私の専門の漢方薬もこういった組み合わせ技で薬理効果を発揮します。何と何をどのような比率で混ぜるかが鍵となります。