むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 夜間頻尿の季節

    不整脈が気になると来院された患者さんがアップルウォッチで記録した心電図をiPhoneの画面で見せてくれました。驚くほど鮮明な心電図が記録されています。私たちが医療用で使う心電計と遜色ないクオリティーでした。これがあれば、不整脈の診断はかなり簡単になります。患者さんが動悸などを感じたときに記録してもらうといいのですが、おそらく定期的に生体監視システムが作動して脈が乱れたところを記録してくれているのではないかと思います。ポータブル心電計の一番安いやつでも3万5千円くらいします。それを思えば、アップルウォッチは健康器具としても買いだと思いました。

    話は変わって、今日の夜は頻尿治療のWEB講演会に参加しました。寒くなってきたので、夜間頻尿に悩む方は多いと思います。男性なら前立腺肥大、女性なら過活動膀胱が多いのですが、夜間頻尿はそういった泌尿器科的な原因とは限りません。心不全や腎不全で足がむくんでいる場合、夜に利尿され頻尿になります。血圧の薬の影響で夜に頻尿になる場合もあるとのことです。また、講演で聞いて印象的だったのは、便秘がひどいと頻尿になるということ。なぜかというと、直腸に便がたまりすぎて膀胱を圧迫するため、膀胱容量が小さくなるからとのことです。便秘を治せば頻尿が治るなんて目からウロコでした。

    夜間頻尿で夜に何度もトイレに起きると睡眠不足になります。高齢者によくあるのが、ボーとしてトイレに行き、転んで骨折。これは最悪です。そこまでなくても、寝不足で昼間きついと言うのはよく聞きます。夜できるだけトイレに起きず熟睡したいものです。逆に、睡眠障害があって眠りが浅いために何度もトイレに行く人もいます。その場合、適切な睡眠薬を使うことでトイレに起きずに熟睡できるようになります。漢方の八味地黄丸は2000年も前に作られた処方ですが、頻尿の改善効果があると知られています。

    ベトナム料理 メコンフードにて