むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 検診で心電図がひっかかったときは

    昨日のブログで、不整脈はアップルウォッチを持っているとかなり診断できるという話題をかきました。それではもし検診などで心電図異常を指摘されたらどうしたらいいかを書いておきます。不整脈の多くは期外収縮というタイプの不整脈です。当院では心エコーをして不整脈を起こすような心疾患が隠れていないかを確かめます。例えば、弁膜症といって心臓内の弁がきちんと閉じずに逆流を起こしていると不整脈の原因となります。次に多いのが脚ブロックや軸偏位。これらは念の為心電図を再検査しますが、多くの場合心配ない変化です。一方、心配しないといけないのは心房細動です。これが検診で見つかった場合は早めに精査を受けてほしいと思います。脳梗塞を起こすリスクとなるため、血栓予防(いわゆる血液サラサラ)の治療を一刻も早く始めたほうがいい疾患です。

    他に検診で指摘されるのがR波増高不良とか異常Q波という指摘です。これらは、心筋梗塞の既往があれば、そのことを指しているのですが、全くそういう既往がない場合、心筋の動きに異常がないかをエコーで確かめます。たいてい、なんでもないことが多いのですが、念の為精査しておいたほうがいいと思います。もう一つ大切なのがST異常というもの。これは狭心症の可能性があり糖尿病などで心臓の冠動脈の動脈硬化が進んでいるかもしれません。採血のコレステロールの値や糖尿病の具合などと総合的に判断します、

    このように、心電図異常を指摘された際は心エコーをすることが多いのですが、不整脈の種類によってはホルター心電図(24時間記録するもの)を行います。また狭心症など虚血性心疾患が疑われた際には、当院には設備がありませんが、トレッドミルやエルゴメーターと言って、ベルトコンベアや自転車で運動負荷をしながら心電図を取る検査があります。