むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 血圧手帳をつけましょう

    昨日から雨が降り続き、寒くなっています。ついこの前まで半袖で仕事していたのに、今では長袖白衣を着て暖房も入れています。この寒さで血圧が上がって来院される方が増えてきました。寒いと血管が縮むので血管抵抗が増して血圧が上がります。物理的に考えて、その逆をすれば血圧が下がるわけですから、ゆっくりお風呂に入って体を温める、運動する、マッサージして筋肉などをほぐす、などをすれば血管が拡張し結果的に血圧が下がります。ただ、厚着をしたぐらいではなかなか血圧は下がりません。家庭内で注意しないといけないのはお風呂やトイレです。最近は家全体の空調システムの高断熱住宅もありますが、昔ながらの和風建築ではキッチンや居間だけを温めて、それ以外の部屋が寒いということはよくありますので、お風呂の際に脱衣所で寒さのために急激に血圧が上がって脳卒中を起こしたりする症例はたくさんありました。

    診療の際に家庭血圧を尋ねるようにしています。家庭血圧は自己申告ですから、いい格好して120くらいです、とかごまかさないで正直にお応えください。正直に言うと薬が強くなるから嫌だ、と思う方も多いと思いますが、何のために薬を飲んでいるかを考えましょう。中途半端に血圧を下げても、不十分のために脳出血を起こしたり心不全を起こしてしまえば、いままで真面目に通院した意味がなくなります。私がこういうのは、病院で測った血圧だけでは実態がよくわからないからです。

    家庭血圧と病院では10くらい病院の血圧が高いことがおおいとおもわれます。いわゆる白衣高血圧です。逆に病院では良い数値なのに家では高いという隠れ高血圧もあります。そこで、一日の大半を過ごす家庭での血圧をきちんと測ってメモしておいていただきたいのです。持参していただいた血圧手帳は、病院で測る血圧より大切なデータです。最近はスマホに血圧手帳のアプリもありますからグラフにしたりメモを付けるなど健康管理をスマホでするのもいいでしょう。新しい血圧計には測定値がスマホに自動的に飛ぶ便利な機能付きのものもあります。