むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 温泉療法

    寒いですね。このところ4日連続雨が降り、冷え冷えとしています。冷えることで体が痛くなる人がたくさんいます。冷えと痛みは関連しています。逆にお風呂で温めると痛みが楽になることはよく経験すると思います。昔、温泉に湯治場といって、自炊できる宿泊所があり、長期に渡って温泉治療をする習慣がありました。今でもそういう施設を併設しているところもありますが、多くは様変わりしてほとんどは旅館みたいになっていると思われます。それはともかく、温泉で温めることで痛みが軽くなることから、他に薬もないときに温める治療をしたわけです。医学系の学会に温泉リハビリ学会という真面目な学会があります。これは、ドイツなどでも歴史ある医学療法の一分野です。

    江津湖のほとりにばってんの湯というのがありますが、ここはオープン当初ばってんバーデンという施設でした。これは、ドイツにある湯治場のバーデン・バーデンという地名をもじったものです。アメリカにもこのバーデンバーデンをモデルに栄えた温泉街がありました。町の名前を忘れましたが、車で何時間(数泊)もかけて行ったことがあります。温泉とはいえ、あちらは水着着用です。温水プールみたいな施設でした。しかし、私達が訪れなかっただけで、その街には温泉ドクターの施設もあり、そこで診察を受けて温泉療法の処方箋をもらい、それに従った治療(入浴やマッサージなど)ができる温泉病院も併設されていました。

    学会でニュージーランドに行ったときも温泉に行きました。ここも巨大な露天風呂でしたが、水着着用で温水プールみたいでした。当時お世話になっていたアメリカの教授夫妻と一緒に温泉につかって学会の息抜きをしたことは今でも忘れられません。このように、体を温めて治療する方法は世界中にあります。また、がんの治療で温熱療法という電子レンジみたいな機械を使った治療法もあるように、体温を上げることでがん細胞は死滅しますから痛みが取れるだけでなく、小さながんは温泉に入るだけで改善する可能性すらあります。ラドンという放射線物質を含む温泉は温熱に加えさらにがん治療効果があるとされています。

    朝靄(もや)に輝く久木野