むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • コロナの感染拡大に思う

    今回のコロナの拡大は相当なものです。当院でも連日発生届を書いています。保健所の職員さんたちはこれだけの数の発生届を読んで、患者さんや施設に電話して、濃厚接触者の有無を確認して、隔離期間を指導して、重症者は入院先を探して・・・なんてことはすでに無理に決まっています。制度自体が破綻寸前です。もうみんな十分対応方法はわかっていると思うので、あやしければ自主的に仕事は休むとか、各自に任せていいのではないかと思います。ほとんどみんな軽症で、インフルエンザと変わらないので、葛根湯やビタミンCをしっかりとって休んでおけばいいと思います。保健所が関与してくるとややこしくなるだけです。それから、抗原検査で陰性でもPCRだと陽性ということはザラにあります。したがって、抗原検査で陰性だから大丈夫と過信してはいけません。そんな人が撒き散らしているのだろうと思われます。

    今回の第7波に関しては、感染拡大のスピードからしても飛沫ではなく空気感染だと思います。相手が咳をしたりしなくても空気の流れで感染する。食堂のアクリル板の仕切りとかお面みたいなフェイスガードなど意味はありません。イメージとしてはタバコの煙のように室内に一人ウイルスを排出する人がいればほとんどの人が暴露されると思います。見たところ、ワクチンをしっかり3度受けても予防にはなっていませんので、4回目のワクチンを打ってもたいした効果はないのではないかと思っています(データはないので、あくまで私見です)。

    そこで大切なのは各自の免疫です。基礎疾患がある人はまず基礎疾患の管理を十分すべきです。血圧、糖尿など薬をちゃんと飲んで生活を整えましょう。そして、栄養バランスに気をつけ、適度な運動をしましょう。ストレスや睡眠不足も大敵です。サプリではビタミンB,C,Dは必須です。ミネラルでは亜鉛、セレニウム、マグネシウムなどが大切です。食事だけでは頑張っても不十分なのでサプリをおすすめします。

  • 美味しい梅酒ができました

    天気予報を見たら消滅していた梅雨前線が復活して、今後しばらくは梅雨の戻りみたいな天気です。毎年この時期は梅雨末期の大雨となることがおおく、九州もしばらくは集中豪雨の可能性があり、要注意です。被害が出ないことを祈ります。

    さて、巷はコロナの急増で大騒ぎになっています。私の訪問している老人ホームやその関連のデイサービスでもあちこちでコロナ陽性患者が出たと言うことで職員さんたちは対応に追われて走り回っています。当の患者さんたちは微熱程度でけろっとしているのですが、保健所に報告したり、環境整備(消毒その他)で各施設にとっては非常事態です。今日たまたま訪問した老人ホームでもコロナ陽性者が出たとのことで、いろんなところにビニールの壁を作ってありましたがそれがなんの役割をしているのか意味不明でした。換気が悪くなるのでやめたほうがいいと思います。

    先月、患者さんにもらった梅で梅酒を漬けてみました。自分でつけたのは17年ぶりでした。まだかまだかと首を長くしてできるのを待っていましたが、1ヶ月半で待ちきれずに味見をしてしまいました。フルーティーで透明感のある味わい。美味しい!極上梅酒の出来上がりです。実は遊び心で2種類の梅酒を作ったのです。一つは泡盛「久米仙」でつけたもの。もう一つはウイスキーベースのリカーでつけたもの。どちらもすごく美味しくて、果実酒の自作にハマりそうです。

  • 起立性調節障害の漢方

    昨日おとといとめまい、耳鳴りについて書きましたが、もう一つなかなか治らないで困る疾患があります。起立性調節障害です。中高生に多いのですが、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、朝から調子が悪いなどの症状で不登校になったりします。数が多すぎて小児科でもあまり受けてくれないケースが多いと聞きます。親からすると、子供の意志が弱いとか怠けているとしか捉えられず、学校に行かないことを叱ったりするようですが、体が動かないのは事実なので怒ったところで改善にはなりません。

    当院にはこのような症例もたくさん来ています。治療のポイントは夜ふかしをするかどうか。夜眠れないでゲームやスマホで遅くまで起きている場合、当然朝起きが辛くなります。このような場合はこどもにも使える睡眠薬をつかってでも生活改善をしないと朝起きはよくなりません。一方、夜ふかし無しで朝が苦手という人の場合、低血圧によることが多いようです。まず起床時に血圧を上げるメトリジンという薬を試します。

    西洋薬では他にこれと言った解決策はないのですが、漢方では苓桂朮甘湯がわりと有効です。低血圧がやや改善するので、朝起きが苦手な体質が徐々に改善します。漢方による体質改善には時間がかかりますが、子供を叱ってばかりいないで見守りましょう

  • 耳鳴りの漢方治療

    昨日はめまいの漢方治療について書きましたが、今日は耳鳴りについて書いてみたいと思います。耳鳴りは耳鼻科に行っても殆どの場合「歳のせいです。治りません、あきらめてください」と言われます。それでもあきらめきれない人が漢方を頼りに来院されます。そこで、うちに来る患者さんの多くは耳鼻科でも治らなかった難治性の患者さんです。そんな耳鳴りが漢方で治るのかと聞かれれば、全員ではないのですが一定数は改善が見られる、とお答えします。

    秘策など特別なものはありません。当院に来る前に他院でもらったアデホス(血流を改善する薬)やメコバラミン(ビタミンB12;神経の障害を改善する)などはそれほど効きはしませんが、害はないのでとりあえず続けてもらいます。そこに、抑肝散加陳皮半夏を入れます。神経過敏を抑えたりイライラ・ストレスを改善する働きがあります。これだけでよくなる場合がありますのでしばらく様子を見ます。そこで少しいいけどあと少し、という場合2パタンを考えます。一つは高齢者に多いセミの鳴くようなジーと言う音。これは加齢変化によることが多いので、八味地黄丸を追加します。2つ目に比較的若い世代に多いのが、キーンという音がする人。これはストレスや更年期の事が多いので、加味逍遥散を追加します。ここで結構な割合が改善するのですが、それでもだめならあといくつか奥の手があるのですが、それほど耳鳴りは難治で苦労します。

    話は変わって、今日も何名かの患者さんにサプリを勧めました。不安障害でいろんなことに不安な人。通常精神科などにかかれば抗不安薬(ベンゾ)や抗うつ薬が処方されますが、若い女性で結婚前だったので、妊娠の際影響ないようにサプリで治ればと思った次第です。おすすめしたのはビタミンB50, ナイアシンアミド、鉄(フェロケル)です。これらを入れて栄養療法をすることで、抗不安薬などを使わないで済むか最小限でいい場合をたくさん経験しています。ただ、不安やうつ症状が強い場合、サプリでは効果発現に時間がかかるので、まずは抗うつ剤を併用し、落ち着いてからサプリだけにしたほうがいいと思います。

  • めまいふらつきの漢方治療

    うちのゴンも夏バテ気味で食欲不振です。そんなときはいつもひき肉のそぼろや鰹節を餌にトッピングすると喜んで食べるのですが、それもいまいち効果なし。先日は肉じゃがをおすそ分けしたら喜んで食べました。犬は玉ねぎがだめらしいのでそのへんはだいたい避けてあげました。今日は自作の甘酒を餌にかけて見ました。見かけは悪いですが、結構喜んで食べました。さすがに夏バテ予防に甘酒とはよく言ったもので、食べたあとは元気に散歩にでかけました。

    先日開催された東洋医学会の特別講演で耳鼻科の先生がめまい・ふらつきの治療と咳の治療をレクチャーしてくれました。見逃し配信もあったので、再度勉強してしっかりメモも取っておいたところ、偶然にも今日はめまいの患者さんが何人も来られました。いろいろ話を聞くと、レクチャーしてもらった病型分類に当てはまるのがすぐわかりました。そこで、勉強したとおりに処方をしてみました。うまく行ったかどうか、結果がたのしみです。

    このめまい・ふらつき、耳鳴りなどは耳鼻科ですが漢方内科に結構来られます。それは、耳鼻科に行っても治らない症例がたくさんあるからです。私は内科全般から耳鼻科、整形外科、産婦人科などあらゆる科をオーバーラップして漢方治療をしていますが、なかでも難治なのがめまい耳鳴りです。今回の勉強で治療成績が上がれば、敵なしです。