むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 上手い営業・下手な営業

    台風は早朝の雷雨がひどかったですが、被害もなく通り過ぎていきました。昼の訪問診療の頃にはほとんど雨もあがり、ホッとしました。早起きの私はいつものように朝5時には起きてコーヒーを飲んだり新聞やネットを見ていたのですが、遠くで雷がピカピカしていて、瞬間停電したあとはしばらくネットが繋がらなくなりました。これは困ったと思ったのですが、朝6時前には回復したので仕事への影響もなく助かりました。

    おととい日曜に東洋医学会(合同県部会)がWEB配信されたので参加したのですが、今日から見逃し配信が始まりました。見逃してはいないのですが、素晴らしい講演だったのでさっそくもう一度見てみました。やはり2回見ると最初に聞き逃したところもあり、さらに理解が深まりました。ノートに一生懸命メモを取り、学生気分です。すぐにでも臨床の役に立つお話でした。この学会に参加できたことは、私の漢方外来の治療成績を更にアップさせること間違いないです。私は内科医として漢方をやっているので、内科疾患をみることが多く、時々婦人科系や皮膚科、耳鼻科疾患などにも対応しています。しかし、整形なら整形の先生が専門的な眼と多くの臨床経験から漢方の使い方のコツを教えていただけると、非常に参考になります。

    ところで、私は営業の仕事をしたことがないので、大変だろうなと思うのですが、営業が上手な人と下手な人がいますね。上手な人は元気で明るくユーモアがある。下手な人はその反対。会社からこれを売ってこいといわれ、そのまま商品説明してしまう。聞く方からすると全然面白くない。下手な営業マンはそもそもそういう商品にニーズが有るのかさえ調査せずに自分の言いたいことだけ言って帰っていく。私が思うに、上手い営業マンは客に何かを与えてくれる。それは、金品ではなく、元気だったり、笑いだったり、知らない情報だったり。何も与えずに逆に顧客からの情報を聞くだけ聞いて帰っていくのは最悪。少なく見積もってもわたしたちの時給を考えると営業マンに会って話した時間は患者さんを見れないのでマイナスとなるわけで、時間泥棒だと言う自覚をもっていただきたいものです。

  • 初めてのチャミスルとオギョプサル

    台風が近づいているそうです。明日は雨風に注意です。それを避けてか、月曜だったのもあり今日は大変混み合いました。高齢の患者さんの場合、付添のご家族もおられるので待合が混雑してしまいます。換気をするとエアコンの効きが悪くなるのですが、仕方ありません。

    先日、友人から韓国の焼酎「チャミスル」をもらいました。以前果物のフレーバー付きのチャミスルは飲んだことがあったのですが、ノーマルは初めて飲みました。よく韓国ドラマを見ていると屋台などで小さな緑色の瓶に入った焼酎をベロベロになるまで飲んで失敗をやらかすシーンを見ますが、どんな味なんだろうと思っていました。もらったチャミスルを飲んでみたら、癖がなくあっさりしていて結構いけます。たしかにどれだけでも飲めそうです。私はめったにビールを飲まない代わりに、焼酎は好きなのですが、焼酎好きの私もこのチャミスルは今度買ってこようかと思わせる味でした。

    韓国つながりで料理の話。私が気に入っているのは下通りのハヌルという店ですが、その姉妹店で8th(エイトス)というところは食べ放題も充実しており、ランチも安くて美味しいです。最近、製薬メーカーのMRさんに教えてもらった銀座通りにあるサムギョプサル(豚のステーキ)専門店「熊KEN」は本格的な店で美味しいです。先日、この店のオススメメニューである「オギョプサル」というのを食べてみました。オギョプサルは済州島の名物らしく、皮付き豚肉(オギョプサルのオは5という意味で五枚肉)のステーキです。皮の部分はバーナーで香ばしく炙って下処理をし、ステーキにしたものをハサミで切ってキムチやオキアミのオイル漬けなどをそえてサンチュに包んで食べます。通常のサムギョプサル(サムは3という意味で豚の三枚肉のステーキ)より皮の部分が香ばしくてやみつきになる味でした。

     

  • 高齢者は家に閉じ込めないこと

    せっかくの日曜でしたが、院内ワックス清掃の業者が入る日だったので朝から院内待機となりました。まるまる一日拘束されるので、この機会にしないといけないことをしようと思っていました。まずは月初でレセプト(診療報酬請求)のチェック。一日で千枚以上チェックしました。眼が回りそうです。もちろん私の仕事はマルチタスクでいくつも同時進行です。ちょうどいいタイミングで東洋医学会がありました。WEB学会なのでクリニックにいながらにして参加できました。素晴らしい!今日の話題は整形の先生が整形外科疾患の漢方治療についてお話され、2番めには耳鼻科の先生がめまいと咳に対する漢方治療の話をされました。どちらも、当院でもたくさん患者さんを抱えておりなかには難治で困っている症例もあったので、大変勉強になりました。学会参加費の10倍以上の収穫がありました。明日からさっそく勉強した処方を患者さんに出してみたいと思います。それで長年の症状が取れれば勉強したかいがあったというものです。

    夕方、ワックスがけが終わったところで、大急ぎでスポーツジムに行って、週末日課にしている5キロランニングをして、温泉で汗を流してわたしの週末のノルマが完了しました。運動をちょっとサボるとあっという間に筋力が落ちてしまいます。心肺機能も落ちると思います。私くらいの年齢でもそうですから、高齢者でしばらく入院したりすると本当に体力が落ちると思います。最近は老人ホームなどでもコロナ陽性者が出るたびに行動制限がかかり、狭い部屋からでられなくなり、殆ど一日寝て過ごすお年寄りが多く見られます。こういう生活をすると、この前まで元気だった人もあっという間に筋力低下(サルコペニア、フレイル状態)となり転倒のリスクが上がります。また、認知症も進行します。高齢者を狭い居室に閉じこめてはいけません。できるかぎり歩いたり、デイケアなどに参加して刺激のある生活をしてもらいたいと思います。

    老人ホームでなくても家庭で高齢者がいるとか、老老介護状態の家庭などではやはり刺激が少ない毎日で、認知症などは進行しやすい環境です。このような場合、まず介護保険を申請して担当のケアマネージャーさんが決まったら、要介護度に応じたサービスを受けることができます。デイケアや訪問リハ、訪問看護など必要に応じたプランをケアマネさんが作られるので、希望を伝えてください。こういった社会資源をうまくつかって高齢者を家庭内に閉じ込めないようにしましょう。

  • 心臓カテーテル手術の進歩

    土曜日は診療のあと心臓健診で夕方遅くまでぶっ通しで仕事でした。小中学生の学校検診で心電図の異常や内科検診で心雑音などが見つかった人たちの精密検査です。80名ほど受診されたので、5人のドクターで手分けして15人ずつくらい診察しました。私の見た患者さんから今日だけで二人も心房中隔欠損症(心臓に小さな穴があいている)が見つかりました。以外にも高頻度です。心電図を見たときは問題ないと思っていたのですが、結果を見てびっくりです。連れてきたご両親もびっくりですが、幸い穴は小さいので経過観察としました。最近、心房中隔欠損の穴はカテーテルのデバイスをつかってふさぐ手術ができるようになりました。昔は開心術(胸を開いて心臓の穴を防ぐ外科手術)しかなかったため、特に女の子の場合胸に大きな傷が残ることを心配していましたが、カテーテル手術だと傷も残らず内科的な処置で良いので、朗報です。こういう急がなくて良い手術は技術が発達して恩恵を被ることもできるので、あまり急がないことだと思います。

    心房細動のアブレーション(カテーテルをつかった手術)も技術的に大きな進歩を見せています。私が大学病院にいた頃は不整脈グループの勉強を極めた人たちだけが見てわかるような複雑怪奇な検査をして得られた結果をもとに、これもまた驚くべき職人技で手術をしていました。私には一体何がなんだか理解できませんでした。ところが、昨今の進歩で、手術時間も従来の半分以下、成功率も格段にアップしています。私の外来で5年から10年ぐらいフォローしている患者さんたちにも、そろそろ技術的にも手術をおすすめできるところに来たと説明しています。

    さて、明日の日曜はクリニックのワックスがけ業者が入るので私は朝から院内に待機ですが、ちょうどいいタイミングでWEB学会が開催されるので、それに参加します。勉強漬けの日曜となります。本当はジムに行って走ったり、温泉にも行きたいのですが、勉強する週末もいいでしょう。

     

     夕暮れの田園@城南

  • 暑さを乗り切る

    暑いと言ってもしかたないですが、暑いとしか言いようがないです。やっぱり、体がまだ夏に対応していないのでしょう。まだ夏は始まったばかりなのに夏バテしそうです。以前も書いたことがありますが、夏バテには清暑益気湯という漢方がよく効きます。ネーミングの通り暑さを冷まして元気を出すという処方です。一方、熱中症には黄連解毒湯を使います。漢方の中では最も清熱作用が強い処方です。また、暑いと水分をたくさんとりますが、水を飲みすぎると消化管の吸収能力を超えてしまい、だぶついてきます。これもだるさに関係します。お腹でだぶついた水は五苓散が処理してくれます。わたしの経験ではフルマラソンに出場したとき給水所のたびにスポーツドリンクを飲んでいたら体はたくさん発汗して脱水気味なのにお腹だけ水分過剰というアンバランス状態になりました。五苓散の出番です。

    暑いときにアイスやビールなど冷たいものをとりすぎると、下痢したり腹痛を起こしたりします。冷たいもので腹痛になったら温めれば治るのですが、漢方だと大建中湯や呉茱萸湯や安中散です。下痢は水分過剰なので五苓散が効きますが、すこし胃腸薬的なものを合わせるなら、平胃散+五苓散=胃苓湯という処方となります。漢方は理論的で面白いですね。4000年もの長い歴史の中の東アジア人の経験と論理的思考の集大成ですから、素晴らしいのは当たり前です。

    夏といえば、そうめんです。毎日昼はそうめんという人も多いのではないでしょうか。のどごしもよく、食欲の落ちたときも結構いけます。すぐゆであがるし、めんつゆさえあれば、簡単に食べられます。料理の苦手なお父さんもそうめんぐらいはできるでしょう。しかし、注意していただきたいのは栄養です。炭水化物しか入りません。もちろん血糖は急上昇しますから糖尿を悪くします。そうめんを食べたときは、卵や肉など蛋白を忘れないようにとりましょう。

    辛いものも暑さを吹き飛ばします。イオンモール嘉島のフードコートの辛麺、私が食べたのは辛さ10倍です。確か50倍まで注文できます。