むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 暑さを乗り切る

    暑いと言ってもしかたないですが、暑いとしか言いようがないです。やっぱり、体がまだ夏に対応していないのでしょう。まだ夏は始まったばかりなのに夏バテしそうです。以前も書いたことがありますが、夏バテには清暑益気湯という漢方がよく効きます。ネーミングの通り暑さを冷まして元気を出すという処方です。一方、熱中症には黄連解毒湯を使います。漢方の中では最も清熱作用が強い処方です。また、暑いと水分をたくさんとりますが、水を飲みすぎると消化管の吸収能力を超えてしまい、だぶついてきます。これもだるさに関係します。お腹でだぶついた水は五苓散が処理してくれます。わたしの経験ではフルマラソンに出場したとき給水所のたびにスポーツドリンクを飲んでいたら体はたくさん発汗して脱水気味なのにお腹だけ水分過剰というアンバランス状態になりました。五苓散の出番です。

    暑いときにアイスやビールなど冷たいものをとりすぎると、下痢したり腹痛を起こしたりします。冷たいもので腹痛になったら温めれば治るのですが、漢方だと大建中湯や呉茱萸湯や安中散です。下痢は水分過剰なので五苓散が効きますが、すこし胃腸薬的なものを合わせるなら、平胃散+五苓散=胃苓湯という処方となります。漢方は理論的で面白いですね。4000年もの長い歴史の中の東アジア人の経験と論理的思考の集大成ですから、素晴らしいのは当たり前です。

    夏といえば、そうめんです。毎日昼はそうめんという人も多いのではないでしょうか。のどごしもよく、食欲の落ちたときも結構いけます。すぐゆであがるし、めんつゆさえあれば、簡単に食べられます。料理の苦手なお父さんもそうめんぐらいはできるでしょう。しかし、注意していただきたいのは栄養です。炭水化物しか入りません。もちろん血糖は急上昇しますから糖尿を悪くします。そうめんを食べたときは、卵や肉など蛋白を忘れないようにとりましょう。

    辛いものも暑さを吹き飛ばします。イオンモール嘉島のフードコートの辛麺、私が食べたのは辛さ10倍です。確か50倍まで注文できます。