むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • with コロナ後遺症

    今週は、コロナ後遺症の患者さんも日に日に増えてきて忙しい毎日です。朝診察室に座ったらあっという間に日が暮れています。まったく休みなしノンストップ診療です。多くの方が後遺症に悩まれているので、私がやらねば誰がやる、の精神で毎日気合を入れて診療にあたっています。私が思うに、コロナ後遺症を漢方無しで対応しようとしても、到底不可能です。困ったことに、現在漢方メーカーの供給体制が逼迫しており、十分入荷しない可能性のある品目が20種類以上あると聞き、唖然としました。さいわい、在庫に余裕のあるメーカーも有り、当院は各社と取引実績があるのでなんとかなるだろうと思っています。

    さて、そのように大忙しの診療で帰宅したのが夜8時頃だったのですが、佐賀の栗山先生のWEBセミナーでした。ちょうど、自律神経の漢方治療がテーマでした。例えば更年期障害はまさに自律神経の疾患です。西洋薬では全く太刀打ちできません。一方漢方では数百年に及ぶ症例治療経験から治療法が確立しています。その方法論を応用すれば、あらゆる自律神経症状に対応できるわけです。

    講演の中で栗山先生がおっしゃっていたのですが、急性病においては症状があるから仕事ができないという場合、症状を取り除くのがいいが、慢性病においてはそのとおりではない。症状があっても仕事できるようにするのが治療だ。なぜなら症状が慢性化しているということはこの先もずっと続くかも知れないから。これはとても大事なことです。コロナだったら、治ってから出社してくれと言っても良いと思いますが、コロナ後遺症(倦怠感など)に関しては、治ってから出てこい、と言われれば、患者さんはいつ治るとも知れず絶望します。無理しないでいいからできる範囲でやってくれ、といってもらえるとホッとすると思います。時代は「with コロナ後遺症」というわけです

  • 咳を止める治療について

    若い頃写真部だったという患者さんから、毎朝まずこのブロクを見るのを日課にしています、と言われました。恐縮です。写真は好きできれいな花を見たら写真を撮らずにおれないのですが、何しろ毎日アップする数の写真を取る暇がない。そこで、本当に駄作だと思っても、それしか今日の写真はないという場合もあります。本当は構図を考え、露出などの光の加減も考えて撮るといいのですが、なかなかその時間がないので、ポケットに入っているiPhoneでぱぱっととっています。そこで、納得いくものではなくても季節感が感じられればまあいいかと思ってあげているのが現状です。それでも、楽しみに見ていただいているのはうれしいです。やりがいがあります。

    さて、コロナ後遺症で来院される方が毎日たくさんおられますが、多いのは倦怠感、微熱、咳です。倦怠感に人参養栄湯を出される施設が多いように感じますが、最近の私の治療経験からは、補中益気湯のほうが有効率が高いようです。微熱には小柴胡湯を使います。飲んでいると微熱が取れてくる場合が多いです。しかし、患者さんのなかには発熱ノイローゼみたいな人もいて、36.8Cでも熱があると言いはる人がいます。平熱はもっと低いのだと言われますが、医学的にはそれは微熱とは考えません。ただ、平常より高めであれば、代謝がかわったか体温中枢が変化したかが考えられるので、できるだけ期待にそれるよう治療します。魔法のような治療法はありません。漢方で全身の寒熱虚実のバランスを取るだけです。

    咳に関しては、コロナでなくても風邪の後しばらくは咳が出るものです、通常2−3週間は出ても不思議ではありません。しかし、このご時世、職場で咳をしようものなら、帰って休めと言われることでしょう。当たり前の咳ができない!咳は痰を出すために出るので咳止めで無理やり止めると痰が肺に溜まってよくありません。当院では、このような場合極力咳止めは使いません。代わりに、喘息の治療に使う抗炎症剤や抗アレルギー剤などを組み合わせて処方しています。

  • 自律神経の調整法

    ドキドキする、脈が速い、口が渇く、食欲がない、眠れないなどは交感神経が緊張した状態です。ストレスが溜まったときによくみられます。心電図をとっても異常ないし、口が渇くをネットで調べたら糖尿病とかシェーグレン症候群の疑いと出てくるので専門の病院に行って調べても何も異常ない。結局この体調不良は何だ、ということになりますが、自律神経の問題です。検査して異常ないと通常の内科ではそれで終了ですが、心療内科ではそこが始まりです。ストレスから来た身体症状は通常の内科は苦手です。たとえ大学病院のようなところに行っても専門外なのであまりうまく治療してもらえないと思います。

    自律神経には交感神経と副交感神経があります。副交感神経が働くと、脈が遅くなり、唾液などの分泌が盛んになり消化器が動くのでお腹が空きます。気持ちはリラックスして睡眠も良好です。こう聞くと副交感神経がいい自律神経みたいな感じがしますが、そうではありません。交感神経、副交感神経はバランスが大切で、どちらかが緊張しすぎるのは良くないのです。時々、排便後に意識を失って救急車で運ばれる人がいますが、病院についた頃には意識も戻って検査しても何も異常なし、結局「迷走神経反射」でしょうと言われることがあります。これは、副交感神経が緊張しすぎて血圧が下がったり、脈が極端に遅くなり一時的に意識が飛んでしまう病態です。

    私はサウナが好きで暑いサウナで汗をかいたあとは冷水風呂に入ります。これは、温度の高い低いはありますが、サウナも冷水もともに交感神経の緊張状態です。水風呂に入ることで交感神経の緊張はマックスになります。するとその後、揺り戻しのように副交感神経優位の状態となり、緊張がほぐれ、血圧も下がり、リラックスモードに入ります。こう考えるとサウナは自律神経の調整に役に立つ薬のようなものです。

    私の診察中は1分1分が勝負と思って頭をフル回転しながら働いているため、ずっと交感神経にスイッチが入りっぱなしです。特に土曜日は忙しくて息ぬく暇もありません。そこで土日はジムで走って温泉に入るのが私の自律神経を調整し、また元気に次の週に働く活力となっているのです。

     

  • ひどい吐き気を治す

    クリニックはオゾン発生機で空間除菌しています。オゾンは酸素でできており、殺菌力はさることながら消臭力もあります。よく動物病院に行ってみると、思いのほか嫌な匂いがしないのはオゾン消臭をしているからです。そこで、うちもゴンを室内飼いしているので、オゾン消臭してみようとおもい、クリニックに設置したオゾン発生器を週末借りて帰りました。ずっと室内にいると部屋の匂いはわからないので、しばらく散歩に出て帰ってみると確かに消臭が効いているようです。素晴らしい。

    さて、土曜日はいつものことですが、平日来れない若い世代の患者さんで混み合って待ち時間が長くなりました。県外からも来られているので、どうしても3分診療というわけにもいかず、時間をとってしまいます。なかにはコロナ(ワクチン)後遺症で本当に困っている方も毎日のように来院されるので、なんとか早く元気を回復してもらいたく、つい診察に時間をとってしまいます。静かにお待ちいただいた皆様には感謝します。

    先日、昔の同僚で、最近何故か吐き気で食事が取れなくなりかき氷やスイカしか喉を通らなくなった、そのせいでかなり痩せた、日赤でみてもらったが点滴1本で帰された、という方が藁をもすがる思いで来院されました。消化器の専門にかかっても治らないケースは、当院では珍しくなく、使う薬も2−3つの候補に絞られています。漢方ではありません。そのうちの1つを処方したら、1週間で8割治ったとニコニコ顔で来院されました。元気になられてこちらもうれしいです。今日も別の方から同じような相談があり、1週間分の処方をしたところです。

    下通りハヌルオンマのキンパ 日本の海苔巻きよりご飯の部分が少ないです。

  • コロナの漢方治療の勉強会でした

    久しぶりにエアコンを付けずに朝までぐっすり眠れました。涼しいと思いましたが、室内は28Cです。今まで暑すぎたせいで体感が麻痺しています。ところで、私が毎日飲んでいる大量のビタミンはiHerbで買っていますが、そろそろ切れそうなビタミンを注文しようとサイトを開いてみてびっくり、めちゃくちゃ値上がりしています。1.5倍くらい上がっている印象です。円安だからアメリカ製のビタミンを飲んでいる私はその分負担しないといけないのは仕方ありませんが、上がりすぎです。アマゾンを調べたら、なんとiHerbより安いです!ただ、アマゾンの商品はたまに送料が高いものもあり、うかつにポチらず送料までしっかり見てから購入しましょう。私が欲しかったビタミンは全部アマゾンのほうが安く手に入りました。

    さて、金曜日は診療が終わって急いで帰宅し、夕方7時半から漢方の勉強会でした。鹿児島の桜岳塾という勉強会をたまたまフェイスブックで見かけたので、演者の先生に参加希望を伝えたところ、招待してくれました。テーマはCOVID-19の治療と後遺症の治療についてです。まさに私が日々苦労しているテーマだったので大変勉強になりました。決まった治療法もなく、治療経験もまだ1−2年なので何がベストかは誰にもわかりません。漢方の専門家が試行錯誤した結果を持ち寄ってみんなで学ぶ会でした。素晴らしいです。WEB講演の発達のおかげで、みんな自宅にいながらにして福岡、熊本、鹿児島、宮崎各地の漢方専門医が50名以上集まり2時間半にもわたる勉強です。一つ、間違いなく言えることは、コロナにかかった時、カロナールなどの解熱剤だけで様子を見るより漢方を飲んだほうが絶対治りが早い。そして、解熱剤を使いすぎるとかえって病態は長引き、後遺症も出やすい可能性があるということ。

    会が終わって雑談タイム。集まった先生たちの印象ではコロナワクチンを打ち始めて確実に帯状疱疹患者が増えたということ。やはりワクチンを打つと免疫が修飾されるので、コロナ以外に対する免疫能が落ちるのだろうと言う話でした。そして、帯状疱疹は今まで一度かかったら2度はかからないと言われていましたが、最近は何度もかかる症例があるとのこと。その理由は、抗ヘルペス剤の使用で、免疫ができる前に治療してしまうから、という話です。そうなると、きちんと帯状疱疹ワクチンを打つ以外ないと思います。当院では帯状疱疹ワクチンを常時用意しています。ご希望の場合、ご予約をお願いします。