昨日おとといとめまい、耳鳴りについて書きましたが、もう一つなかなか治らないで困る疾患があります。起立性調節障害です。中高生に多いのですが、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、朝から調子が悪いなどの症状で不登校になったりします。数が多すぎて小児科でもあまり受けてくれないケースが多いと聞きます。親からすると、子供の意志が弱いとか怠けているとしか捉えられず、学校に行かないことを叱ったりするようですが、体が動かないのは事実なので怒ったところで改善にはなりません。
当院にはこのような症例もたくさん来ています。治療のポイントは夜ふかしをするかどうか。夜眠れないでゲームやスマホで遅くまで起きている場合、当然朝起きが辛くなります。このような場合はこどもにも使える睡眠薬をつかってでも生活改善をしないと朝起きはよくなりません。一方、夜ふかし無しで朝が苦手という人の場合、低血圧によることが多いようです。まず起床時に血圧を上げるメトリジンという薬を試します。
西洋薬では他にこれと言った解決策はないのですが、漢方では苓桂朮甘湯がわりと有効です。低血圧がやや改善するので、朝起きが苦手な体質が徐々に改善します。漢方による体質改善には時間がかかりますが、子供を叱ってばかりいないで見守りましょう