むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 過呼吸はストレスに強い体を作る秘策

    心配された台風は九州からそれて、多少風は強かったですが、被害はなかったようで良かったです。風は風でもコロナの方は依然猛威を奮っており熊本でも4000人を超える報告が続いています。まだまだ増えるようですが、これでやっと集団免疫が完成すると思われますので、未来は明るいと思っています。一方、コロナ後遺症の患者さんは咳が止まらないとか微熱が続く、倦怠感が続くみたいな方が多いですが、通常の内科ではカロナールとか咳止めを出す程度で、それではいつまでたっても治りません。漢方では風邪も患者さんの体質や病態に応じて細かに処方を決めていきます。そこで、コロナ後遺症みたいな未知の病態も漢方的解釈で処方するとかなり良くなります。当院ではそういったコロナ後遺症を積極的に見ていますが、多くの方は経過良好です。

    GOOP(グープ)というアメリカのドキュメンタリーをNetflixでみていたら、面白いことがわかりました。雪山で凍るように冷たい湖に飛び込むとんでもない健康法をやっている人たちがいて、飛び込む前の準備体操で、過呼吸を勧めていました。スーハースーハーと早い呼吸をするとだんだん手足がしびれてめまいがしたりします。この健康法の指導者は体を過呼吸でアルカリ性(医学的には呼吸性アルカローシスという)の状態にすると、冷水に飛び込んでも耐えられると言っていました。実験に参加した人たちも言われたとおり手足がしびれるくらい過呼吸にしたら寒中水泳が難なくできたようです。不思議です。

    心療内科をしていると、患者さんがストレス(人によっては職場だったり渋滞に巻きこまれることだったり、美容室や歯医者の椅子にじっと座ることなど)にさらされたとき過呼吸が起こり、パニックを起こしてしまうという患者さんが来られます。しかし、このアメリカの実験が教えてくれたのは、過呼吸をすることでストレスを乗り越えられる体に変化するということ。つまり、苦手な状況でストレスを感じたときに呼吸が早くなるのはストレスを乗り越えるための防衛反応だったということです。

    今日、この仮説を検証するためジムで腹筋マシンに座って、わざと過呼吸気味にスーハーしながら腹筋をしたところ、筋トレのストレスが吹き飛んで一気に50回できました。面白い。こんな技があったなんて。