むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • スマートウォッチは劇的に進化している

    朝、温度計は1.5度を指し、クリニックの周辺の畑では霜が降りていました。寒い朝でした。昼にはポカポカと素晴らしい陽気で、訪問診療の車では冷房を入れるほどでした。しかし、夜になると天気予報通り雷雨になりました。最近天気予報の精度がすごくて驚かされます。ただ、雨はすぐに上がって、きれいな星空となりました。目まぐるしく天気が変わるのも春の特徴ですが、体がついていかないで頭痛やめまいなどを起こしやすい季節です。漢方では苓桂朮甘湯などがおすすめです。

    先日、仕事中に意識を失ったという患者さんが来られました。倒れたときのことは全く覚えておらず、気がついたら救急病院だったそうです。しかし、その患者さんはなにも覚えていなくても、文明の利器がいろいろなデータを残してくれていました。それは、「スマートウォッチ」です。腕にはめたブレスレットのような時計ですが、10分おきの心拍数、歩数、活動量(カロリー)などいろんなデータが記録されてており、携帯(スマホ)のアプリを起動すれば、倒れた時の様子がバッチリわかりました。歩数がゼロになったところが倒れた時刻です。そこから体が動いたとき救急隊が到着したものと思われますから、何分ぐらい意識を失っていたかが如実にわかります。また、その時の心拍数から、不整脈だったどうかとか、ショック状態ではなかったかとか、いろいろ推察されます。とても参考になり、驚きました。アマゾンで調べるとこの時計は4000円からお釣りが来ます。

    これだけの機能があり、さらには携帯に着信やメールがあれば、ブルっと教えてくれるし、睡眠の深さなどもモニターできます。これからの時代、持病のある人は是非こういう腕時計をしていてほしいものです。生体モニター機能というのがいかに有用か思い知らされました。新しいものでは、血圧も測れるようですよ。

    浮島神社 

  • 漢方の講演

    木曜は診療が終わったらすぐに講演にでかけました。いつもは漢方の中級から上級編の講演をするのですが、今回はその周辺の話をしました。私が最近熱中している分子栄養学の話です。漢方で病態を把握して治療しても必ずしもうまくいきません。その背景には少なからず栄養の問題があるからです。

    今の日本に住んでいて栄養失調なんて、と思うかもしれませんが、みんな多少の栄養不足はあるのです。特に、子育て中のお母さんや仕事が多忙を極めて食事の時間もままならないビジネスマンの皆さん栄養不足には十分注意していただきたいと思います。こういう人が陥りやすいのは炭水化物(パン、麺、おにぎりなど)に偏った食事です。ビタミンと蛋白が圧倒的に不足しています。気がつくと、不眠、不安、倦怠感など出てきますが、忙しかったのが原因でなく、ちゃんと食べていなかったことが悪いのです。

    時間がない場合、コンビニでも焼き鳥やサラダチキンなど肉類をとること、おでんで卵を食べること、サンドイッチでもサラダ系でなくたまごサンドや照り焼きなどの蛋白をしっかりとることです。食事を疎かにするといつかツケが回ってきます。こればかりは漢方では治りません。気をつけましょう。

    浮島さん

     

  • 食事制限ではなく食べて治す時代です!

    今日は、公立高校の合格発表でした。うちは受験も終わり平穏な日々ですが、皆さん、いかがでしたか?高校が決まるまではハラハラ・ドキドキのことと思います。患者さんのお子さんやお孫さんも進学が決まりましたとお喜びの報告が続々とあっています。春はすぐそこですね。

    先日、健康番組を見ていたら、中性脂肪を下げる食材として、豚肉が取り上げられていました。これは、今までの健康常識をくつがえすびっくりネタです。おそらく、病院の糖尿病教室などで栄養指導を受けると、脂質異常の患者さんには肉などの脂身は避けるように指導されると思います。実はそれがまちがいだったとは、きっと栄養士さんたちは信じてくれないことでしょう。番組では1週間豚肉メニューを食べ続けた結果、中性脂肪はきっちり下がっていました。食べ方としては、しゃぶしゃぶとかソテーとかありますが、おすすめは豚汁だそうです。肉汁を逃さず全部いただくのがポイントです。

    中性脂肪を下げる食材として豚肉以外では、えごま油、亜麻仁油、魚の油(EPA/DHA)などがあります。これらを積極的にとることで中性脂肪は下げることが出来ます。以前なら、脂質異常症だから油ものは食べるな、といっていましたが、今やいい油成分を積極的に食べて治す時代です。これまで栄養学には科学的根拠なく信じられてきた迷信みたいなのがたくさんあります。やっと科学の光があたってきましたが、今の所頼りになる情報は病院の栄養士でからではなくテレビや雑誌でしか手に入らないと思います。

    嘉島の浮島神社

  • 聞きっぱなしの講演会

    仕事が終わったら、急いで県庁へ向かいました。熊本県が取り組んでいる糖尿病性腎症の取り組みとしての研修会です。「関係者各位・・・熊本会場か八代会場のいずれかに参加してください」というかなり強制的な文面です。仕方ないので、なんとか時間をやりくりして参加してきました。相当大きな大会議室です。スライドは遠すぎて小さくしか見えません。500人位来ている気がしました。研修内容は糖尿病内科の教授と腎臓内科の教授の講演2本立てです。

    糖尿病と腎臓病は医学の中でもすごく遅れている分野です。糖尿病はこの数年でやっと新薬が出てきて治療が進化しましたが、それまでずっと停滞していました。腎臓病に至っては未だに治療薬はなく、減塩、蛋白制限、血糖、血圧とコレステロールの治療しかありません。あとは透析を待つだけです。それほど遅れている分野で治療法がないために透析患者が増えて医療費が増大し、国の財政を圧迫するのです。

    さしたる治療法がないのにこんな研修を夜の9時まで聞かされて、結局どうするの?という感じがします。講演を聞いて我々の診療が変わるとはとても思えません。県も協力した医師会や講演した教授たちも、みんな帳面消しのような気がします。やりました、参加しました、というためだけに時間を売った感じです。日本の講演は聞くだけです。アメリカなら国が広すぎてみんなで集まることは物理的に不可能なので、インターネットを使った講演が多く、しかも最後には必ず習熟度テストがあります。そこに、講演のポイントが凝縮しているので、講演を聞かずにテストだけ受けてもいいし、テストが出来なかったらもう一度関連部分の講演を聴き直すことも出来ます。日本も、このように費用対効果の優れた講演会にしてもらいたいです。

  • ものを大切にする心こそ

    東日本大震災から8年。あっという間に結構な年月が過ぎています。この8年でうちの子供は小学生から大学生になり子犬のゴンはシニア犬になりました。私はNTT病院から桜十字病院を経て今のクリニックを開業し、もうすぐ3年です。いろんな事がありました。熊本でも震災を経験しました。大変なことが多かったですが、試練は私たちを成長させます。今こうして元気に暮らしていることが何よりの幸せです。

    九州電力からお知らせの手紙が届いたと思います。明細書を電子化したいと言う趣旨の手紙でしたが、一緒に入っていたお知らせに、川内原発が順調に稼働しているおかげで電力コストが下がりました、つきましては、平均1%の電気料金を引き下げます。とありました。1%だと、毎月1万円払っている家庭で100円安くなる計算です。バカにしていますね。原発の危険を犯して100円安くしてもらわなくてもいいです。鹿児島の川内には私の兄妹親戚も住んでおり、原発が可動していることは心配しています。もし川内で事故があれば、熊本市内でも安全ではありません。

    一方、太陽電池も大変な環境破壊です。阿蘇の外輪山にできているメガソーラーなんて熊本市内からでもギラギラと光って見えます。よくあれだけの森林を伐採したものです。家庭にソーラーパネルを設置して売電している家庭は、売電するからには事業所とみなす、とありました。事業所であるからには、定期的な安全点検の義務があるそうです。業者の口車に乗せられて太陽電池を設置しても、売電料金がどんどん下がり設置コストが回収できないと見ると、これからは売電ではなく蓄電の時代だと、蓄電装置を買わされ、挙げ句に太陽電池は火災の危険があるという話になり、踏んだり蹴ったりです。大事なのは原発や太陽電池ではなく大量消費、過剰包装をやめ、モノを大切にする心だと思います。

    御船の華ホタルにて