むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 小さくても自由の利く仕事がいい

    連休、いかがお過ごしですか?雨も降っていたので、行楽日和ではありませんでした。私は、月初めの行事として毎月しないといけないのが、レセプト(診療報酬)チェックです。あさ6時半には起きてひたすら見ましたが単調な作業なので眠くなります。お茶を飲んだりコーヒーを飲んだり音楽を聞いたりスクワットをしたり、気分を変えながら進めましたが、夕方までに半分ちょっとしか終わりませんでした。まだまだ残りはあるのですが頭が飽和したので明日に回します。後の時間はアマゾンプライムビデオで「シェフ」という映画を見ました。

    この映画は、レストランに料理評論家が来るというのでシェフが自分の腕をふるったメニューを出そうとするのですが、レストランのオーナーは定番のメニューを変えるなと命令します。「歌手のコンサートに行って客は何を期待するか、新曲ではなくて定番のいつもの歌が聞きたいんだ」とオーナーは主張します。なるほど~と思ったのですが、結果は・・・ネタバレになるので詳細は書きません。結果的にシェフは店を離れてフードトラック(移動販売車)を購入して各地を転々と移動しながら自分の感性で好きなようにサンドイッチなどを作って販売します。やはり、やりたいことをやりたいようにできる個人事業主は幸せだなと思います。

    よく、大空を鳥のように飛べる飛行機が好きだからパイロットになった。という人がいます。それは良かったですね、と言いたいところですが、パイロットは大変な仕事です。全く自由がありません。1分1秒決められたとおりにしないといけません。航路も高度も指示通りです。ちょっと眺めの良い方へ行ってみようとか、気分がいいので街の上をもう一周とかできません。結局自動操縦の監視役でしかないパイロットは自由がなくストレスいっぱいだろうと思います。はたからみてかっこいい仕事より、小さくても自由の利く仕事は転職だろうと思います。

    庭に咲いたブルーベリーの花

  • 自然とともに生きる

    旬の食べ物は美味しいし、栄養も豊富です。今の季節美味しいのはあさり貝、たけのこ、わらびなどでしょうか。たけのこやわらびは下準備が大変ですが、食べると本当に美味しいです。山菜は美味しいですが、あくが強いですよね。これは、新芽を動物が食べてしまわないように、毒になる成分を含むようにできているからです。動物がうかつに新芽を食べるとお腹を壊したりして、次第に食べないように仕向けるわけです。したがって、きちんとアク抜きしないと食べられません。果実は動物に食べてもらうために種の周りに美味しい実を含みますが、それとは反対の発想です。

    じゃがいもの芽も食べていはいけないと昔から言われています。芽になる前のエクボの部分もくり抜いて捨てます。しかし、食べても害がない芽があります。もやしです。もやしは緑豆や大豆の芽ですが、相当昔から食べている食材だしアクもないので健康に問題はないのだと思います。しかし、昔は食べていなかったけど最近食べるようになった芽があります。それは、「発芽玄米」「豆苗」「ブロッコリースプラウト」などです。いずれも体にいいということで食べられていますが、本当に体にいいのだろうかと、私は少し警戒しています。歴史が証明すると思いますが、まだわかりません。たいてい、種の段階で料理すれば大丈夫です。これは鳥も食べているのを見るとわかります。しかし、芽が生えてきたときに鳥に食べられると大変なので芽の部分は毒を含んでいるだろうと想像するのは難しくありません。

    わたしたちは大自然の一部です。自然とともに生きています。科学の目を通して(成分分析などの結果)勝手に良さそうだと思うのは自然の摂理を無視している可能性があります。科学の目よりも大事なのは自然の摂理です。漢方を専門にしていると、普通に考えて不自然なことは体にも良くないのではないかと考えるのが当たり前のような気がします。

     

     

  • 連休でエネルギーチャージ

    いよいよGW10連休突入ですね。土曜日の診療はさぞ忙しいかと思ったら、それほど忙しくありませんでした。すでに多くの人が連休入りしてどこかに行ってしまったのでしょう。みなさんは10連休、どう過ごしますか?長期休暇をとって外国に行く人もいれば、ここぞとばかり商売に精を出す人もいることでしょう。銀行のATMには現金を下ろす人が列をなしていると言うニュースでした。このキャッシュレスの時代に現金を下ろす人たちって、なんだろうと思いましたが、考えると他人事ではありません。商売をする人は連休中のお釣りを準備しておかないといけません。当院も、常に大量のコインや1000円札などお釣りを準備していますが、連休前の1週間は、とても忙しかったのを裏付けるように、週半ばに準備していたお釣りが足りなくなりました。いつもは週に1回両替に行くのですが、今週は間に合わなくなりました。これが10連休で、銀行も開かないとなると大変なことです。100円玉も、10円玉も、金庫に入りきれないほど準備しておかないと営業できないと思います。

    ところで、連休は子どもたちの学校がないので、お父さんは家族サービスに追われるることでしょう。しかし、この「家族サービス」という言葉はいけません。家族に対して奉仕しているというニュアンスです。その奥には不本意ながら、という気持ちがつきまといます。本来なら、「やっと子どもたちと一緒に過ごせる、嬉しい」と思わないといけないのですが、「いつも何もできないから、連休くらいサービスしなくっちゃ」という気持ちでは疲れがたまるばかりです。

    連休ではエネルギーをチャージできる人とエネルギーを使い果たす人といます。その差は気持ちの持ちようだと思います。気を遣ってエネルギーを減らしては意味がありません。大事なのは、楽しむことです。私はディズニーランドが苦手で、全然楽しくないのですが、うちの子供が小さかったとき何度かいきました。行けば結構楽しいのです。それなら、最初からいやいや行かずにウキウキしていけばいいのに、と思ってしまいます。皆さん、楽しんで連休を過ごしてくださいね。

  • 意地を張って先発薬を使う?

    いよいよ平成も終りが近づいてきました。ニュースを見ると、天皇陛下が最後の公務として緑の式典に出席された映像を見ました。その中で印象的だったのは、陛下がワイングラスを持っておられるシーンです。日本人の多くはワイングラスを持つときに細い足の部分を持ちますが、あれは国際的には間違いだと言われています。今日の天皇陛下はボウルの部分をしっかりとホールドされていました。画像検索するとエリザベス女王もオバマ元大統領も同じ持ち方をしています。ボウルの部分をしっかり持つというのがマナーなのです。まあ、ワイングラスの持ち方くらいで相手に失礼になるということはないのでどうでもいいのですが、国際的なマナーと日本のマナーがまるで違うということを知っていることは大事だと思います。https://matome.naver.jp/odai/2137191196430283401

    連休前で毎日超多忙だったのですが、忙しかったのもピークを過ぎて少し余裕のある一日でした。こういう中で、仕事をやっていて本当に良かったと思うのは患者さんに感謝の言葉をいただくときです。「今まで2年半、ずっと治らなかった症状が当院に来て1週間で良くなってびっくりしました!本当にありがとうございます」なんて言われると、本当に開業してよかったと思います。疲れが吹っ飛びます。毎日、心と体の悩みを聞いています。その人数たるや、相当数です。やはり、患者数が多いと医者の経験値も飛躍的に伸びるため、治療法に磨きがかかってきます。週刊誌でいい病院ランキングなんてありますが、いい病院の根拠は年間の手術数などを評価しています。それはまんざら間違いでないと思います。やはり、患者数が多くて、それだけ経験を積んでいると、レベルが上がるのは間違いないと思います。

    世の中は、ジェネリック(特許切れの医薬品を後発メーカーが安く作るもの)を使うようにという流れです。協会けんぽはジェネリック8割を目指すようにと目標設定しています。当院も、協会けんぽからもらったデータでは8割を達成しています。ただ、当院でがんばって(意地を張って)先発を使っているものが一つだけあります。驚かれるかもしれませんが、それはモーラステープ(湿布)です。湿布は貼ったところから鎮痛成分が皮膚に浸透して痛みを取るので、どのメーカーでも同じように思うかもしれませんが、先発メーカーは成分ではなく基材にもすばらしい技術が隠されています。ジェネリックとは全然違います。きれいに貼れるし、はがれにくいのも優れています。今日は、患者さんに、当院からもらった湿布は整形からもらったのよりよく効くと言っていただけたので、意地を張って先発を使っているだけあったかなとちょっと嬉しかったです。全ては患者さんのことを思ってのことです。それが当院の経営理念その1です。

  • 食後高血糖

    先日書きましたが、この前の日曜日に保険医協会主催の下通り街頭無料健康相談に参加しました。私のコーナーは血圧と血糖の無料測定のブースでした。血糖を測ってみると、200超え、300超えという人が続出しました。開催されたのは日曜の昼下がりです。食事時間を尋ねると、さっき食べた、という人が多くいわゆる食後の随時血糖です。これは、検診や人間ドックで空腹時血糖を測るよりも重要な意味を持つと思います。皆さん、今ご飯食べたばっかりだから、とか、今日はランチでごちそうだったから、と言い訳されますが、そんなのは関係ありません。検診では指摘されなかった耐糖能異常がこんなにもたくさん見つかるわけですから、やった甲斐があります。必ず、データを持ってかかりつけの先生に相談するようにと念を押しました。

    ブースには、血糖や血圧を測る看護師さんたちのボランティアが大勢いて、その端で私が結果を見てアドバイスをするという流れです。血糖の測定は看護師さんでないといけませんが、結果を見て異常ありませんとか、速やかに病院で精密検査を受けましょうという私の仕事は、医師でなくてもできる仕事です。人工知能(AI)の時代ですから、これからは、こんな仕事はいらなくなるなーと思いました。試しに、自宅のアレクサ(アマゾンのAI)に「血糖が200あったけどどうしたらいい?」と聞いたら「ごめんなさい、今はわかりません」だそうです。iPhoneのAIのSiriに同じ質問をしたら、WEBでこちらが見つかりました:という答えで、糖尿病の相談コーナーなどのサイトを5つほど挙げてきました。完璧ではないですが、Appleの勝ちです!

    では、AI時代に生き残るために我々は何をしたらいいのでしょうか?それは、AIロボットにはできない患者さんの悩みを聞いて共感することだとおもいます。あとは、ガイドラインで判断できない複雑な症例を総合的に判断する仕事でないかと思いました。