むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 糖尿病とガン

    土曜日は週末、月末、年度末が重なった1日でした。当院は4月から医療法人に変わるため、思った以上にいろんな手続きがあります。一番のネックは、厚生局からもらわないといけない医療機関コードです。4月1日(開設)後にしかもらえないばかりか、コードを教えてもらえるのは月末25日なのです。その間、処方箋などに書かないといけない医療機関コードをどうするのかなど、私の考えも及ばなかったところにいろんな準備が必要となります。当院のスタッフがテキパキと調べてくれて、助かっています。

    薬品卸や取引業者すべてが、今までは個人事業主として私が契約していたのですが、これからは法人あるいは法人の理事長との契約に切り替えなくてはいけません。銀行口座も法人の口座に変わりますので、自動引き落としになっている会社全てに連絡をして、口座変更をお願いしています。全部が全部4月中には無理なので、時間をかけて一つ一つするしかありません。

    そんななか、ちょっと息抜きですが、糖尿病の勉強会で福岡に行ってきました。最近の話題は、糖尿病とガンです。糖尿病の患者さんはこれまで心筋梗塞などの心疾患や腎不全で亡くなることが多かったのですが、最近はこれらの疾患に対する予防法が確立したため、かなり減ってきました。そのかわり増えてきたのがガンです。糖尿病があるとガンにかかりやすいみたいです。がん細胞は解糖系というブドウ糖を利用してエネルギーにする系しかなく(もう一つのエネルギー産生系であるクエン酸サイクルが無い)、ブドウ糖が大好きなのです。逆に言うと、血糖を抑えることでがん細胞は育ちにくくなると考えられます。ここでも炭水化物制限が重要なカギとなります。

  • 抑肝散の季節

    今年は桜が綺麗に咲きませんね。いつまでたっても満開にならず、おちおちしていると葉っぱが芽吹いてきて葉桜になったところもあちこちで見受けられます。温暖化が進むと九州南部では桜は咲かなくなると言われていますから、そういう現象がすでに始まってきているのではないでしょうか。健軍自衛隊前には桜通りがあり、車道と歩道が桜並木で区切られています。先日歩いてみたら、なんと、その中間付近は桜が伐採されて、味気ないコンクリートの歩道とかバス停とかになっていて驚きました。なんてことするんだという感じです。今までのままでよかったのに、単に工事したくてしたのではないかと勘ぐってしまいます。

    春は肝の気が高ぶり、イライラしやすい季節です。こういうときは抑肝散という漢方が役に立ちます。抑肝散は高齢者のいらいらや認知症、怒りっぽくなった、などによく使われる漢方ですが、高齢者用と限った薬ではありません。江戸時代頃は子供の夜泣きの薬でした。生理前にイライラしたりする場合にもとても良く効きます。夜に気が高ぶって眠れないときにはそれを静めてくれるので睡眠が改善します。

    もう一つ抑肝散をよく使うのはストレス障害です。職場などでストレスを受けたときに、ワーと言い返す人とじっとがまんしてこらえる人がいますが、抑肝散が効くのは我慢してしまう人です。もちろん、我慢も限界を超えると動悸がしたり吐き気がしたり鬱のようになったりします。抑肝散はこのような場合とても役に立つ漢方です。

  • 年度末はストレスの多い時期です

    年度末もいよいよ末で12月でいうならクリスマスが終わって正月を待つような時期です。ほとんどの会社の転勤などは辞令が済み、受験生は進学が決まったころですね。往診の際にソフトバンクの前を通ったら車でいっぱいでした。進学や就職などで新しい携帯を買う人がたくさんいるのでしょう。引越し業者さんも忙しさのピークです。道は交通量が多く、年末のように渋滞が目立ちます。

    気温も上がったり下がったりするし、3日ごとに雨が降ったりします。偏頭痛や血圧上昇、メンタル面でも不安定になりやすい時期です。自律神経も環境変化についていかずに不調をきたしやすいようです。3月は心筋梗塞が多い時期です。ストレスには十分注意が必要です。無理しないで応援を頼みましょう。自分ひとりでしないといけない・できる、とは思わず、家族やプロの業者さんなどに相談しましょう。体を壊しては元も子もありません。

    待機児童の問題は本当に深刻のようです。子供を預けるには共働きとか、親が健康上の理由で働けないとか、なにか理由が必要のようですが、どうしてそんな理由がいるのでしょう。高齢者を介護するのも家族の負担が大きすぎて共倒れにならないようにデイケアやお泊り(ショートステイ)などいろんなサービスがあります。子供だって、家族の都合に合わせて預かってくれるような社会的な取り組みがないと、お母さんたちの負担は軽減しません。世のお父さんたちは自分は働いているから疲れていると思うかもしれませんが、お母さんはその2倍働いていると思いますよ。

  • 訪問診療にも力を入れています

    認知症や足腰の問題などで通院困難な場合、通常は介護保険が適応になります。介護保険をお持ちの患者さんで通院が困難な場合は、訪問診療の対象となります。当院からは、老人ホームなどの施設だけでなく、個人宅にも訪問診療しています。まだ介護保険を申請していない場合、ご相談いただけると当院で主治医意見書を作成して介護審査をうけることが出来ます。要介護度によっていろいろな介護サービスを受けられますが、訪問診療もご依頼いただければ検討します。当院では通常の外来診察に加えて、訪問診療にも力を入れています。ほぼ毎日昼休み時間を利用して回っています。今のところ東区と南区を対象としています。

    一般的に、訪問診療は2週間に一度定期的に訪問して診察、処方を行います。必要なら薬局との契約で薬も自宅に届けてもらうことが出来ます。訪問診療とは別に、体調不良のため緊急で来てほしいという場合は往診も可能です。ただし、毎日のクリニックでの外来業務やあらかじめ予定している訪問患者さんのスケジュールがありますからいつでも可能というわけではありません。タイミングが悪い場合は日赤などの救急病院に行っていたくことをおすすめする場合もあります。ただ、日頃から訪問診療している患者さんの場合は往診依頼にもできるだけ優先的に対応します。また、入院が必要な際には病態に応じて適切な病院や施設を探すお手伝いをします。

    ガンの末期などで最期は自宅で過ごしたいと希望される場合、訪問診療の他に訪問看護も必要となります。そのようなサービスを入れてきちんと対応しておけば、私の経験上、病院で最後を迎えるより自宅のほうがはるかに穏やかできれいな最期を迎えることができると思います。当院では、このような看取りを含む訪問診療を承っています。

     

  • 謎の病気は栄養失調かも

    やっと熊本地方の桜の開花が宣言されたようです。今年は標準木が変わったらしいのですが、あたりはとっくに咲いているのに開花宣言が遅れたのは標準木変更のせいでしょうか。小中学校は春休みに入り、クリニックの前にある公園では親子連れの花見客が絶えません。楽しそうな声がひびいいてきます。

    この時期は昼暖かくても朝晩はかなり冷え込みます。風邪や胃腸炎の患者さんが結構多い印象です。体調管理には気をつけましょう。転勤や引っ越し、進学などで気が張っている人はあまり風引かないと思いますが、一段落した頃にどっと疲れが出ます。そうならないようにするには、日頃からビタミンCを十分とっておくのが良いと思います。

    最近、とても難しい患者さんが大勢来院されます。日赤などすでに何ケ所もの病院で精密検査を受けたけど異常なしだったと言うものです。データに異常なくても、微熱や倦怠感などいろんな症状で困っておられる方ばかりです。最近私のやっているオーソモレキュラー療法によるデータ深読みをすれば、他院で正常と言われた検査データからもいろんな病態が読み取れます。なかでも多いのがビタミンと蛋白不足です。胃腸が悪くて食が細い人もいれば、忙しくてきちんと食べていない人もいますが、栄養不足から多くの体調不良が説明できます。そういう患者さんには「バランス良く」とか「塩分控えめ」などという通り一辺倒の栄養指導ではなく、事細かにお話しています。