むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • お金は社会の血液

    体内の血液はそこにあるだけではだめで、常に血管内を循環しないと命を保てません。漢方では物質のことを「陰」といい、その物質が持った機能を「陽」と呼びます。したがって、血液そのものは「陰」ですが、それが循環することで「酸素を運搬する」「エネルギーを運搬する」「老廃物を取り除く」などの働きが出てきますから、その機能を「陽」と考えます。そこで、例えばコロナの後遺症できついきついと言っている患者さんがいて、感染後1−2週間ならまだ単なる「陽不足(陽虚)」と考え、2−3ヶ月経過して、体重も痩せてしまったという場合「陰陽(気血)両虚」と考えます。そして、陽虚には補中益気湯、陰陽(気血)両虚には十全大補湯や人参養栄湯を使います。このあたりを使い分けることが倦怠感をいかに治すかのコツとなります。

    倦怠感を訴える人の中には、気(陽)も血(陰)も不足していないケースがあります。それは、ストレスによるものです。学校で嫌なことがあった、上司に怒られた、商談がうまくいかなかった、などなどいろんなケースでどっと疲れることがあります。これは気血の不足ではありません。気のめぐりが悪くなったのが原因と考えます。気滞といいます。気滞は気のめぐりを改善すれば良くなります。半夏厚朴湯などが代表的な処方です。しかし、場合によっては家に帰って美味しいものを食べたとか、愛する人に「がんばったね、ご苦労さま」と言ってもらえただけでも気が晴れて元気になるのは御存知の通り。

    話は変わって、お金は社会の血液といいます。誰かが溜め込んでしまっては社会は死んでしまいます。持っているお金を使ってもらうとお金という物質(陰)は何かを買ったりサービスを受けたりすることのできる機能(陽)を発揮します。私がよく行く中華料理屋さんで、私は月に何千円か使いますが、その店主が当院に来て診察を受けてくれたら、私が店で払った飲食代が診察代として帰ってきます。それはプラマイゼロではなく、循環したことで周りの家族やスタッフにも命の血液がめぐるという不思議。とにかく、お金は生き物、社会の血液です。陰と陽の働きがあることを知りましょう。

  • 私の風邪対策(サプリ編)

    今日も暑い一日でした。昨日体育祭だったという学生さんが来院されましたが、相当暑かったと言ってました。外にいれば熱中症になってもおかしくないです。高齢者の皆さんはエアコンが嫌いな人も多く、とても暑い部屋で過ごされています。水分補給を忘れないようにしましょう。そして、エアコンを適切に使ってください。あと1週間もすると涼しくなると思います。暑いとはいえ、クリニック前の街路樹は落ち葉の季節です。毎朝50mほどある歩道の落ち葉清掃に30分はかかります。最近は充電式のブロワーで吹き飛ばして何箇所かに寄せ集めてからほうきでとっているので、ずいぶん効率的になりました。以前、ブロワーといえばエンジン式のうるさいやつしかなかったですが、電動が出たおかげでずいぶん静かに掃除ができます。

    それでも、朝6時半から7時に掃除をしているのですが、近くの公園ではラジオ体操をしているので、ブロワーがぶんぶんなるとうるさいだろうと思い、体操が終わるまではほうきで掃除しています。通りかかった近所の方や患者さんからは声をかけていただき、朝から気分よく過ごせます。掃除して歩道がきれいになるのは楽しいです。私は仕事終わりにはクリニックの待合の床をモップがけするのを毎日の日課にしています。今日もご苦労さまと言う気分で掃除すると、心もきれいに磨かれる気分がします。

    さて、昨日インフルワクチンの話しを書きましたが、ワクチン以外にインフル対策といえばもちろんビタミンです。ビタミンB50,C2000,E400は基本です。ビタミンDは夏の間光による活性化を受けますが、日照時間が短くなった秋分過ぎは飲む量を増やしていきます。私の場合5000単位を週1回から2−3回に増やします。万一風邪引いたかなと思ったら、セレニウム100mg、オリーブ葉エキスを追加し、ビタミンC、D、Eを通常の倍に増やします。

     

  • インフルワクチン開始しました

    コロナの第7波はほとんど落ち着きましたね。喜ばしいことです。これから気温が寒くなってくると普通の風邪も増えてくると思います。風邪とコロナは区別が付きませんからとりあえず気をつけて、怪しいときは検査を受けておいたほうがいいと思います。先週から保健所への届け出制度が変わり、若い世代(65歳以下)で重症でない場合は個人情報を保健所に届けなくてよくなったので、相当気が楽です。万一かかったときも国から監視されずにすみますから、ほっとします。コロナの最初の頃は、誰とどこであったかとか、県外にいかなかったかとか、個人情報もプライバシーも関係ない勢いでまるで犯罪者みたいに調べられていましたが、やっとそういった個人情報を国が収集しなくなったことは喜ばしいことです。私は、これまでのそういった国のプライバシー侵害的行為に賛成できなかったため、発熱外来をせず、どうしても必要な場合にだけ抗原検査をしてきました。今後は人数報告だけで良くなったので気分良く検査できます。

    さて、コロナの患者さんは減りましたが、後遺症外来をやっていると、咳が2ヶ月も止まらないとか、下痢が止まらないとかいろいろな訴えで来院されます。よくこんなに長い間我慢したなと思いますが実際には普通の風邪でもらうような咳止めをもらったけど、止まらないので諦めて治るのを待っていた、みたいなケースが多いみたいです。たしかに通常の咳止めくらいではうまくいかない例が多いみたいです。私もいろんな治療法を検討しましたが、コロナの咳は漢方で結構治ることが明らかになりました。たまには喘息治療薬を併用しますが、多くの場合なんとかなります。悩んでいないで治療しましょう。

    話は変わって、いよいよ10月です。本日からインフルエンザのワクチンを開始しました。過去2年間インフルエンザはほとんどゼロでした。私達のからだからインフルエンザに対する抗体は殆ど消えてしまっていると思います。例年、ワクチンの予約が1週間位ですべて売り切れていましたが、今年は少し余裕があります。なくなる前にお早めに電話予約をお願いします。

    長年このオレンジの花はコスモスなのかどうなのか疑問でしたが、キバナコスモスというそうです。メキシコ原産だそうです。

  • 10月より一部の後期高齢者は2割負担となります

    夜に地震があったと聞きましたが、熟睡していたので全然気づきませんでした。宮崎のほうが震源だったそうで、熊本は震度3でした。被害はなかったみたいですが、皆様のところはいかがでしょうか?

    このところクリニックの患者さんが急増してとても忙しくしていました。週末、疲れもピークに達していたところ、訪問診療している高齢者の容態が悪くなりました。100歳近くでもうこれ以上高度医療は望まないとの家族の同意があったため、静かな看取りとなりました。ちょうど遠方からお子さんが会いに来た直後に息を引き取られました。数日前から意識はなかったのに、バッチリタイミングを図ったようです。医学的には意識はなくても魂レベルでは全てわかっているのかもしれません。素晴らしい最期でした。老人ホームや在宅での最期は静かで荘厳な雰囲気があります。苦しまないように最小限の点滴と在宅酸素は病院でなくてもできます。

    この週末は、月初でもありレセプトのチェックで大忙しです。一日中家にこもって1500枚以上ある書類と格闘しています。コピー用紙ひと束500枚ですからあれが3つ半くらいの書類の山です。それだけやっていては眠くなるので、Netflixでドラマを見ながらの作業です。ただ、一日中デスクワークをしていてはリフレッシュできず明日からの新しい週の仕事にさしつかえると思い、恒例のジムに行ってランニングしました。付属の温泉で汗を流してからだも頭もスッキリしました。

    ところで、10月から一部の後期高齢者の自己負担額が2割となりました。今までより病院窓口での支払いが増えてしまいます。ただでさえガソリン、電気、食料など値上げラッシュで、後期高齢者の方は年金が物価の上がったぶん増えるならまだしも、負担だけ増えて大変だと思います。私が言える対策は唯一つ。健康に気をつけて、甘いものやお酒、タバコを取りすぎないこと。運動することです。血圧や血糖が上がらなければ病院や薬局での負担は軽くなります。

  • 子供の不調を治す

    10月に入りましたが、昼は30Cを超えてまだまだ暑いです。外で仕事やスポーツをするとまだ熱中症の危険があります。水分補給するときは塩分とマグネシウムを取りましょう。汗でミネラルを失うと血圧が下がって立ちくらみがしたり、筋肉がつったように痙攣したりします。ちょうど今日の日経新聞の週末折込の別冊にマグネシウムの特集がありました。よくまとまっていました。

    立ちくらみで思い出しましたが、当院は小児科はないのにやたら小中学生のめまい立ちくらみ、朝起きれないという患者さんが来られます。今日だけでも4−5人来ました。みなさん共通して朝の血圧は低め。そして夜寝付きが悪かったりして夜ふかし気味で朝の目覚めが悪い。多くの場合、起立性調節障害という診断になります。漢方が飲めるなら苓桂朮甘湯と補中益気湯を飲んでもらいます。血圧があまりに低いときは起床時に血圧をあげるメトリジンを併用することもあります。漢方が飲めれば、割と皆さん元気になって学校に行けるようになります。

    他の疾患ですが、毎日のように頭痛がひどくて学校に行けないという慢性頭痛。中高生の女子が多いですが、こういう頭痛体質は当帰芍薬散を使うと良くなることが多いです。鎮痛剤乱用頭痛になっている場合は抑肝散を併用します。朝からお腹が痛くて下痢などで学校に行けないというお子さんは過敏性腸のことが多いです。桂枝加芍薬湯や小建中湯をベースに治療します。そして、このような学校に行けていない生徒さんたちにはストレスや発達の問題が背景にあることが多いので、エビリファイという子供さんに使える安定剤をほんのちょっと入れることで多くの場合症状が緩和します。