むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 香りを飛ばさず調理する方法

    シャープのヘルシオ・ホットクックという自動調理鍋がすごいという話は以前書きました。読んでいない人のために簡単に書くと、材料を入れてスイッチを押すと自動調理してくれるので、あとはほったらかしでいいのです。例えば、カレーを作るとき、普通なら玉ねぎを炒めて・・・と手順を踏むのですが、ホットクックでは鍋に肉、じゃがいも、玉ねぎ、カレールーなど全部入れて水を少々入れてスイッチを入れるだけ。自動調理できるメニューは内蔵メモリ−にたくさんあるけど、ないものは携帯アプリからダウンロードして鍋に追加できます。それで、全部の材料を入れてほったらかしでどんなカレーができるかというと、むちゃくちゃ美味しい。肉じゃがでもふろふき大根でもなんでもできます。

    しかし夏になり、そういった熱々のものをあまり食べなかったので、最近出番がないな−と思っていました。するとヘルシオを使いこなしている妻が、味噌汁でもゆで卵でも自分で作るより美味しくできるというので、試してみました。味噌汁なんて、さっと作れるのでわざわざ自動調理する必要ないと思っていましたが、間違いでした!出来上がりの旨さが全然違います。どうしてこんなに味が違うのか、ひとくち食べてすぐわかりました。ホットクックは無水調理ができる密閉なべで、湯気さえもあまり出ません。そこで、味噌汁のだし(カツオなど)の香りがまったく空中に飛ばずに味噌汁に残っているのです。料亭で大量の鰹節を惜しげもなく投入したようなだしの効いた味噌汁が削り節パックを半分くらい入れただけで味わえます。

    こういう香り成分は揮発性が高く、アロマのように空中にとんでしまい、抜けるのがはやいのです。漢方薬(煎じ薬)も蓋を開けて煮詰めると桂皮(シナモン)などは香りが飛んでしまいます。私が以前働いていた桜十字病院では煎じ薬も処方していたのですが、患者さんが自宅で鍋で煎じると香りが飛んでしまうので、病院の中で中国から輸入した漢方薬を煎じる専用の圧力鍋をつかって代行で煎じていました。これを使うと、シナモンなどの香りも飛ばずにとても香り豊かな漢方薬ができていました。ヘルシオと同じ理屈です。 

    神戸南京町