むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 縄文時代の話

    日曜も天気に恵まれ暖かかったですね。私は残念ながらクリニックのワックス清掃が入ったため、立ち会いで院内に缶詰となり、どこにもいけませんでした。毎週日曜にはWEB講演会に参加しているので、家にいてもその講演を聞くのですが、今日はクリニックの部屋から参加しました。1万年ぐらい前から3000年ぐらい前の7000年ほどに渡る縄文時代の日本の森林の移り変わりと縄文人の生活の変化について学びました。縄文時代は稲作前で狩猟をしていたように習いましたが、実際は木の実をたくさん食べていたようです。特に栗は重宝していたそうです。狩猟は、漫画に出てくるようなマンモスと戦うようなものではなく、うさぎなどの小動物や川を登ってくる鮭をとっていたとのこと。縄文の7000年ぐらいの間の位に氷河期の名残みたいに寒かった時代と今より遥かに温暖化した時代があったそうです。もちろん縄文時代にCO2排出は関係ないので、自然の移り変わりとしてそのように暑かった時代もあれば寒かった時代もあったということです。

    そして、温暖化した時代は海水面もかなり上昇しており、大阪湾や東京湾に面した海抜の低いところは海だったそうです。それなりに国土面積は狭くなっていたようですが、温かいおかげで縄文人の人口は温暖化した時代には爆発的に増加したとのこと。やはり食料がたくさんとれたのでしょう。

    当時縄文人が食べていた自然の野菜や果物と現代の農業で作られる作物では栄養価が10倍くらいちがうそうです。連作により土地が痩せてミネラル不足になっているのです。農薬も土地の微生物を減らすので栄養価が下がる原因となっています。最近スーパーで買うほうれん草などはアク抜きがいらないくらい味が薄いです。アクもないけど栄養もなしです。一方、家庭菜園がとても上手な患者さんにいただく無農薬野菜は味が濃くてとても美味しいです。店で買う野菜とはぜんぜん違うんです。少しでも本物に近い野菜がほしければ、有機生活(佐土原)にある有機野菜を食べてみてください。

  • 骨伝導ヘッドフォンを買ってみました

    土曜日の午後は、東洋医学会でした。例年ですと九州大学の会場まで足を運ぶのですが、いまはWEBでも参加できるハイブリッド開催なので自宅から参加できます。行く手間や時間、交通費や宿泊費などを考えるとものすごく便利です。その分、お金を使わないから経済が回らないというのはありますが、コロナのおかげで、世の中の出張の大半は無駄だったということがわかってしまいました。WEB会議の発展の恩恵が大きかったです。今回の学会は、本来なら私も主催者(世話人)側だったのですが、福岡のメンバーが頑張ってくれたおかげで、単なる参加者として聴講させていただきました。ありがたいです。

    最近、徒歩通勤の際にYouTubeを聞きながら歩いているという話は書きましたが、今まで遮音性のたかいイヤホンやノイズキャンセリングイヤホンを使っていました。これらは外を歩いていてうるさい車の音も気にならないすぐれものなのですが、後ろから車が来たときに危ないかも、とおもい、骨伝導ヘッドホンというのを買ってみました。GEOに格安で売ってあるというのをネットで見たので買ってきたのですが、これは面白いです。耳にヘッドホンを当てるのではなく、耳の前の骨にヘッドホンを当てると頭蓋骨の振動を通して音が聞こえてきます。耳をふさがないので耳からの音は別で聞こえます。耳(鼓膜)を通さないので、もしかしたら年をとって難聴気味の人もこのヘッドホンはよく聞こえるのではないかと思います。https://product.geo-online.co.jp/product/headphone/boneconductionheadphone/

    さて、この週末はハロウィンみたいですが、アメリカでもたんなる馬鹿げたおばけまつりみたいなものです。みんなが皆祝ったり楽しんだりするものではありません。ただ、私が留学中に見たのは、季節がら秋祭り・収穫祭といった別のパーティー(変な仮装をしないもの)をやっている人たちもいました。アメリカは、これが終わると感謝祭、クリスマスと一気にホリデーシーズン入りで慌ただしくなります。

  • 転職する人・しない人

    今日も朝から夕方までずっと診察室で座って過ごしたので、運動不足だな、と思ってふと考えたら、徒歩通勤で往復7キロ、腕時計を見たら1万2千歩歩いていました。全然運動した気がしないのは、通勤途中YouTubeを聞いているので歩いた記憶が殆どないのです。通勤途中の道では、銀行が閉鎖されて解体されていたり、コンビニが潰れて更地になったりで街の衰退が目立ちます。人口減少がどんどん進んでいるのだろうと思います。これからしばらくの人口減少は凄まじいもので、やがて戦前のレベルになる予測が出ています。https://www.soumu.go.jp/main_content/000273900.pdf

    コロナで多くの仕事が縮小されています。観光業など、今急にコロナも落ち着いたからみんな旅行しようと言っても、ホテルやレストランなどの従業員は解雇されて人手不足が著しく、昔のように稼働できません。タクシーを呼んでもいつまでたっても来ません。みんなどこに行ってしまったのでしょう。心療内科の患者さんを見ていると、極端な2つの職種があります。一つは学校の先生。ストレスが多く、鬱になる人がものすごく多い。しかも、公務員でクビにならないので年単位で休みを取ることができます。それにあわせて限度いっぱい体調も改善しません。不思議なものです。

    対象的なのが介護業界の人。介護士さんたちはどの施設も人手不足でものすごい争奪戦です。職場でちょっと嫌なことがあったらすぐに辞めてしまいますが、次の月には新しい職場で元気に働いています。この極端な2つの業界の間にある普通の会社員は転職しようかどうしようかと何ヶ月も悩まれます。問題なのは、自分の意志ではなく、家族の反対だとか、職場の上司に止められたから、とか世間体などを気にして嫌な職場に我慢してとどまること。大切な人生の一日一日を無駄にしないように、自分の気持ちを優先すべきだと思います。

  • オンライン診療の準備も大詰め

    最近はインフルエンザワクチンの患者さんも来院されるため連日100名超える混雑となっています。できるだけ無駄を省き、効率的に診察しているので、待ち時間はそれほど長くはなっていないと思いますが、お忙しい中お待ちいただいているようなら、どうもすいません。なかには新患で何年にも及ぶ症状と、いろんな病院での検査データを持ってこられたり、阿蘇や天草からはるばる来院される方もおられることから、一律に3分診療というわけにもいかず、時間がかかる場合があります。心療内科の患者さんで、人混みが苦手という方が、薬を取りに来たけど待合に入れなかった、という話を聞きました。薬なしではますます不安や緊張が悪化するので、そのような場合は車からお電話ください。感染用の別待合が空いているときはそちらも使えますので、なんとか薬を切らさず過ごしていただくように配慮します。

    数ヶ月前から準備していたオンライン診療ですが、ZOOMを使ったアプリを導入しました。今日の夜に業者さんを模擬患者にオンライン診療の流れをチェックし、予行練習をしました。あとは、細かい点を詰めていけば、来月くらいには稼働できそうです。当面は、予約サイトをオープンにはしません。実際の診察で、県外などの方で毎回来院するのが大変とか、家庭で市販のコロナキットで陽性になったけど、来院できないとか、なにか特別な場合にのみ臨時に予約枠を作成して個別にお知らせします。患者さん側で必要なのはスマホにZOOMをインストールしていただくことです。あとは、当院が利用するオンライン診療用のアプリを入れて貰う必要がありますが、その案内は必要時にお渡しします。

    オンライン診療はクレジットカード決済です。ご利用の際にはまずカード情報の登録が必要となります。また、利用する薬局を決める必要があります。近所の薬局を指定していただくか、当院横の凌雲堂を使うか予め考えておいてください。また、薬局では薬代のほかに送料がかかります。合計すると、実際に来院して診察を受けるよりオンライン診療のほうが高くなります。その点はご了承ください。

  • GLP-1作動薬という糖尿治療薬が著効した話

    糖尿病の治療はこの数年で格段に進んでいます。新しい薬剤が出てくることでこれまで難治症例ではインスリン注射しかなかったのですが、最近はかなりのところまで内服治療で治せるようになってきました。当院かかりつけの患者さんで、どんどん数値が悪化してきてもうインスリンを導入しようかと思っていた人がいたのですが、ちょうどその頃長期投与ができるようになったGLP-1作動薬の内服薬があったので、それを処方してみました。それまで、GLP-1作動薬はインスリンのように自己注射するしかなかったのですが、薬剤の特殊な剤形デザインに成功し、内服薬が出てきたのです。

    使い始めてしばらくはまあまあいいかな?と悪くはないけど期待したほどでもない印象でしたが、ずっと使っていて、今日再来されて検査したところびっくりです。ものすごく良くなっていました。おかげで、糖尿の治療薬をいろいろ組み合わせて多剤併用していたのが、GLP-1作動薬だけでよくなりました。何か食事療法を頑張ったりしましたか?と訪ねたところ、特には何もしていないけど、食欲が抑えられてあまり食べなくなった、と言われました。

    そうなんです。このGLP-1作動薬は膵臓のインスリン分泌を促進して血糖を下げるのですが、それだけでなく食欲をなくす働きがあるのです。おかげで、薬は減らせたし、インスリンはしなくてよくなったし、体は痩せて軽くなったし、いい事ずくめでした。新薬はどう効くか文献ではわかっていても、目の前の患者さんでこのように著効すると感動します。