むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 秋冬は乾燥の季節

    週末、いかが過ごされましたか?日曜は雨が降りそうであまり行楽日和ではなかったですが、こういうときこそ混雑しないから私はドライブなどをすることが多いです。しかし、このところコロナが落ち着き、観光もいっきに動き始めたようで、交通機関は混雑しているし、レストランもどこに行ってもお客さんが多くて待ち時間が長くなっています。やっと経済が回り始めたという意味では悪いことではないのですが、混雑するのはあまり嬉しいことではありませんね。というわけで、この週末私は遠出はせずに、いつものようにジムで5キロランニングし、その後温泉でゆっくり汗を流してきました。私にとっての週末のルーチンです。これなしでは1週間の疲れが抜けないので、次の週の仕事に影響すると思います。

    先程から外は雨が降り出しました。カラカラに乾燥した空気に潤いがもどって、なんとなくホッとする雨です。秋冬は空気が乾燥しますが、乾燥肌の体質の人はこの季節肌もカサカサになって痒くなったりします。外から保湿クリームなどを塗るのもいいですが、漢方では体の内側から潤す治療法を取ります。水分量が減ることを漢方では陰虚といいます。陰というのが水分のことで、陰が虚しているということです。漢方ではこの陰を血と水に分けます。だいたいイメージできると思いますが、赤い体液が血で透明な体液が水です。そこで、陰虚といっても血を補って治療する場合と水を補って治療する場合があります。

    血を補う(補血)の代表処方は四物湯です。これを基本骨格として派生した十全大補湯のほうがよく使われます。体のかゆみには当帰飲子が代表処方ですが、わたしは先の四物湯に体表の熱を取る黄連解毒湯をあわせた温清飲をよくつかいます。一方、水を補う補陰の処方としては麦門冬湯や滋陰降火湯などが使われます。これらの処方はコロナ後遺症などで咳が長引いたときにも気道を潤して咳を止める効果を発揮します。

    ホテルの日本庭園