むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 濃厚接触扱いで来院できないとき

    土曜日は連休の中日で相当の患者さんでした。一度受付して出直された方もおられたようで、お待たせしてすいませんでした。最近は、コロナの濃厚接触者扱いで薬が切れるけど来院できないと言うお問い合わせが何件もあります。このような場合は、仕方ありませんから、電話再診で対応致します。診察料も次回来院時にまとめてお支払いいただければ結構です。薬は誰か代わりに取りに来られるか、郵送でのお受け取りになります。郵送だと数日かかるかもしれませんから、薬が切れる数日前にはご連絡頂きたいと思います。薬代はクリニックとは別ですので、薬局の方にご相談ください。

    ところで、皆さん喜んで働いていますか。心療内科で一番多い相談は、職場でストレス(嫌なこと)があって、頭痛、動悸、発汗、不眠、腹痛、下痢など体に異変をきたした、と言うものです。人によってはもう仕事にいきたくない、いけない、と言われます。たいていは、心無い言葉を掛ける上司や同僚がいて、人間関係に悩んでいると言うものです。私たちが働くと言うことは、給料をもらうためでしょうか。もちろんそれはそうでしょうが、もっと他にもあると思います。それは、仕事を通して人の役に立ち、感謝してもらえる事です。これこそが仕事のやりがいとなり、モチベーションとなります。

    嫌な上司がいても、その人は変えようがありません。変えられるのは自分だけです。上司は売上第一で言ってくるかもしれませんが、会社の経営理念を読んでみましょう。きっと会社の技術や商品を通してお客様に貢献する、みたいなことが書いてあると思います。経営理念は社長の気持ちです。上司がなんと言おうと、経営理念に従って一生懸命働けば、お客さんから感謝され、結果的に売り上げにも貢献できるはずです。喜んで働くこと。簡単ではないかもしれませんが、心に決めてやってみましょう。

  • 目は心の窓

    祝日の金曜でした。人によっては3連休という場合もあるかと思いますが、私は仕事でした。クリニックはお休みでしたが、訪問診療が通常通りだったため、朝7時には仕事にでてカルテの準備をしました。それでも、せっかくの休日なので、朝からクリニック近くのマクドナルドでドライブスルーして朝マックを買ってきました。クリニックで食べる朝マック。いつもと違う雰囲気で、ちょっとしたウキウキ感があります。同じ仕事をするにしても、メリハリつけて楽しくやりたいものです。カルテの準備ができたら一旦帰宅し、洗濯などをしましたが、いつも訪問する昼ごはん後の時間帯になったら老人ホームへ行き、15名の診察。終わったら今度はクリニックに帰ってカルテの記載。処方箋の発行など。結局夕方まで仕事でした。さて、阿蘇の温泉に行くか、とも思ったのですが、気分を変えて熊本空港近くのエミナースの温泉に行ってみました。結構賑わっていました。クリニックからたった10分なので、また利用したいと思います。

    話は変わって、笑顔について書きたいと思います。むかし、詐欺師などの顔を見て顔は笑っているように見えても目が笑っていない、などという表現がありました。口角を上げてニッコリするのは意識的に作れますが、目が笑っていないと怖い。しかし、コロナ禍で全員マスクをして会話する世になったため、口元を笑って表情を作っても目が笑っていないと相手に伝わりません。これからの時代、目でしっかり笑っている表現のできる人がスゴイとおもいます。そういう私たち医療関係は医師も看護師も患者さんに常に笑顔で接したいとおもうのですが、マスクをしたまま目だけで「お大事に」と表現するのは練習が必要だと思います。鏡を見て、きちんとできているか、確かめたいものです。

    目は心の窓とも言います。やはり、マスクをして目だけで笑顔を作るには、ニセモノの笑顔では難しい気がします。心から、ありがとう、お元気で、大変でしたね、お大事に、と本当に思っていると自然といい表現ができると思います。心を込めず目だけ作り笑顔をして見せてもすぐバレると思います。不思議と目にはそれだけ以心伝心するパワーが有るのだろうと思います。

  • コロナ後遺症は漢方の出番です

    訪問診療中に車のTVを見ていたらワイドショーをやっていたのですが、ずーと関東地方の雪の話ばかりでした。行き帰り30分以上見たと思うのですが、得られた情報は関東地方で今晩雪が降りそうだ、ということだけ。九州に住む私たちにとっては1円の価値もない情報です。こんな放送をしていていいのでしょうか?まあ、民放にお金を払っているのはスポンサー企業なので関係ないですが、よくもまあ退屈な番組を作るもんだと呆れてしまいます。時は金なりです。1分1分がまたとない貴重な時間です。過ぎ去った時間は帰ってきません。貴重な時間を有効活用するためには、ゆっくりしたければ寝ればいいし、稼ぎたければ頑張って働けばいい。住んでもいない地方の雪の話を延々聞かされているのは命の時間の無駄遣いです。

    今日も帰宅後は3つの講演会を同時視聴しました。一つは双極性障害の話、もう一つは過活動膀胱の話、そしてもう一つは漢方の勉強会でした。3つ同時に勉強することで、人の3倍勉強して、濃厚な時間を過ごしています。過活動膀胱で思い出しましたが、最近受診された男性で、夜間トイレに4−5回起きるという方がおられました。冬の寒い時期は特に頻尿が悪化して寝る暇がない。これまで他院で過活動膀胱の治療薬や前立腺肥大の薬をもらったけど一向に改善しない、とのことでした。そこで、最近私がよく使う男性用の頻尿治療薬「デスモプレシン」という薬を処方したところ、2週間後の診察で一晩に1ー2回まで頻尿が改善しました。とてもよく効く薬なのですが、電解質異常や心不全を悪化させる可能性があると注意事項に書いてあるので泌尿器科の先生は躊躇してあまり使われないようです。私は循環器が専門なのでもし心不全や電解質異常が来ても対処できるため、まずはあまり怖がらず頻尿治療をしてあげようと言うスタンスでやっています。

    当院では、漢方外来の一環としてコロナ後遺症外来に力を入れようと思い、取り組んでいます。倦怠感、咳、微熱、味覚や嗅覚障害などが遷延するケースが多いですが、西洋医学では対処が難しいので漢方の出番です。コロナだから仕方ないと諦めずにご相談ください。皆さんの健康を取り戻すため、ベストを尽くします。

  • 新しい認知機能検査法

    今日は診療後、3つのWEB講演会に参加しました。どれも外しがたい重要な会で、ずっと楽しみにしていました。幸い、若干の時間差があったので、6時半から最初の講演会が始まり、7時、7時半と順にスタートし、最後が終わったのが夜9時でした。充実した勉強ができました。なかでも興味深かったのが、アイトラッキング(視線の計測)を行うことで認知症を早期に診断するシステムの開発という話。パソコンの画面上に脳トレみたいな画面が出てきます。被験者(検査を受ける人)はその画面を見ているだけ。約3分で検査は終了します。AI(人工知能)により、視線の動きのパタンを解析することで認知症が始まっているかどうかをスコア化できるというものです。

    通常、我々が認知症の検査(長谷川式)をするときは、人手がかかります。目の前にペンや時計などを置いて覚えてもらい、それらを片付けてしばらくして何があったかを思い出してもらうとか、野菜の名前を10個言ってもらうとか、難しい事ではないのですが、耳が遠いお年寄りに質問をしっかり伝えながら正しく検査するには相当パワーを要します。これが、パソコンを3分眺めてもらうだけで検査ができるならすごいことです。元々はこの技術は発達障害の子供の診断をするため開発されたそうで、小さいお子さんでもちゃんと検査できる機械です。その画面に出す映像を認知症検査用に新しく開発したというのがミソです。

    この検査は計算に使うデータ量も長谷川式に比べると膨大なので、とても鋭敏です。すると、もしかしたら治療効果の判定も鋭敏にできるかもしれません。この機械で認知機能がスコア化できるようなら、脳に良いとされる漢方やサプリなどを総動員して認知機能が改善したかどうかも見ることができそうで、とても夢のある検査法だとワクワクしました。

  • 訪問診療の師匠

    毎日、昼休み時間に訪問診療をしています。今日もいつものように契約している老人ホームに訪問したのですが、ばったりわかばクリニックの訪問診療の先生とお会いしました。実は、私が開業するときに訪問診療に力を入れようと考え、前職を退職してしばらくわかばクリニックにお願いして訪問診療に同行させていただきました。わかばクリニックは熊本市内でも有数の訪問診療に力を入れているクリニックで、院長先生とは面識があったので、無理言って訪問の仕方から保険点数の仕組み、患者さんとの契約の方法まで全てを丁寧に教えていただきました。訪問担当の医療事務さんや事務長さんなどにも手取り足取り教えていただいたおかげで今の当院があります。本当に恩人です。開業して5年以上経ちますが、現場でバッタリお会いしたのは初めてでした。開業当時を思い出し、新鮮な気持ちが蘇ってきました。

    鴨頭さんのYouTubeで言っていたのですが、自分ができないことを相談するときはその方面でぶっちぎりに活躍している人に聞くべし、というのがあります。私もたまたま訪問診療のノウハウを習うならわかばクリニックしかないと思って相談したので、正解でした。その道でぶっちぎりの業績を上げている人は、「できる」方法を知っています。逆に、あまり業績を上げていない人に相談すると、「できないこと」ばかりを教えてくれて、解決方法はその人も知らないことが多い。大きなことを始めるには、「できるという思い込み」がないと踏み出せません。そのとき、ぶっちぎりの業績を上げている人に相談したら、なんだか自分にもできそうな気がしてくるわけです。

    ところで、保健所主催で毎年慢性腎臓病(CKD)の勉強会が開催されます。透析導入になる患者さんを減らして医療費を削減したいという行政の思惑からです。例年、仕事が終わって猛ダッシュで保健所に行かないとその講演会に間に合わなかったのですが、今年はコロナのおかげでオンライン(しかもオンディマンド)講習になりました。ダラダラ話す先生の超長い講演を1.5倍速で聴講したらあっという間に終了しました。ありがたい!