むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 頭痛を漢方で治す

    日曜朝、久しぶりにテレビをつけました。「ゲンキの時間」で心不全をテーマにやっていました。私が日頃よく相談されるのが「前胸部がズキズキ痛む」というもの。ちょうど今日のテレビでもやっていました。「それは心臓病の可能性は低いです、おそらく神経痛です」と言っていました。私も同じことを1日に何度か説明します。念のために心電図やレントゲンを撮ることはありますが、「ズキズキ」という表現や「刺すように痛い」と言われれば、神経痛に特徴的な痛み方です。そのほか、テレビでは言ってませんでしたが、深呼吸をしたり、体を捻ったり、咳をしたときに胸が痛む、と言われれば、肺(特に胸膜)の炎症か、肋骨のヒビなどを疑います。肋骨の場合は丹念に肋骨に沿って圧迫刺激をすればピンポイントに痛む所があるのでわかります。このように、胸の痛みでも心臓とは限らないし、痛み方を問診しただけでだいたいの見当がつきます。

    昨日は、痛みと漢方というシンポジウムがあり、参加しました。福岡でペインクリニックをされている平田先生が主催の勉強会です。どこに行っても治らないという痛みを漢方で治されるすごい先生です。私は、痛みに漢方治療もしますが、サインバルタという痛みに効く抗うつ剤やトラムセットという麻薬に近い鎮痛剤も処方しながら和洋折衷で治療することが多いのですが、漢方も頑張ればすごい効果を発揮します。私の診察机にはこの平田先生の痛みを漢方で治す方法を書かれた本を置いています。いわば私の座右の書です。

    今回のシンポジウムは頭痛の漢方治療がテーマでした。当院にも頭痛を漢方で治してほしいと言って来院される方がとても多いので、今回の勉強会はすごく勉強になりました。発表された演題は、実際私が行っている治療とほとんど同じなのですが、少し違うところがありました。その少しが私にとっては大収穫です。明日からの診療でその知識を使って実践していきます。さらにステップアップした効果が期待できます。

  • みんな大変です

    聞くところによると、小中学校は学級閉鎖が相次ぎ、お子さんがいる家庭では仕事に出られないという問題が出ています。濃厚接触者でもないのに仕事に行けない。職場では少ない人数でぎりぎりのやりくりをしているところも多いみたいです。お店や会社ならまだしも、介護施設などでは入居者さんたちはいつも通り生活しているので、マンパワーが落ちると大変です。食事の介助、入浴介助、おむつ交換など人手のかかることだらけです。忙しすぎて手指消毒を怠ったりすると感染拡大のリスクとなります。気が抜けません。

    介護施設を訪問すると、介護士さんたちがフェイスガード(透明のプラスチックをお面のようにかぶる)をしているのを見かけますが、あれは無意味です。唾液など飛沫感染ならある程度防げますが、オミクロンは空気感染です。空気感染ということはタバコの煙のように部屋に誰か一人いるだけで、アクリル板やフェイスガードなど関係なく漂ってきて鼻から入ります。メガネはしないよりした方がいいと思いますが効果を期待してはいけません。

    フェイスガードをつけて介護するというのはロボットが介護しているようで距離感を感じます。医療や介護は人と人の関わりなのでその間に変なアクリル板など入ってほしくないのが本音です。科学的に意味のある感染対策だけを取りたいと思います。

  • ダイエットで免疫を落とさないように

    一月の診療で多いのは、やはり正月に太ったとか、食べすぎたのでコレステロールが上がったとか、糖尿が悪化したなどなど不摂生の結果が数値に出ています。正月もあけて、通常の食生活に戻せば次第に痩せてくるし、血糖も落ち着くと思われるのですが、一旦太ってしまったらなかなか痩せられないというのが現実にあります。すると、今ダイエット中です、という人も多く見かけます。

    私も、これまで何度となくダイエットしましたが、頑張れば痩せられるのですが、痩せると冷え性が悪化します。そして、栄養バランスが悪くなった結果、免疫が落ちます。私が今懸念しているのは、コロナがこれだけ蔓延している現在、あまり免疫を落とすようなダイエットはするタイミングではないのではないかということです。それでもダイエットするのなら、食事をあまり制限せずバランスよく食べながら、毎日1万歩以上歩いてカロリーを少しずつ燃やすという方法です。

    脂肪は1グラムあたり9キロカロリーなので、理論的には1キロの脂肪を燃やすのに9千キロカロリーの運動が必要となります。現実には体重1キロ落とすのに7千キロカロリーくらいだと言われています。今日私が1万2千歩歩きましたが、スマートウォッチで見るカロリー消費はたったの284キロカロリーです。この調子で毎日徒歩通勤して1キロの脂肪を落とすには7000割る284=25日かかる計算です。運動で痩せるのがいかに大変かということですが、このくらいのペースなら免疫を落とさないと思います。

  • すき間時間にお勉強

    このところ、コロナの影響もあり皆さん家にこもっているのだろうと思います。当院の外来もいつもに比べて少なめです。新患の患者さんは割と多いので、時間をかけてじっくり治療方針を考えています。一方、血圧などの再診はできるだけ簡単に時間をかけずに処方しています。今のところ、待合室が密にならないでうまく回っていると思います。そう言った状況で、診察と診察の間に5分10分と空き時間ができるので、ここぞとばかりに漢方の勉強に精を出しています。三月に講演をたのまれているので、その資料を作らないといけないのですが、日頃皆さんが臨床応用編ばかり勉強して、基礎がおろそかになっているであろうと思い、今回はそのギャップを埋めるためにできるだけわかりやすく基礎理論の話をしたいと思います。印象に残り、なるほどそういうことだったのかと後に役立つよう工夫しながら準備しています。そのために買っただけでまだ読んでいなかった名著などにも目を通してアイディアを練っています。

    このように、人に教えるために自分が勉強してさらにステップアップするのは一石二鳥です。講演を引き受けるのは準備が大変だ、嫌だ、話すネタもないし、と思うのですが、頼まれたからにはクオリティーを高く納得いく内容にしたいと思います。そのために本をたくさん読んで、しっかり記憶し、あたかも前から知っていたかのように話す。いいことづくめです。

    先日、楽しい日常を求めるなら、フットワーク軽く自分のコンフォートゾーンから飛び出そう、という話を書きました。講演でも、役職でも頼まれればストレスだし、自分の大切な時間を割かないといけないので躊躇しますが、お願いしますと言われたら、「はい!」と元気よく答えて前向きに取り組む。これがあなたを成功と導きます。

  • 知って行わざるは知らぬと同じ

    「知って行わざるは知らぬと同じ」とは、養生訓を書いた貝原益軒の言葉です。私たちの周りには情報が溢れているので、どれが役に立つ金の情報か、どれが役に立たないゴミ情報かという区別が難しくなっています。その結果、せっかく情報は聞いたことがあっても、その情報を活かさず、後で後悔することもあると思います。

    そんな情報過多のなか、私のブログは健康に役立つエッセンスを厳選して書いているつもりです。せっかく読んでも、実践しないのは読まなかったのと同じ。あとで後悔しても仕方ありません。例えば今、コロナは猛威をふるい、熊本でも新規感染者が1000人を超えたそうです。そんな中、私は何度もビタミンDを取るよう書きました。できたらビタミンC,セレニウム、亜鉛も取るように書いています。まだ飲んでいない人、まだ間に合うと思います。今日からでもとりましょう。

    そして、今日は大切なことを書いておきます。もし家族に感染者が出た時に、同居者は濃厚接触者扱いになります。その際、うつりはしないかと気を揉みながら家で過ごすのは何もしないのと同じ。実は、とある大学病院でクラスターが発生した際に病棟スタッフに麻黄湯を飲ませたそうです。飲んだ人は拒否して飲まなかった人と比べて、感染率が7−8割減だったとの驚きのデータがあります。そこで私の提案です。もし家庭内に感染者が出たら、濃厚接触者はすぐに葛根湯、麻黄湯、桂枝湯、麻黄附子細辛湯のどれでもいいので開始すること。そしてビタミンDを毎日5000から1万単位飲むこと。約1週間で隔離解除となりますから、その1週間を漢方とビタミンDで乗り切ってください。先日書いたImmune4を買った人は通常一日1錠ですが、濃厚接触者となった際には一日3回(一錠ずつ)1週間飲んでください。かなりの確率で感染を免れられると思います。