むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 年度かわりの思い出

    3月もいよいよ最終日です。年度替りで退職する人、就職する人、進学する人など人生の節目を迎えていることとおもいます。当院のような個人病院ではそれほど入れ替わりはありませんが、大学その他大きな病院ではドクターの異動も頻繁なので、主治医交代などもよくある光景です。私も独立するまではいろんな病院で働いたので3月最後の日、送別の花束をもらい、4月1日には入職の挨拶やらオリエンテーションやらで慌ただしかったのを思い出します。

    ドクターの異動が県外等の場合、3月末にはすでに有給で休んでいることもあり、病院の体制が通常より手薄になっている事がよくあります。また、4月に入ってすぐも、人数は揃っていても新しい職場に不慣れなためにうまく実力を発揮できないことがあります。例えば私のような循環器内科医だと、心臓カテーテル検査などに入りますが、何がどこにあるのかわからないし、手伝ってくれる看護師さんの名前もわからない、レントゲンの機械も慣れないため思ったように動かせない。そこで、相当なベテランでもうまくことが運ばないのです。私から言わせれば、こういう年度末から4月の最初のうちはよほど緊急性がない限り大病院は避けいたところです。その点、個人病院のスタッフは季節に関係なくずっと変わりませんから安心です。

    最近は気温が高いせいでふらつきやのぼせ、不眠、頭痛など様々な体調不良で来院されます。自律神経が乱れた症状だと思われます。老人ホームでは高齢者が不穏になるのもこの時期です。陰陽五行という東洋哲学によると、春の方角は東、色は青(緑)、臓器は肝、味は酸です。肝はストレスやイライラと関連しています。中華街の東門を守る神は青龍です。五行の通り東=青です。相撲の朝青龍も東=朝を連想させるので理屈通りのネーミングです。花粉症に処方する小青竜湯も青龍の名がついています。春のこの時期の神様ですね。

  • 無駄な心配をしないこと

    天気予報では雨になりそうですが、満開の桜が散らないか心配です。今が一番きれいな時期なのでなんとかもうしばらくは楽しませてもらいたいものです。昨日は、私が漢方診療で患者さんの「気」を見て治療すると書きました。もちろん「気」が見えるわけではないのですが、意識して感じるようにします。また、患者さんの服の趣味とか色使い、バッグなどの持ち物のブランドや色あいなどはとても参考になります。ときには着ている洋服の色で漢方処方が決まるときもあります。また、診察室に入ってきて椅子を私の方に近づけて座る人と、逆に遠ざけて座る人といます。この距離感も重要です。この行動パタンから処方が決まることもよくあります。西洋医学(いわゆる科学)しか信じない人には理解できないかもしれませんが、漢方にはそういう面白い世界があるのです。

    さて、昨日に引き続いて認知症の豆知識を書きたいと思います。実は日本を含め、アジアとアフリカなどの発展途上国は認知症が増加し続けていますが、アメリカやイギリス、スウェーデンなどでは減少傾向に入っています。日本よりかなり進んだ生活習慣の改善から認知症予防に成功していると思われます。アジア人の多くは米をたくさんたべます。これは認知症にとても悪いと思います。糖質(炭水化物)はできるだけ避けないといけません。その代わり、肉や魚、野菜といったちゃんとした栄養素を取ることが大切です。米を食べるアジア系でもインド人は認知症が少ないことが知られています。そのわけは、カレーにあると言われています。私も初めてこの事実を聞いたときはウソーと思いましたが、ターメリック(ウコン)を始めとするスパイスには抗酸化作用など脳の酸化を食い止める働きが強いとされています。

    私は100人近い高齢者の訪問診療をしていますが、老人ホームのお年寄りを2つに分けると、いつも楽しそうな人といつも悲しそうな人に分けられます。そう、認知症の人は満開の桜をきれいだねーとは言いますが、明日雨になりそうで残念、とは言いません。無用の心配をせず、目の前の事実だけをみているとうつや不安は軽くなります。これはマインドフルネスの考え方です。

    花博 花のトンネル(外観)

  • 認知症予防サプリ

    今年の桜を見ていて、ふと物悲しいなーと思います。せっかく満開で見事に咲いているのにライトアップされることもなく、下でお酒を飲んだりバーベキューをする人もおらず、ひっそりとただきれいに咲いています。桜に対する日本人の思いというのは強いものがあり、受験、卒業、入学、就職といった節目でもあり、また病気の人は今年の桜が咲く頃まで生きられるだろうかというような思いの人も数多くいます。そういった悲喜こもごもの思いが桜には何十年分も染み付いているのだろうと思います。私は漢方で患者さんの「気」を見ながら診察治療するので、桜の花を取り巻く大勢の「気」がとてつもなく強く感じられます。古今和歌集に在原業平氏の作で「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」という歌があります。世の中に桜がなかったら春の心はどんなにのどかであろうか、と思うが、実際には桜があるので心穏やかに過ごせない、という意味ですね。本当にそうだと思います。

    ヘルシーパスというサプリ会社が栄養学の勉強会をします、と案内が来たので申し込んだら、日曜の夕方にしましょうと言うことで、昨日の指定された時間にZOOMにアクセスしたら、なんとマンツーマンのレクチャーでした。びっくりです。私のためだけに講義してくれたのでありがたく拝聴しました。

    テーマは認知症を予防する栄養療法です。認知症は薬がいくつかありますが、殆ど効きません。MCIという軽度認知症(家族があれっおかしいぞ、と気づくレベル)で治療を開始しないと間に合いません。認知症予防に大事な栄養はビタミンB12, C, D,E, 葉酸、オメガ3、コリン(レシチン)、緑茶だというお話でした。(私は毎日これ全部飲んでいます。)私の外来ではすでに患者さんにそのような栄養を取ることを勧めているのですが、お茶を除けば7種類のサプリとなり、ただでさえ認知症傾向の人にそれだけの量を飲んでもらうのが大変だと思っていました。ほとんどの人は1−2ヶ月のんで変化がないといってやめてしまいます。認知症は20年くらいの経過で進展するわけですから、1−2ヶ月でやめてはだめです。ずっと飲み続けないと意味がありません。なんとこのヘルシーパスでは認知症予防サプリとして全部入れたオールインワンのサプリを作ったとのことでした。これは便利ですね。

    クリニック正面の桜

  • 琴平に韓国スーパーがオープン

    桜はほぼ満開で、快晴の素晴らしいお花見日和でした。私はあいにく医師会病院の出動協力で仕事のために花見はできませんでした。しかし、せっかく本荘までいったので、仕事が終わってからもう一度辛島公園の花博くまもとを見に行ってきました。写真をたくさん撮ったので、また披露したいと思います。さて、今日の医師会病院はこの1−2年で一番患者さんが来ました。これまで開店休業みたいにしていて、待機している間ずっとiPadでドラマを見たりしていましたが、今日はそんな時間はまったくなく、心不全やイレウスで入院してもらうような場面もあり、発熱外来ではどう見てもCOVIDだろうというような患者さんもいました(休日で検査はできませんでした)。

    以前はこういう怪しい患者さんの診察はマスクに手袋にフェイスシールド、たまにガウンだったのですが、いまはマスクと手袋だけです。通常の診察とたいして変わりません。それを考えると、老人ホームなどで介護士さんたちが熱もないお年寄りの世話をするのに完全防御しているのは意味がわかりません。コストのムダであり、いらぬ神経の使いすぎでもあり、非科学の極みです。

    さて、先日友人から聞いた話題で、琴平にある蔦屋(白山通りと平成大通りの角;ゆらっくすの向かい)がレンタルビデオの縮小を期に、韓国食材スーパーをはじめました。早速行ってみました。相当な人だかりでしたが、インスタントラーメンは何十種類もあり、調味料もいっぱい、マッコリも10種類以上、韓国コスメもありました。なかでもうれしかったのは、私が2−3年前ソウルに行ったとき明洞のお土産店で買ったキムチパック。なんと、このキムチは、空港のセキュリティーで没収され、食べれずに悔しい思いをしたので、リベンジで買って帰って食べました。本場の味。美味しかったです。

    iPhoneで夜桜綺麗に撮れました。一眼レフでここまで綺麗に撮るのは難しいです

  • 喧嘩両成敗

    今週は月曜が祝日だったため診療日が1日少なかったのですが、すごく混んだ日もあればわりと空いていて暇だった日もありました。週が終わってみると結構疲れた1週間でした。土日ゆっくりと思うのですが、そうもいきません。土曜は訪問診療をしている患者さんが動けないので見てほしいと連絡があり、診療が終わってから往診でした。その後、健康食品を扱う方が、ぜひ話を聞いてほしいというので、お会いしたら、結構面白い話で1時間半も話を聞いてしまいました。そして明日の日曜は朝から地域医療センターの外来当番です。コロナも落ち着き、はやりの風邪や胃腸炎などない穏やかな季節なので、無事平和に終わることを期待しています。

    マンボウが解除になって、道路が混み合っています。あちこち渋滞しているし、飲食店の駐車場もたくさん車が入っています。みんなずっと我慢していたのが、一気に爆発している様子です。経済活動はおおいにやっていただきたいのですが、免疫を落とさないようにしてください。ストレス、過労、睡眠不足、暴飲暴食などは免疫を落とします。花粉症などのアレルギー疾患でステロイドを飲んでいたり、副鼻腔炎のような炎症で抗生剤を長期に使うと免疫が落ちます。先日書いたようにビタミンDは花粉症にとても効きますが、ステロイドのように免疫を落とすような副作用はないので、安全です。

    ニュースやワイドショーを見るとウクライナの戦争の話ばかりです。気になるのは、マスコミ、いや、日本がウクライナに随分肩入れしていることです。中立で静観することはできないのでしょうか。戦争(喧嘩)というのはどちらかが悪いわけでなく、どちらにも大義名分があり、引くに引けない理由があります。太平洋戦争で日本がアメリカに戦争を仕掛けたのもよほどの理由があったに違いありません。それを、片方(アメリカ側)からみて一方的に相手を避難するのはおかしいと思うのです。昔から喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)といいます。それが大人のあるべき姿だと思います。

    花博くまもと