むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 少子化対策について考える

    蒸し暑い一日ですね。気温こそ30度は超えていませんが、汗ばんできついですね。仕事でスーツなんて着ている人はお気の毒です。わたしたちは薄い半袖白衣なのでそんなに大変ではないし、訪問診療で外出するときはマラソン用の速乾性Tシャツの上にペラペラのスクラブ(術衣)なのでなんとかこの暑さも乗り切れます。

    私はほとんどTVを見ないのですが、一日で1回か2回ちょっとTVをつける時間があります。朝5時50分と夕方6時50分頃です。どちらも天気予報がある頃なので、まず天気予報を見てそのあと始まる朝のニュースや夕方のニュースを出だしの10分ほど見ます。あとはネットがあるので見る必要はありません。昨日はその習慣で夕方TVをつけたら天気予報もニュースもなし、ぶっちぎりで首相の少子化対策の会見を生中継していました。それって明日の天気予報より重要か?と思いました。こんな時間にわざと会見を当ててこないでほしいです。迷惑以外何者でもない。

    その少子化対策ですが、児童手当とか、そんなもので少子化が改善して、じゃあ子供をもう一人作ろうということになるはずないです。そもそも男女平等の教育が行き渡った現在、女性も勉強していい大学に進学していい会社に入ります。せっかくのキャリアを出産子育てで中断できない。結婚もどんどん晩婚化しているし、結婚しない人も増えている。その風潮の中で児童手当など焼け石に水。みんなが勉強して、いい仕事について、たくさん稼ぎたいと思っているのだから、働きたい人にはしっかり働いてもらいたい。足りない分は外国人を入れて人口を保つほかないと思いますが、いかが?

  • 「準備8割」

    今日は保健所の立入検査でした。準備に1ヶ月ほどスタッフのみんなが手伝ってくれたおかげでスムーズに終了しました。聞かれるかもしれないという点はあらゆる方面から準備していたので、実際に聞かれたこと以外は無駄骨だったように見えますが、決して無駄ではありません。準備をすることそのものが検査の目的の8割以上だと思います。桜十字病院時代に西川通子会長が口癖だったのは「準備8割」という言葉でした。これは、8割準備するということではなく、完璧な準備が完了すれば、仕事の8割は終わったようなもの、という意味です。病院の厨房にもその言葉が標語みたいに貼ってありました。真剣に準備に取り組むことこそ必勝法です。

    その立入検査のために今日の午前中は短縮営業となり、大勢の患者さんとはあまりゆっくりお話をする時間が取れませんでした。ご協力いただきありがとうございました。いろんな職場はそれぞれ職種により監督官庁というものがあります。病院や飲食店は保健所、銀行なら金融庁、タクシーなら運輸省などでしょうか。それぞれの官公庁が私たちの仕事(営業所)の運営に細かな規則を遵守するよう通達してくるので、私たちはそれに従うまでですが、ちゃんと規則を遵守しているかを定期的にチェックされるのが今回の定期検査となります。コロナ禍で保健所の仕事が3年間麻痺していたので、この度やっと通常の仕事に戻ったことを表しています。保健所の皆さんも過労死しなくてよかったですね。

    さっき、Netflixで「タイラーヘンリーの死後の世界」というドキュメンタリーを見たのですが、すごかったです。実際にはまだ見終わっていないのですが、エピソードの1つを見ただけで感動的でした。タイラーヘンリーというのはアメリカでもすごく有名な霊能者みたいで日本で言うなら江原啓之さんみたいな人です。知らない人とあって話すうちにその人の周りにいる亡くなった人の霊と繋がって、いろいろなことを伝えてくれます。スピリチュアルが嫌いな人は信じないでしょうけど、私たちはなくなった先祖や関わりの深かった友人たちからいつも見守られているのだと思います。私のそばにも祖父母その他大勢の応援団がいると思います。だからこそ、見られて困るような悪いことはせず、常に世のため人のために全力で生きていきたいと思います。

  • 寒熱虚実は漢方の基本

    寒熱虚実とは漢方の診察で患者さんの病態を把握する基本となる軸です。この他に陰陽とか表裏という軸もあるのですが、簡単に寒熱虚実ということにしておきます。寒証の場合温めてあげればいいし、熱症の場合冷やしてあげればいい。発熱患者さんでも、寒気があるといえば寒証です。肌をよく見ると鳥肌が立っているのがわかると思います。逆に、暑いといっている患者さんは汗ばんでいます。肌以外でもわかるのが舌です。舌苔が黄色いのは熱証、白いのは寒証です。舌苔の下の舌そのものの色合いが赤いのは熱証、淡いのは寒証となります。

    他にも見分けるポイントがあります。尿の色が濃いのは熱証、透明に近いのは寒証。便臭が強いのは熱証です。昔の人達は検査機器がない代わりに人間の様子を本当に細かく観察したものだと感心します。

    さて、そこで有名な葛根湯ですが、葛根湯は寒証の人向けの処方(体を温める薬)です。熱があり、寒気がして首から肩が緊張して凝ったように痛くなる。頭痛もする。鳥肌で汗は出ていない。こういうときに使うとぴったりなのです。最近はその一部分を拡大解釈して肩こりとか頭痛に使うことがありますが、基本寒証向けの薬なので、熱証体質のひとが暑い季節にダラダラと飲むと熱証が悪化する可能性があります。気をつけましょう。

  • 薬局の採用薬は内科医の命(やりがい)でもある

    日曜日は雨も小休止でしたが、ゆっくりできましたか?私は医師会病院の外来当番で朝から勤務でした。とはいえ、コロナ患者さんや胃腸炎など全部で10名にも満たない数でしたので、比較的のんびりでした。空いた時間は、持参したiPadでNetflixです。同じ医局に他の先生もいたので、音を出しませんが、海外ドラマは字幕が出るので音なしでも楽しめました。医師会病院でいつも思うのですが、ここの門前薬局の品揃えの悪さはすごいです。私が使いたい薬の10分の1もありません。何を出してもありませんと電話がかかってくるので、最近では風邪にはカロナール、頭痛にはロキソニン、腹痛にはブスコパンといった対症療法の薬を2−3回分だけ出して、明日かかりつけの先生に見てもらってくださいね、というだけ。何の役にもたっていない気がして虚しいばかりです。

    それに比べると、当院前の凌雲堂薬局の品揃えは相当です。何千種類という薬を扱ってもらっていると思います。多すぎて把握できないのですが、ほとんど私が思いつく薬はおいてあります。こんなに思う存分処方できる環境なんてめったにありません。私は大学病院でもNTT病院でも桜十字病院でも何故かいつも薬事委員会に所属しており、薬局の採用薬を決める係をしていました。大きな病院は医者も多いし診療科も多岐にわたっており、新しい薬の採用願いがどんどんでてくるのですが、それに全部答えていると薬局もパンクしてしまうので、一増一減(1つ新しい薬を入れるなら1つ採用を取り消す)を原則としていました。

    新しい薬を入れるかわりに古い薬を削るとなると、医療コスト的にはどんどん上がることになります。古くて安い薬が悪いわけでもないので、新しい薬にどれだけ高いお金を払うメリットがあるかが問題なのです。毎月薬事委員会では頭の痛い話し合いがあっていました。今は凌雲堂のお陰で本当に自由にのびのびと診療させてもらえているのは医者冥利に尽きます。

  • 趣味の語学

    当院にかかりつけの患者さんで人間国宝並みに素晴らしい作品を作られる陶芸家の方がおられます。外国の美術館にも所蔵品として納められているほどの実力です。毎年賞を受賞されているのですが、ちょうど今週末は鶴屋東館で西部伝統工芸展というのが開催されており、見ることができました。毎年作品を展示されており、私が実物を見たのは今年が3年目になるのですが、これまでで最も素晴らしい作品でした。緻密な淡くて細かな色使いと精密なデザイン。私はご本人からどのようにして作ったのか、工程を説明してもらって、なるほどと思ったわけですが、陶芸の審査員でさえ、説明がないとどうやって作ったのか見当もつかないほどの技法だそうです。13日(火)まで見ることができます。写真をお見せしたいところですが、残念ながら撮影を禁止されていました。

    さて、毎日ハングル講座と中国語講座を聞く習慣は4月から一日も欠かさずやっています。だいぶ講座も進んできて、難しくなってくるのですが、毎日たくさんの知らない単語がでてくるのでだんだん記憶がついていかなくなります。その点中国語は漢字なので、字体は日本で使うものとはだいぶ異なりますが記憶に残りやすい。一方ハングルは記号みたいなもので、読めたとしても単語の記憶がないと全然意味不明です。その上日本語と同じように助詞の「てにをは」に相当する言葉が相当数あり、前後の単語の関係でいろいろ変わる規則があるので、相当難しいです。NHKでハングル講座を学び始める前はドラマを見ることで耳学問で聞き取れるようになっていたのですが、実際の単語を講座で知ると、思っていたのと正確な発音が違っていることが多々ありました。

    これは、韓国語の母音や子音が日本語よりたくさんあり微妙な違いがあることもあり、また、一文字が子音+母音+子音の組み合わせになったものがあり、最後の子音(パッチム)がくっついていると単独ではあまり発音されないけど次に文字が来るとその文字と合わさって発音されるという規則があり複雑なのです。文字を知らなかった頃はそういった細かい発音ができなかったのに、字がわかることで正確な発音が理解できたというわけです。語学の勉強は面白いです。