むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ヘバーデン結節の治療

    女性が更年期を過ぎた頃から手指関節が腫れていたむ病気でヘバーデン結節というのがあります。腫れがひどいと指の関節が大きく膨れて来ます。痛みと同時にこわばった感じで曲がりにくくなることもあります。多くの人はリウマチではないかとおもって整形外科に駆け込みますが、血液検査などからリウマチでないことはすぐに分かります。しかし、ヘバーデン結節と診断されても、あまり治療法がなく、指の更年期みたいなものだと説明を受けます。しかし、更年期と違って何年たっても良くなるものではなく、変形や腫れが悪化してきます。それでも手術になるようなことはめったになく、経過観察です。

    何もせず経過観察なんて、誰が考えても嫌でしょう。そこで、漢方の出番ですが、あまりに進行してしまうとさすがに治療は難しくなります。早めにご相談ください。どうやって治療するかというと、指の更年期すなわち、女性ホルモンが減ってきて起こる指の変形なので、治療方針は更年期障害の治療と似たようなものです。当帰芍薬散や温経湯などをベースに入れます。エクエルというサプリやイソフラボンも役に立ちます。ただ、それだけでは痛みや炎症が取れないので、腫れや痛みを取るために越婢加朮湯、麻杏薏甘湯、桂枝加朮附湯などを併用します。これでみんなが治るわけではないのですが、何割かの人は改善しますので、トライする価値は十分あると思います。

    一方、同じく50歳ぐらいに関節に来る病気で五十肩があります。こちらは長年の使いすぎで肩関節の炎症を起こしたもの。当院では漢方と鍼治療をしますが、なかなか治療には難渋します。整形ではリハビリを勧められますが、私は操体法という特殊な運動を勧めます。要領が分かれば簡単にできるので、やり方だけは診察の際に教えます。あとはそれを自分でやるかどうかにかかっています。人任せにせず、セルフ・トリートメントです。

    一の宮