むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 喉の所見で診断する

    最近は毎日数名のコロナ陽性患者さんが出ています。印象としては第7波のときと同じかそれ以上いるのではないかと思います。ほとんどインフルエンザよりも軽い風邪みたいなものなので、それほど特別扱いする必要はありません。5類扱いでしかるべきと思います。毎日何人もの喉の所見を見ていると、あ、これはインフルエンザ、これはコロナ、これは溶連菌感染、とだんだんわかってきます。以前はインフルエンザとコロナを同時に検出できる検査キットを使っていましたが、最近はコロナ用、あるいはインフルエンザ用の単体のキットを使うことが多くなってきました。検査する前からだいたいどちらか見当がつくからです。実は単体の検査キットはインフル・コロナを両方検出できるキットより値段が安いので、検査代も安くなります。検査を受ける側にもメリットがあります。

    ドクターもこのブログを見ていると聞いているので、専門的ですが、見分け方を書いておきたいと思います。インフルエンザは咽頭のリンパ濾胞が赤く腫れて小さなイクラのような斑点状に見えるのが特徴的なので、私はレッドスポットとカルテに書いています。コロナの場合は咽頭が夕焼けのように真っ赤に見えることが多く、太陽のフレアのようなので私はカルテにフレア状発赤と書いています。溶連菌は扁桃腺が化膿したように見えることが多いのが有名です。

    小児科の先生はアデノウイルスとかコクサッキーウイルスの咽頭所見も目で見て当てられる人がいるので、経験を積むことで精度が上がるのは間違いないです。そこで、人工知能(AI)の出番です。AIに各症例の咽頭所見の写真をとにかくたくさん学習(ディープラーニング)させることで、高精度で診断が可能となります。インフルエンザ用のAIはすでに発売されています。検査キットに遜色ない精度だと聞いています。そのAI機器による診断は保険適応されています。