むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 身体症状症という病気について

    今日は朝からずっと雨が降り続き、梅雨らしい一日でしたが、肌寒かったですね。明日は晴れて暑くなるそうです。それにしても、これだけ雨が降ったり次の台風が接近中となると、めまいや頭痛の患者さんが相当多くなっています。天気に体調が左右される気象病というものです。漢方などをうまく使って乗り切っていただきたいものです。

    さて、以前身体表現性障害という病名で呼んでいた疾患があります。最近は身体症状症というふうに呼び方が変わりました。これはどういう病気かというと、体に痛みなどの症状が明らかにあるのにどんなに検査しても異常なしと言われてしまい、なかにはストレスのせいにされたり、精神科受診をすすめられたりするものです。しかし、かならずしもストレスや精神的な原因で体に異変をきたしているわけではなく、全く原因がわからない場合が多く見られます。当院にもこの疾患でどこに行っても異常なしと言われて困って漢方で治らないかと相談される場合があります。

    もしストレスが原因なら抗うつ剤などでメンタルからのアプローチをすれば症状が取れる場合もありますが、ストレスもない、なにもない場合治療するにも取り付く島がありません。そのような場合、私は漢方を駆使して治療しますが、結構難渋します。諦めず、根気強く治療すると症状が軽くなることもあります。また、長く経過することで、だんだんその症状が自分の個性みたいに感じて来ると、治そうという気持ちから共存する方へ気持ちが変わり、落ち着く場合があります。