むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 薬局の採用薬は内科医の命(やりがい)でもある

    日曜日は雨も小休止でしたが、ゆっくりできましたか?私は医師会病院の外来当番で朝から勤務でした。とはいえ、コロナ患者さんや胃腸炎など全部で10名にも満たない数でしたので、比較的のんびりでした。空いた時間は、持参したiPadでNetflixです。同じ医局に他の先生もいたので、音を出しませんが、海外ドラマは字幕が出るので音なしでも楽しめました。医師会病院でいつも思うのですが、ここの門前薬局の品揃えの悪さはすごいです。私が使いたい薬の10分の1もありません。何を出してもありませんと電話がかかってくるので、最近では風邪にはカロナール、頭痛にはロキソニン、腹痛にはブスコパンといった対症療法の薬を2−3回分だけ出して、明日かかりつけの先生に見てもらってくださいね、というだけ。何の役にもたっていない気がして虚しいばかりです。

    それに比べると、当院前の凌雲堂薬局の品揃えは相当です。何千種類という薬を扱ってもらっていると思います。多すぎて把握できないのですが、ほとんど私が思いつく薬はおいてあります。こんなに思う存分処方できる環境なんてめったにありません。私は大学病院でもNTT病院でも桜十字病院でも何故かいつも薬事委員会に所属しており、薬局の採用薬を決める係をしていました。大きな病院は医者も多いし診療科も多岐にわたっており、新しい薬の採用願いがどんどんでてくるのですが、それに全部答えていると薬局もパンクしてしまうので、一増一減(1つ新しい薬を入れるなら1つ採用を取り消す)を原則としていました。

    新しい薬を入れるかわりに古い薬を削るとなると、医療コスト的にはどんどん上がることになります。古くて安い薬が悪いわけでもないので、新しい薬にどれだけ高いお金を払うメリットがあるかが問題なのです。毎月薬事委員会では頭の痛い話し合いがあっていました。今は凌雲堂のお陰で本当に自由にのびのびと診療させてもらえているのは医者冥利に尽きます。