むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 夏バテは漢方で治す

    すでに夏バテの患者さんが増えています。倦怠感、食欲不振などが特徴的です。職場がすごく暑いと言われる方も多く見られます。そういう私も、クリニックで働いているときはいいのですが、訪問診療で移動するときとか、学校検診で中学校の保健室で診察するときなど、すごく暑いです。学校はもう少しどうにかならないだろうかと思います。校舎の屋上に太陽光パネルを並べてエアコンをバンバン回すとか、やってもいいような気がします。この暑さはとても勉強する環境とは思えません。学校の先生もお気の毒です。おそらくエアコンは設置されていても、つけていいのは7月に入ってからとか、変な決まりがあるのではないかと思います。

    夏バテには西洋医学は太刀打ちできません。そういう病名もないし、治療法もありません。脱水とか循環不全とか、熱中症のひどいときは点滴でもすることでしょうけど、職場が暑くて食欲が落ちたとか、だるいと言われても、点滴くらいでは良くなりません。一方、漢方では暑気あたりという病名があり、補中益気湯や清暑益気湯が使われます。とてもよく効くのでこの季節は重宝します。

    ところで当院には毎週女医さんが漢方の研修に来られています。私が診察をしながらどういうふうに病態を捉えて処方をしているかを解説しているのですが、漢方の基本中の基本である「傷寒論」という2000年前に中国で編纂されたテキストを今でも勉強に使っています。そこで、その研修の先生に私の持っている傷寒論を見せて解説したのですが、その本は私が研修医時代に買い揃えたものです。発行年月日を見たらなんと30年前。初版は57年前のもの!すごいです。ただ、2000年前の本の解説ですから50年以上経っていても全然問題ありません。まだその本を売っているんだろうかとアマゾンで調べたら全く同じ本はプレミアが付いて1万4千円になっていました。私は30年前その半額で買いました。

     

    水前寺公園