むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • “血糖スパイク”を防ぐ食事のコツ

    先日、「お通じに効く」という健康茶を飲んだら痩せたと書きましたが、気づけば完全にリバウンドしていました。食生活は特に変えていないので、なぜ一時的に痩せたのかは結局わからずじまい。ただ、元に戻ってしまったのは少し残念でした。まだ何回分か残っているので、もう少し検証を続けてみようと思います。

    さて、診察の際に私が患者さんに何度も何度も繰り返しお伝えしていることがあります。それは、血糖が高い人は、ご飯、麺、パンなどの炭水化物を減らし、その分、おかず――肉、野菜、魚、卵など――をしっかり食べてください、ということです。さらに時間があるときには、もう少し具体的にお話しすることもあります。

    たとえば、「白米と玄米は糖質に関してはほとんど差がないこと」「ラーメンを食べるなら、卵やチャーシューなどのトッピングは“全部のせ”にすること」「ご飯よりもチャーハンにすること」「パンにはバターをたっぷり塗って食べること」などなど。

    こうした話をすると、皆さん「えっ、全部逆じゃないですか?」という表情をされます。ラーメンにトッピングを追加すればカロリーが上がるし、チャーハンは白ご飯よりカロリーが高い。それなのにどうして?と思われるのも当然かもしれません。

    そう、実は“カロリーが高い=血糖値が上がる”というわけではないのです。血糖値を上げにくくする食べ方として、「野菜から食べる(ベジファースト)」という方法がよく知られていますが、実はそれよりも効果的なのが、肉や魚などのたんぱく質・脂質を先に摂る方法です。特に、油をしっかり使った料理を最初に食べることで、糖の吸収がゆるやかになり、血糖スパイク(急上昇)を抑えることができます。

    もちろん、いくら油を先にとっても、その後に炭水化物をたくさん食べてしまえば意味がありません。ポイントは「油を先に」「炭水化物は少量に」という組み合わせです。

    この食事法は、リブレという皮膚に貼る血糖センサーパッチを使って、さまざまな食べ方を研究した方の成果として学んだものです。昨日、まさにその内容をわかりやすくまとめた本を見つけたので、早速購入して読み始めました。
    (山田悟 著『糖質疲労』サンマーク出版)

    この本の中では、私が日頃患者さんに指導している内容よりも、さらに積極的に油の摂取を勧めている記述が多く見られました。たとえば、「サラダチキンより唐揚げにマヨネーズの方が良い」とのこと。最初はにわかには信じがたい話でしたが、これまでの知識と照らし合わせても、なるほどと納得できる内容です。

    もう少しじっくり読み込んで、自分自身でもこの食事法を実践してみたいと思っています。本は、ある程度読み進めて納得できたら、待合ロビーに置く予定です。興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

    チャングーカフェのグリークサラダ 絶品です!ドレッシングをかけたら蓋をしてシェイクして食べます。