何ヶ月か前、キッチンの横で紙袋に入れて保存していたじゃがいもから、気づいたらびっくりするほど芽が伸びていて、「これはもう食べられない!」と思いました。有機野菜のお店で買ったいいじゃがいもだったので、もったいないことをしたなと思い、庭の植木鉢に野菜用の土を入れて植えてみました。
すると、すくすくと元気に育ち始めました。一体いつ掘ったらいいのかと思いながら様子を見ていたのですが、先週あたりから葉が黄色くなってきたので、「そろそろかな?」という予感。梅雨入り前の晴れの日を狙って、今日、仕事帰りに掘ってみることにしました。
すると、コロコロとしたきれいなじゃがいもがたくさん収穫できました!うれしい!さっそく掘りたてを味噌汁に入れてみたら、これが絶品。残りは肉じゃがにするつもりです。
じゃがいもの原産地は、確か南アメリカのアンデス地方だったと思います。今調べたところ、紀元前3000年ごろからペルーやチリで栽培されていたそうです。つまり、今から5000年も前の話です。
きっと、私と同じように「後で食べようと大事に取っておいたら芽が出てしまった!」という経験をした古代の人が、試しに土に植えたら、たくさん採れてびっくりしたのかもしれません。しかも、米作りのように手間も時間もかからず、たった3ヶ月ほどで収穫できる。これは重宝されるはずです。
私たち日本人が農業の技術を手に入れたのは弥生時代。それ以前は狩猟採集で暮らしていました。稲作が始まっても、「お腹いっぱいご飯が食べられるようになった」のは戦後になってから。人類の長い歴史の中では、ほんのここ50年くらいのことです。
最近は米不足でちょっとした騒ぎにもなっていますが、餓死するわけではありません。私たちの遺伝子には、何万年も飢餓と戦って生き延びてきた記憶が組み込まれています。数日十分な食事を取れなくても血糖値を維持する仕組みがあります。その一方で、飽食の時代に対応する「血糖値を下げる仕組み」は、あまり備わっていません。
だからこそ、遺伝子にプログラムされた以上に食べすぎると、体はその余分なエネルギーを処理しきれず、さまざまな病気のもとになってしまうのです。