むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 小さい本屋さんの大きな魅力

    当院の患者さんで陶芸家の方がいらっしゃって、今回、鶴屋で開催された「西部伝統工芸展」に作品を出展されていたので、見に行ってきました。毎年受賞されているので、楽しみに拝見しているのですが、今年の作品もまた、緻密で豪華。見ていて息を呑むほどの素晴らしさでした。芸術にふれる時間は、やはり心が洗われます。

    鶴屋ではちょうど「北海道展」も開催されていて、大変なにぎわいでした。やっぱりみなさん、北海道の物産はお好きなんですね。私もぐるっと見て回りましたが、結局何も買わずじまい。でも、見て回るだけでも楽しいのが物産展です。

    鶴屋に行くと、私が必ず立ち寄る場所があります。本館7階の通路から東館に渡ってすぐのところにある小さな本屋さんです。「本ならTSUTAYAに行けばたくさんあるじゃないか」と思われるかもしれませんが、あの鶴屋の本屋は、小さいからこそいいのです。

    全部見て回るのに10分もかかりません。でも、その限られたスペースに、店長さんが一生懸命セレクトした“少数精鋭”の本だけが並んでいます。どれを見ても欲しくなるようなラインナップです。大きな本屋に行くと、どうしても目移りしてしまい、時間ばかりがかかってしまいますが、ここでは、最短で出会える一冊があります。

    もうひとつ、私のお気に入りの本屋がサクラマチの1階にあるTSUTAYAです。一見すると雑貨屋さんのようで、お皿や小物が並んでいるのですが、その一角に、わずかに本が置かれています。これがまた、素晴らしいセレクトなのです。この小さなスペースに、よくぞここまで、と思うような良書が並んでいて、行くたびに感心させられます。

    こういった小さな本屋は、Amazonのように「何でも揃う」店の対極にあります。私は高校生のころから大量に本を読むようになり、毎日、近所の個人経営の本屋さんに入り浸っていました。けれど、Amazonの登場以降、そうした本屋さんの多くは閉店してしまいました。

    それでも、今のように、アマゾンや大型書店ではなかなか出会えない“キラリと光る一冊”を揃えてくれる小さな本屋さんは、これからも十分に生き残れるはずです。サクラマチのTSUTAYAのように、大きな書店があえて小さなブックコーナーを設けるという試みは、その実例として非常に画期的だと、私は感心しています。