4月に入り、入学式も終わり、新しい生活が始まったという方も多いと思います。そうした新入学生を対象に、内科検診が実施される時期でもありますが、さっそく各校で記録された心電図の判定依頼が届きました。当院には、すでに400枚ほどの心電図が届けられ、診療の合間や夕方、早朝の診療前後を使って、ひたすらチェックを進めました。私が今年担当する心電図は、おそらく2,000〜3,000枚程度になるのではと思います。
心電図の判定には「学校心臓検診マニュアル」という冊子があり、それに基づいて、精密検査が必要な学生をピックアップしていきます。もう10年ほどこの仕事に関わっているので、だいたいの判定基準は頭に入っているのですが、それでも時々判断に迷うケースもあります。
いつもならマニュアル本を持ってきて確認するのですが、今回はふと思い立って、ChatGPTに「判定基準を明記したマニュアルを作って」と依頼してみました。すると、思った以上に完成度の高いものが返ってきました。一部、説明が足りないと感じた箇所を指摘すると、そこも補足してくれて、とても便利なマニュアルが完成しました。さらに、二次検診になった際に必要な検査項目を追加してもらったところ、ますます実用的なものになりました。これはすごい。頼めば、精密検査のプロセスをフローチャート化することもできます。
実は、以前このような心臓検診マニュアルの電子版を、他県の検診班が作成しており、メールでお願いすると送ってもらえていたのですが、そのサービスが終了してしまい、少し困っていたのです。もちろん、本を見れば必要な情報は載っているのですが、マニュアル本には不要な情報も多く、必要なところだけを必要十分にまとめたものが欲しかったのです。
今回、自分が本当に欲しい形のマニュアルを作るのにかかった時間は、わずか10分足らず。ほんとうに、すごい時代になったものです。