トランプ大統領が先日発表した関税政策がいよいよ現実となり、日本製品に対して高い関税率が適用されることになりました。それを受けて、日経平均はこの数日間で大幅に下落しています。特に、自動車産業などアメリカへの輸出依存度が高い業界には大きなダメージとなるでしょう。しかし、近年の日本企業は内需産業が増えており、かつてほど輸出に頼らなくなってきている側面もあります。これは、中国をはじめとするアジア諸国との価格競争で厳しい状況に置かれた結果でもあります。
しかし、最も影響を受けるのはむしろアメリカ国民かもしれません。高い関税により、これまで中国やベトナムから安価に輸入されていた商品が手に入りにくくなり、物価高の中で生活の負担が増すことが予想されます。リーマンショックのような大規模な不況に至るかは未知数ですが、アメリカ経済にとっても大きな打撃となる可能性は高いでしょう。
こうした国際経済の急激な変化は、私たちの身近な人間関係にも通じるものがあります。心療内科の診療をしていると、職場や家庭でのストレスが原因でメンタルを崩す方が多くいます。特に、「上司が苦手」「夫が嫌い」といった人間関係の悩みは頻繁に相談されるテーマです。国際関係における政策転換のように、長年築いた関係が突然変わることもあります。例えば、信頼していた友人に手のひらを返されたような仕打ちを受け、大きなショックを受けることもあるでしょう。
このような状況に対処する方法はいくつかあります。
- 自分の気持ちを伝えること
相手が自分の行動で他者を傷つけていると気づいていない場合があります。そのため、冷静に「自分がどのように感じたか」を伝えることは重要です。意外にも、話し合うことで関係が修復するケースもあります。 - 「人を変えることはできない」と悟ること
今回の関税政策については、日本政府が交渉の余地を残しているかもしれませんが、個人の人間関係において「相手を変える」のは難しいものです。職場や家庭で苦手な相手がいたとしても、その人を変えようとするよりも、自分の受け止め方や対応を変えることに意識を向ける方が、ストレスを軽減しやすくなります。 - マインドフルネスを意識する
強い否定的感情に囚われるのではなく、客観的に相手の言動を捉えることが大切です。例えば、「また部長が大きな声で怒鳴っているな。機嫌が悪いのかもしれない」と、一歩引いた視点で観察するだけにとどめ、「自分が怒られている」「嫌だ、逃げ出したい」といった感情に振り回されないようにすることが有効です。 - 苦手な相手の良い部分を探す
嫌いな人がいると、相手のあらゆる行動が気になってしまいがちですが、小さなことでも良い点を探してみるのも一つの方法です。例えば、「部長は厳しいけれど、資料作成はとても丁寧だ」「夫は頑固だけど、家族のために働いてくれている」など、プラスの側面を意識することで、関係の見方が変わってくることがあります。
このように、対人関係の悩みも、自分の考え方次第で負担を軽減することができます。日々の人間関係においては、自分自身の受け止め方や行動を少し変えるだけで、ストレスを減らし、より良い関係を築くことができるかもしれません。
当院前の公園の桜もついに満開です。ちょっと肌寒いですが是非ご覧ください。