むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 健軍 桜まつり

    健軍の自衛隊前の桜並木が歩行者天国となり、桜まつりが開催されました。今年は天気も良く、花も見頃で最高のコンディションでした。少し肌寒かったですが、春らしい雰囲気の中、多くの人で賑わっていました。私も昼に散歩がてら訪れましたが、例年以上の人出でした。屋台には長蛇の列ができていました。以前あった韓国料理店「ソナム」(数年前に閉店)のオンマや、下通りのケバブ屋さんなど、懐かしい顔ぶれと再会できました。

    屋台ではキンパとチャプチェ、さらにベトナム料理のバインミーを購入しました。花見をしながら食べるのも良かったのですが、持ち帰ってゆっくりいただきました。この数日冷え込んでいる影響で、桜はまだ七分咲きといったところ。満開まではあと数日かかりそうですが、今週は雨が少なそうなので、しばらく楽しめそうです。

    今日は、ずっとやりたかったことをいろいろ片付けました。まずは玄関のたたき(靴を脱ぎ履きするスペース)の掃除。普段あまり掃除しないので黒ずんできたのが気になっていました。ネットで見つけた方法を試しました。百均のアルカリ電解水をスプレーしてマイクロファイバータオルで拭くと、見違えるほどきれいになりました。ついでに洗車とワックスがけも済ませ、気分良好。

    また、業務スーパーで、アメリカにいた頃によく食べていたカリフォルニア米を発見。しかもかなり安かったので、懐かしさもあり購入しました。ジャポニカ米なので日本人好みですが、わずかにタイ米が掛け合わさっており、独特の香りがあります。好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私は美味しくいただきました。ホームセンターに寄ったらいつもになく大勢の人が自転車を買っていました。新年度の始まりを肌に感じました。私は脚立を買ってきて、自宅の車庫のシャッターのメンテナンスをしました。

    その後、チョコザップでランニングをし、施設の清掃も実施。そして最後の仕上げに、ミフネテラスの湯月(温泉・サウナ)へ行き、汗を流してリフレッシュ。予定していた帳簿付けなどの事務作業も全部完了し、まるで多動なのではと思うほど動き回った一日でしたが、春の陽気の中、充実した日曜を過ごせました。

  • 保護主義に走るアメリカの景気後退を憂う

    桜が満開になりました。不思議なことに、毎年お花見の時期は冷え込みますね。ダウンのジャケットなどは花見まではしまわないでおくというのが例年の教訓です。

    このところ、診療以外にもやるべきことが山ほど溜まっており、時間に追われています。領収書の整理や帳簿付け、セミナーの資料作りなどもあり、そのために本を読んだりネットで調べ物をしたりと、かなりの時間がかかります。日頃は粗食なので、週末くらいは美味しいものを食べに行きたい。一方で、週末くらいはゆっくり睡眠を取りたい。ジムで運動もしたいし、温泉にも行きたい。たまには実家の様子も見に行きたい。したいことが山ほどあるのに、全部はできないので優先順位をつけるしかありません。

    ニュースを見ると、日米の株価が大幅に下落しています。週明けは相当下がりそうです。日本はちょうど配当の権利日だったこともあり、配当狙いで買った人も多かったと思いますが、配当をもらった以上に株価が大幅安となりそうで、がっかりという感じでしょうか。私は最近は株取引をしていないので、ただの傍観者です。

    株価が下がった原因の一つは、トランプ大統領による大幅な関税措置です。日本は自動車産業を中心に大きな打撃を受けると言われています。私たちは日本国内だけで生きているわけではなく、世界中からさまざまなものを買ったり売ったりして、助け合いながら生活しています。昨日のブログに書いた植物の助け合いネットワークも、まさに同じようなものですね。フランスのワインを飲んだり、オーストラリアのビーフを食べたり、中国のパソコンを買ったりと、世界中のものを楽しんでいます。

    今回のアメリカの関税措置では、アメリカの消費者も大変ではないかと思います。海外からの輸入品がことごとく値上がりするため、嫌でも米国産のものを消費せざるを得なくなります。結果として、生活の多様性が失われるだけでなく、世界の一流品を手に入れる機会が減り、生産者の品質意識も次第に低下していくのではないかと思います。

    関税をかけて国内産業を保護するというのは、裏を返せば、保護がなければ成り立たないほど弱いということです。国際社会におけるアメリカの立場が急激に低下していく、歴史的な転換点にあるのかもしれません。

  • 植物の知恵:動かないからこそ生き抜く力

    植物は動物と違い、移動することができません。たとえ外敵が来ようと、気候が変わろうと、一生同じ場所で生き続けます。しかし、それが動物よりも弱いことを意味するわけではありません。神社にある神木は優に500年以上生きているものも珍しくなく、地方によっては屋久杉のように1000年以上も生き続ける樹木が存在します。私たち人間がどんなに努力しても、その寿命には到底及びません。植物の生き抜く知恵をもっと学び、取り入れるべきなのではないでしょうか。

    植物は単独で生きているわけではない
    植物は一本ずつ独立して生きているわけではありません。大気中では、アロマのような化学物質を放出し、お互いにコミュニケーションを取っているそうです。また、植物には「目」はありませんが、光を感知することで、隣同士の枝が相手の成長を邪魔しないように調整する能力もあると言われています。

    さらに、地中では菌類の助けを借りて、植物同士が助け合っていることも分かっています。植物は光合成によって自らエネルギーを作り出しますが、日当たりの悪い場所に生えた仲間の植物には、根を通じて栄養を分け与えることができるとのこと。驚くべき共生の仕組みです。こうして植物たちは、一つのコミュニティを形成しながら生きているのです。

    日本では「縄文杉」が長寿の木として有名ですが、ヨーロッパでは「千寿オリーブ」という樹木が知られています。日本風に言えば「縄文オリーブ」といったところでしょうか。長寿の樹木は、長く生きるための知恵を持ち、その周囲の木々にも影響を与えることが分かっています。根のネットワークを通じて、隣の木々にも活力を与えるのです。

    近年、この現象が科学的に解明されつつあり、フランスのニナファーム社では、この千寿オリーブの近くに化粧品の原料となるザクロなどの植物を植えることで、植物の生体防御力を高めているそうです。そのエキスを抽出し、化粧品やサプリメントに活用するという研究が進められています。日本が工業製品の品質向上を極める間に、フランスでは植物の応用研究がここまで進んでいたとは驚きですね。

    この千寿オリーブは、来月より開催される大阪・関西万博のフランスパビリオンで展示される予定です。テーマは「奇蹟の庭園」。生命の知恵を受け継ぐこの樹木を間近で見られる貴重な機会となりそうです。万博に行く機会があれば、ぜひ訪れてみてください。

     

  • がん細胞のエネルギー源は糖質

    大荒れの天気となりました。雷雨がすごかったですね。当院は小高い丘の上にあり、標高が高い分、雷がよく落ちます。今日は夕方、最後の患者さんの会計をしている最中に瞬間停電してパソコンが落ちてしまいましたが、幸いその患者さんでおしまいだったので助かりました。電子カルテのサーバーや電話(ビジネスホン)のサーバーなどには無停電電源がついているので、短時間の停電には耐えられるようになっています。しかし、太陽光発電の蓄電池は今日のように朝からずっと雨だとほとんど蓄電できず、停電時にはあまり頼りになりません。

    最近、合志で統合医療クリニックを開業されている赤木先生の著書を手に入れたので読んでいます。赤木先生はもともと外科医ですが、現在は手術ではなく、低用量抗がん剤と免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボ)などを併用し、末期と言われる患者さんも積極的に治療されています。さらに、温熱療法や水素吸入などの補助療法を組み合わせることで、良い経過をたどる症例も多いとのことで、とても興味深い内容です。読み終わったら、クリニックのロビーに置いておこうと思います。

    正常な細胞はミトコンドリアが機能し、酸素を取り込んで大量のエネルギーを産生しますが、がん細胞は主に解糖系という無酸素エネルギー産生系を利用しています(ワールブルグ効果)。つまり、がん細胞は糖質をエネルギー源としているため、糖分の過剰摂取はがん細胞にとって好都合となる可能性があります。がん細胞は健康な人にも毎日発生しているため、常日頃から糖質を制限しておいたほうががんの予防になると思われます。

    では、血糖を下げる糖尿病の治療薬にがんの予防効果があるのでは? という疑問が浮かびますが、メトホルミンにはその可能性が期待されています。一方、その他の糖尿病治療薬については、まだ十分なエビデンスがありません。

  • 縄文人と弥生人

    縄文人はご飯を炊くのに、なぜあんなに気合の入った装飾のある鍋(土器)を作ったのでしょう? 謎ですね。一方、弥生式土器はシンプルで合理的です。コスパや時短を重視する現代人なら、弥生式土器に共感することでしょう。一方で、コスパよりも感性を大事にし、「好きなものは好き」という人もいます。そう考えると、私たち現代人も、縄文人的な感性派と弥生人的な合理派の2パターンに分けられるかもしれません。

    私は一見、理屈や効率を重視するように見えるかもしれませんが、実はかなり感性で動くタイプです。好きなことには時間を忘れて熱中します。

    先日、とある講演会を聞いていてピンときたのですが、買い物をするときに、Amazonなどでしっかり下調べをし、口コミをチェックし、さらに価格.comで最安値を確認し、1週間考えたうえで購入を決める人——これは弥生人タイプではないでしょうか。一方で、ジャパネットなどの通販番組を見ているうちに「これ、欲しい!」と思い、衝動的に即決で注文する人——これは縄文人タイプだと思います。

    縄文人は狩猟採集民だったので、一瞬のチャンスを逃せば食べ物にありつけません。一方、弥生人は農耕によって何ヶ月も作物を育て、計画的に収穫します。職場にも、こういう2パターンの人がいると思いませんか? プロジェクトにじっくり取り組んで成果を出すタイプと、チャンスを見極めて一気にやり抜くタイプ。そう考えると、人に仕事を頼んだり、一緒にプロジェクトを進めたりするときに、相手のタイプを知っておくと、よりスムーズに進むかもしれませんね。

    久木野 四季の森温泉にて モクレンの蕾と五岳