むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • AIと英会話するための設定方法

    昨日のブログでは、ChatGPTで試験問題を解くだけでなく、資格試験対策の模試やその解答・解説まで作れることを書きました。また、チャット機能(音声入力)を使えば、AIと実際に会話ができるので、英会話教室のように語学練習もできる、という点にも触れました。

    昨日は「どんなことができるのか」をちょっと試してみて、「できたできた!」と喜びながら書いたのですが、今日はその機能を自分仕様にどうカスタマイズするかにチャレンジしてみました。

    私のクリニックには、英語圏の外国人患者さんがかなり多く来院されます。中国・台湾・ベトナムの方と比べると、英語圏の患者数は5倍以上。なので、英語での診察はもう日常茶飯事になってきています。

    とはいえ、診察内容や状況が少し変わると、いつもの英語表現では対応しきれないことがあり、単語や言い回しがすぐに出てこないこともあります。そういうとき、AIに通訳してもらうのはちょっと恥ずかしい…。なので、自分の語学力を高めるためのツールとして使いたいと思っています。

    昨日、資格試験の模試を作ってくれると分かったので、今日は試しにこんなふうにAI(今回はGoogle Gemini)に頼んでみました。

    「私は内科医です。英語を話す患者さんを診察する際に、挨拶・問診・検査の説明・処方などで想定される会話を、英語でどう表現するかまとめてください。」

    すると、まるで本屋さんにある「外国人診察に必携!医療英会話」みたいな本ができそうなレベルのまとめが返ってきました。これは本当に役に立つ!あとはこのフレーズを覚えて、ChatGPTとの会話練習に活かすだけです。

    普通に雑談を振れば、ChatGPTはどこまでも付き合ってくれます。でもそれでは診察時の練習にはなりません。そこで、診察シーンをリアルに再現するために、まず以下のような設定を日本語で指示してみました。

    「あなたはアメリカ人です。日本に旅行中で、今朝から発熱と咳があり、私のクリニックに来院しました。私は医師としてあなたに質問しますので、患者として答えてください。」
    これだけで、AIは役割をすぐに理解し、驚くほどスムーズにリアルな診察会話を始めてくれます。思わず冷や汗をかくほどの臨場感があり、かなり実践的な英会話トレーニングになります。これは私にとって必要なプラクティスですが、みなさんも自分に必要な状況設定を考えてAIに付き合ってもらえば、いろんな練習ができます。

    そういえば、以前新聞で「外国で弁護士を雇わず、AIの助けだけで裁判に勝訴した人」の記事を読みました。すごい時代になりましたね。

    今、私たちにとって一番必要な勉強は、「AIの力をいかに引き出すか」です。昔の記憶力だけで点数が取れた頃とは完全に時代が変わりました。思い出せないことは検索すればいいだけのことです。