むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ナイアシンについて

    連日快晴で暑いくらいいい天気が続いています。私はなぜかこんな天気でも咳が出るので、喘息の人はなにかに反応しているのではないかと思います。今は黄砂やPM2.5やコメ科の花粉のシーズンです。私の場合は咳止めや喘息の薬を使うほどひどくはないので、濃くいれたお茶を飲みながら診察しています。お茶、紅茶、コーヒーなどに含まれるカフェインは気管支拡張作用があり、喘息に有効です。喘息の治療薬のテオフィリンというのはカフェインと似た作用の薬です。喘息で呼吸がきついからとテオフィリンを飲みすぎたりするとドキドキ脈が速くなり手が震えたりします。副作用が出ない程度にうまく使うのが大切です。お茶やコーヒーで副作用が出るほど飲むことはないでしょうけど、眠れなくなることはあるかもしれません。

    ナイアシンを飲んでいる方からフラッシュについてのお尋ねがあったので、もう一度書いておこうと思います。ナイアシンというサプリを飲むと、体がひりひりチカチカしてきて蕁麻疹みたいな反応が出ます。毎日飲んでいると出なくなりますが、ふとした体調からまた出る時があります。ナイアシンのフラッシュはナイアシンの作用そのものなので仕方ありませんが、サプリを買うときによく見ると、フラッシュフリータイプのナイアシンとか、ナイアシンアミドという製品もあります。私は全部使ってみましたが、どれも効果は似たようなものだと感じました。ナイアシン以外はフラッシュは出ませんから、フラッシュが出て飲みづらいという場合はナイアシンアミドをおすすめします。

    ナイアシン(ビタミンB3)というのは体の代謝に必要なNADという補酵素になり、水素(プロトン)をやり取りする働きがあります。アルコールを分解するアルコール脱水素酵素とか筋肉痛の原因となる乳酸を分解する乳酸脱水素酵素などの補酵素として働きます。またクエン酸サイクルやミトコンドリア内の電子伝達系でATPというエネルギー産生に不可欠です。脳内でメンタルを安定させて不安をなくし、睡眠を良くするセロトニンを生成する酵素の補酵素でもあるため、ナイアシンを飲むことでメンタルが安定することも知られています。