むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 毎年同じ時期に同じ様に体調を壊す人がいる

    この前衣替えで冬物は全部しまってしまったのに、今日は思いがけない雨の後どんどん冷えてきて半袖では肌寒くなってしまいました。また冬物を出してくるのも癪なので、我慢して薄着で過ごしています。明日は晴れそうなので暖かくなることを期待しています。

    患者さんでしばらく来院がなく、数年ぶりに来院されると新患として一から話を聞くことになります。今日はどうされましたか?それはいつからですか?といろいろ聞いて病気の背景を探り、治療法をあれこれ検討します。一通りの診察が終わって、ふと過去のカルテを見返してみると、その患者さんが2−3年前のちょうど同じ月に全く同じ訴えで来院されていることがよくあります。人は生まれ持った体質があり、その体質に対して毎年同じ時期の気候の変化が作用して体調を悪くする事があるようです。カルテを見返すと、ちょうど1年前の同じ月の同じ日に同じ症状(風邪とか花粉症とか)で来院される人をしょっちゅう見かけます。不思議ですね。

    そういう過去の治療歴はとても参考になります。効いた薬、あまり効かなかった薬が一目瞭然です。今回の症状もおそらくその時と同じ病態なので、同じ薬が効くと考えられます。また、私の頭の中も不思議なもので、過去カルテを見返さなくても今回の訴えをきいて以前と同じ処方を書いていることがあります。ただ、医学が進歩したり、自分の勉強や経験が進んで進歩していればその分処方が変わります。以前のカルテを見て、あー当時はまだ未熟だった、今ならこんなときはこの処方だ、と思うこともあります。私が進歩したぶん治療成績もアップしているはずです。私たち臨床医というものはこういう日々、年々の積み重ねで進歩しているのです。