むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 週末は東洋医学会のアーカイブ視聴

    下通りや浜線バイパスに資さん(すけさん)うどんという店があります。前からあるのは知っていましたが、行ったことはありませんでした。先日たまたまネットでここの店は美味しいという話題を見て、行ってみました。びっくりです。安くて相当美味しい。肉うどん650円、おでん3点もり300円などなど。うどん以外にも天ぷらやとんかつなどのおかずもありました。うどんは丸亀製麺のようにコシがあるうどんとは対象的な福岡のやわい麺です。最近福岡のうどんは話題ですが、私は初めて食べました。これはこれで美味しいです。おでんも美味しく、大満足の味でした。

    先日、東洋医学会が大分であったのですが、ハイブリッドの学会だったので参加費だけ払って現地にはいきませんでした。本来はリアルタイムでWEB参加するつもりだったのですが、ちょうど同じ日程で福岡に勉強に行っていたので学会には参加できませんでした。ところが、最近の学会が素晴らしいのは、リアルタイムで参加できなくても後に録画配信を視聴できるのです。うれしい!おかげでこの数日はその学会の見逃し配信をひたすら見ています。学会なので最初から最後まで全部見ると相当時間がかかります。現地で参加するよりよほど勉強になります。

    土曜の夜にYouTubeをみていたら精神科樺沢(かばさわ)先生の樺チャンネルがライブ配信していました。参加者1100人以上でした。私の診療での患者さんとのやり取りにもとても参考になるいいお話がたくさん聞けました。ライブ配信は初めてみましたが、樺チャンネルは相当数のコンテンツがアップされているので興味があればぜひ見てみてください。役立つ内容だと思います。

     

  • 忙しい=「心を亡くす」です

    今週熊大医学部から病院見学(実習)に来ていた学生さんは金曜日で終了となりました。診察中、気になってプライベートの悩みなど話しにくいと感じた患者さんもおられたことと思います。ご協力ありがとうございました。彼らも数年すると本物のドクターとしてデビューします。そのときに今回の当院での体験を活かしてもらえたら幸いです。

    今週は、診療でも一週間通してずっと忙しかったのですが、診療後も講演会の座長などいくつもの予定が入っており、忙しく過ごしました。金曜は意識的に何も予定を入れなかったので、やっと一息つけました。自宅でゆっくりネットを見たりお風呂につかったりしてしばしの息抜きです。忙しいという漢字はりっしんべんが心の意味ですから心を亡くすという意味です。心療内科で相談に来られる患者さんも、仕事が忙しすぎてもう限界だと言うことでしばらく休職したいとか、できれば転職したいと言われます。そして、自分が弱い、だめなのは自分、みたいに自罰的になる場合と、そこから離れたいという逃避的になる場合があります。

    いずれにしろ、忙しい=「心を亡くす」ですから、過労で体も心も疲れてしまったらしばらく有給を使うなり休職するなりしてゆっくりしないと回復しません。忙しいときに食事をおろそかにするのもメンタルを弱くします。忙しいときほど食事のバランスを考え、睡眠時間も最大限確保することが大事です。

     

     

  • 漢方薬が手に入らない事態となっています

    しばらくは落ち着いていたコロナ後遺症患者さんたちですが、このところまた受診数が増えてきました。やはり第8波の影響かもしれません。このところ、感染拡大のニュースがあちこちで聞かれています。やはり寒くなると増える性質があるのでしょう。ただ、朗報は、今回かかった人たちは夏の第7波に比べるとかなり軽症なようです。いうなら普通の風邪かそれ以下の人が多いみたいです。ただ、新型コロナの不思議な点は、療養期間が過ぎたあとで、咳が止まらないとか頭がボーとするなどの後遺症(罹患後症状)が出てくる点です。タイムラグがあるので、コロナのせいだと気づかず、最近調子が悪いと言って来院されることもあります。

    当院では漢方を駆使して対応しているのですが、漢方は寒熱虚実という軸をつかって病態を把握して処方を決めます。通常の風邪は冬をベースとしているので寒熱で言えば寒に偏った人が多いのですが、夏のオミクロンでは熱に偏った人が多かったため、漢方薬も小柴胡湯加桔梗石膏という清熱剤を多用していました。しかし、季節は変わって第8波では通常の寒証ですから漢方治療は案外簡単です。実は、夏に全国で小柴胡湯加桔梗石膏がコロナに効くと言われたせいで莫大な需要(消費)があり、品薄となりました。漢方メーカーは大慌てで増産に踏み切ったのですが、そのアオリでその他たくさんの銘柄が手に入らなくなってしまいました。

    漢方を専門にしていてこれほど大規模に漢方薬が入手困難になったのははじめてです。漢方メーカーはいくつもあるのですが、他のメーカーまでも欠品状態となりどうしようもない状態です。今後半年くらいは現状が続くらしいので、皆様にはご迷惑をおかけしますが、今まで通りの薬をお渡しできそうにありません。その際は西洋薬に変更するなどの対応でお願いしたいと思います。

  • ふくらはぎ用着圧ソックスもむくみに良い

    今日は、ふくらはぎ用着圧ソックスのサンプルを頂いたので、さっそく使ってみました。これはいいです。足が軽くなり、歩くときも足の運びがいい。以前フルマラソンをしていたときは下肢全体を締めるボディースーツみたいなものを使っていましたが、今日もらったのは医療用です。見かけは普通のソックスみたいなので仕事中や出張などに良さそうです。コロナ前にしょっちゅう飛行機で東京などにでかけていた時、じっと狭い座席に座っていると足がむくむので、スポーツ用着圧ソックスを使っていました。これを履いていると飛行機を降りたときやその後の移動時に足の軽さがあきらかに違います。

    昨日のブログでむくみについて書きましたが、リンパマッサージ以外にも役立つのがこの着圧ソックスです。皮膚表面の血管やリンパを圧迫してむくみを取ります。足がむくまないことのメリットは歩きやすいだけではありません。静脈血栓の予防になります。膝などが悪くあまり歩かないお年寄りは足の血管(静脈)に血栓ができる事があり、たまに歩いたときにその血栓が流れて心臓から肺に引っかかってショックを起こすという病気があります。肺塞栓と言います。

    そのようなまれな病気の予防の他にも、もっとメリットがあります。それは、足のむくみを減らすことで夜間尿が減るのです。足がむくんでいると夜にその水分が足から全身に回って利尿されます。そのため夜に何度もトイレに行くことになります。着圧ソックスで足のむくみを減らすと、夜の尿が減って安眠できるだろうと思います。

  • むくみの原因あれこれ

    足がむくむというのは多い相談です。むくむ原因はいろいろあり、みんな同じではありません。よくお年寄りが言われるのが、足がこんなにむくんだら自分もそろそろ最期が近いのではないか、という話。確かになくなる方はむくみがひどいことが多いですが、むくんだことと最期が近いは関係ありません。実際、訪問診療で看取りをする際にはひどくむくむ人はあまり見ません。最期にむくむのは病院でなくなる人達です。なぜなら、食事が取れないから点滴をする。熱があれば抗生剤の点滴をする。血圧が下がれば昇圧剤の点滴をする。だけど最期は多臓器不全で血圧も低く尿量も少なくなる。その結果がむくみです。訪問診療では老人ホームやご家庭で看取る場合点滴をしても1日1本(500mL)程度なのでほとんどむくむことはありません。たいていきれいな状態で最期を迎えられます。

    そこで、むくみの原因いろいろですが、上に書いたように水分のとりすぎ、腎機能低下というのが一つ。心不全も関連します。女性に多いのが立ち仕事で夕方には足がむくむというもの。これは病的でないことも多いです。その他、足の静脈に血栓ができて詰まってしまうと片足だけむくみます。また、足の皮膚に感染を起こすと熱感、発赤を伴った腫れを見ます。蜂窩織炎といいます。高齢者の場合、気づかないうちに骨折することがあり(例えばおむつ交換時など)それが原因で足が腫れることがあります。当然、痛みがあるので他のむくみとは違います。肝機能が悪くなり低たんぱくを起こすとむくみの原因となります。低栄養でも低たんぱくとなります。これは難治で、病院ではアルブミンという蛋白製剤を点滴することでむくみは改善しますが、効果は一時的です。

    これらの原因は採血やレントゲンなどでだいたい分かるのですが、何を検査しても異常ないけどむくんでいるというときはリンパの流れが悪いというリンパ浮腫を疑います。例えば乳がんの手術後は手術した側の腕が腫れます。手術に関係ないリンパ浮腫もあります。こういった場合はリンパドレナージュというマッサージ以外にあまり治療法がありません。実は、むくみによく使う防已黄耆湯という漢方薬があるのですが、このところメーカーの都合で入手困難となっています。当院からも大勢に処方していますが、次回来院の際には出せないかもしれません。困った事態となりました。