むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方薬が手に入らない事態となっています

    しばらくは落ち着いていたコロナ後遺症患者さんたちですが、このところまた受診数が増えてきました。やはり第8波の影響かもしれません。このところ、感染拡大のニュースがあちこちで聞かれています。やはり寒くなると増える性質があるのでしょう。ただ、朗報は、今回かかった人たちは夏の第7波に比べるとかなり軽症なようです。いうなら普通の風邪かそれ以下の人が多いみたいです。ただ、新型コロナの不思議な点は、療養期間が過ぎたあとで、咳が止まらないとか頭がボーとするなどの後遺症(罹患後症状)が出てくる点です。タイムラグがあるので、コロナのせいだと気づかず、最近調子が悪いと言って来院されることもあります。

    当院では漢方を駆使して対応しているのですが、漢方は寒熱虚実という軸をつかって病態を把握して処方を決めます。通常の風邪は冬をベースとしているので寒熱で言えば寒に偏った人が多いのですが、夏のオミクロンでは熱に偏った人が多かったため、漢方薬も小柴胡湯加桔梗石膏という清熱剤を多用していました。しかし、季節は変わって第8波では通常の寒証ですから漢方治療は案外簡単です。実は、夏に全国で小柴胡湯加桔梗石膏がコロナに効くと言われたせいで莫大な需要(消費)があり、品薄となりました。漢方メーカーは大慌てで増産に踏み切ったのですが、そのアオリでその他たくさんの銘柄が手に入らなくなってしまいました。

    漢方を専門にしていてこれほど大規模に漢方薬が入手困難になったのははじめてです。漢方メーカーはいくつもあるのですが、他のメーカーまでも欠品状態となりどうしようもない状態です。今後半年くらいは現状が続くらしいので、皆様にはご迷惑をおかけしますが、今まで通りの薬をお渡しできそうにありません。その際は西洋薬に変更するなどの対応でお願いしたいと思います。