むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 人工知能(AI)を利用した医療器具

    数年前からインフルエンザの診察時にのどの所見をよく見ると特徴的なリンパ濾胞の腫脹が見られると言われており、それが見られたら高確率でインフル陽性の診断となるという話でした。私もそれを聞いてからというもの、のどの所見には結構注意してインフルかもしれないと言う気持ちで診察していました。その結果、インフルのテストをすると、やっぱりあたった!と言う場合と、あれれ、外れた、と言う場合があり、喉の所見だけでインフルかどうかを的中させるのは結構難しいと感じていました。ところが今日、それは間違いだということを知りました。

    というのは、新しい医療器具が発売されたのです。のどをみるペンライトの大きめのやつみたいな道具なのですが、喉を照らすといっきに14枚の喉の写真を撮影し、人工知能でインフルに特徴的な所見がないかを判定してくれるそうです。そして、その的中率が、なんとインフル検査キットに負けず劣らずらしいのです。すごすぎます。喉の所見とインフルかどうかの結果をディープラーニングさせたら、AIが独自に判定基準を持ったのだろうとおもいますが、人の観察眼を遥かに超えるレベルでAI診断が可能となり発売されたというのが驚きでした。

    実はこのような画像認識とAIを組み合わせた分野は成長著しいところです。自動車やドローンの自動運転なども当然それを利用しています。なかには、パン屋さんでいろんな種類のぱんをトレイに乗せてカメラの下に置くと一瞬で合計金額がわかるというものもあります。菓子パンには白ごまとか黒ごまのトッピングで種類を判別したりしないといけない物があるのですが、AIに教え込むと簡単に識別できるようになるのです。胃カメラなどでも検査の最中にAIが怪しい(癌かもしれない)ところを教えてくれるレベルまで進んでいます。私が苦労してやっている心臓検診の心電図判定もあと数年もすると完全にAI診断で自動化できるのではないかと思っています。