むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 食物繊維とケトン体を意識した食事

    火曜はおなじみたけしの健康番組の日です。今日は便秘の話題に始まりました。便秘の人と快便の人を比べると便中の胆汁酸の量が全然違うという話。快便の人は胆汁酸の量が多いそうです。そして、胆汁酸の分泌を促進するのは水溶性食物繊維で最もそれが多く含まれる食品として紹介されたのが「エシャレット」でした。番組中の便秘患者さんがエシャレットを毎日8本食べたら便通が良くなったという話。「エシャレット」なんてどこに売ってある?と思うかもしれませんが、ラッキョウのことです。しかし、らっきょうをを食べなくても食物繊維は取れます。例えば、今私が毎日食べている寒天などはその代表です。寒天は食物繊維が豊富で便通に良い食材です。水をたくさん吸いますから、寒天を作る際にはたっぷりの水に溶かして食べるのがコツです。間違っても寒天の粉を薬のように飲んではいけません。お腹の水分を吸って、たいへんなことになります。また、番組で少し言ってましたが、油を取ることで胆汁酸の分泌が促進されます。患者さんから教わった例を挙げると、スプーン1杯のオリーブオイルを飲めば快便と言われたことがあります。それは事実正しいことだと思います。エゴマ油や亜麻仁油もいいですが、サラダ油やごま油、キャノラー油、コーン油などはやめておきましょう。

    次に番組で話題となったのがケトン体です。ケトン体が高い人は心機能が良いという話。ケトン体を上げるには「断食」が良いという展開で、お寺の修行のような厳しい断食でなくても夕食から朝食まで12時間以上開ける「プチ断食」で十分効果があるという話です。これは簡単です。番組では言いませんでしたが、帰宅が遅くて夕食が夜遅い場合、12時間以上開けるのは難しくなります。その際は朝食をコーヒーとゆで玉子だけにしてパンやご飯など炭水化物を朝から食べないことです。昼食まで時間を開ければ12時間はあけられます。また、炭水化物ダイエットはケトン体を増やすので、極力炭水化物を減らし、タンパクと脂質中心の食事にすると効果的です。

    あと、ケトン食といってケトン体を増やすメニューがあります。最近はそのような健康食品も出ていますが、天然でいい食材はココナッツオイルです。ココナッツオイルは中鎖脂肪酸でできており、代謝されるとケトン体となって心臓と脳でエネルギーとなります。心機能アップだけでなく、脳にも働くため、認知機能改善にも期待されています。

  • 校門前での保護者の喫煙は見ぐるしい

    冬の寒い日にクリニックの2階にあるスタッフルームと医局の窓に遮光フイルムを貼ってもらいました。見かけはほとんど透明でフイルムの存在はわかりません。今日は日差しも強くジリジリと照りつける太陽は真夏のようでしたが、このフィルムを貼った窓越しの光は熱だけを通さないとても不思議なものです。おかげで日あたりのいい二階の部屋も暑くならず快適に過ごせました。フイルムを貼った寒い日にはこうなることを期待してはいたものの現実日が差してくるとここまで違うのかと、びっくりしました。きっと夏のエアコン代の節約分で、フイルム工事費用はすぐに回収できることでしょう。

    この晴天の中、今日は高校の体育祭が開催されました。それにしても、目に余るのが保護者たちの喫煙です。学校の敷地内が禁煙だから校門を出たところでたむろしてもくもくとタバコを吸っています。お父さんたちだけでなくお母さんたちもたくさんいます。学校の敷地内だけでなく周辺も全域で禁煙にしてほしいものです。

    とはいうものの、私はタバコを吸う患者さんに対してさほどうるさいことは言いません。病院によっては禁煙をかなり厳しく指導されるところがあると思います。しかし、タバコは国が許可した薬物であり、吸う人は自分の小遣いを使って多額の税金を納めながら楽しんでいるわけですから、なんら咎める必要はありません。そういうわけで、当院では禁煙外来はやっていません。みなさん大人ですから、自己責任で時と場所をわきまえて吸っていただければ結構だと思っています。ただ、肺がんだけでなく、胃がんなども確実に増えることはいまさらいうまでもないことだとおもいます。

  • ストレッチポールを購入

    日曜日はクリニック前の東稜高校の体育祭の予定でしたが、あいにくの雨となりました。今週は連休明けで1週間で2週間分の患者さんが殺到されましたので、大忙しでした。待ち時間も長くなり、申し訳ありませんでした。いつもの血圧の薬をもらうだけ、とういうような患者さんには特にご迷惑をおかけしました。当院は漢方や心療内科もやっていることから、かなり遠方から長年の体調不良をやっとの思いで相談に来られる患者さんが後をたちません。そのような場合、どうしてもある程度の時間がかかってしまいます。内科というのは外科と違って手術をしたりすることはほとんどありません。自分の持っている知識と時間を患者さんのためにいかに使うかがすべてです。時間の効率的な使い方には常に研究が必要です。私が最近メガビタミン(ビタミン剤の大量摂取)をしているのもこれに繋がります。常に自分の体調と頭の回転をベストコンディションに保つため、色々努力しています。

    今日は、疲れを取るため美里町の佐俣の湯まで足を伸ばしました。御船から中央町の石段の方へ15分か20分くらい行けばすぐです。このあたりまで行くと自然豊かで空気も格段に良くなります。ゆっくりお風呂で汗を流し、リラックスしました。昼食を食べようと思ったのですが、温泉のレストランはかなり混んでいたので、併設された道の駅で地元レストランで作ったレバニラ炒めを買って帰りました。想像以上に美味しくてびっくりしました。今日は母の日だし実家にいかないと、と思っていたのですが、ソファーで医学書を読んでいたら寝てしまい、気がついたら夕方になってしまいました。

    ところで、リハビリで使う道具でストレッチポールというのをご存知ですか?ウレタンでできた丸太状のリハビリグッズです。体幹を鍛えたり腰痛、脊柱管狭窄などに良いと言われています。この度ついに購入しました。しばらくその丸太の上に寝そべっていたら、驚くほど腰の調子が良くなりました。オススメですよ。https://stretchpole-blog.com/effects-of-stretchpole-and-effective-use-6318

  • 整形では教えてくれない骨の健康について

    寒天を買った話を先日書きました。その後、毎日寒天を作っています。小腹が空いた時たっぷり食べてもほとんどカロリーゼロですから重宝します。私の場合、中には変わった物をいれて作ります。桑の葉パウダー、緑茶のパウダー、シナモンパウダー、それにフィッシュコラーゲン。たっぷり入れてコラーゲンゼリーにします。桑の葉は糖分の吸収を抑える働きがあり、食後血糖の上昇を抑える働きがあります。ミネラルも豊富です。緑茶は御存知の通りカテキンです。シナモンは全体をデザート風の香りにしてくれるだけでなく、血行を良くします。コラーゲンは体を構成する最も大切な成分です。皆さんしわ取りの化粧品のことばかり考えるかもしれませんが、私達の骨もコラーゲンでできています。建物に例えるなら、コラーゲンが鉄筋で、カルシウムがコンクリートみたいなものです。骨粗鬆症の治療では骨密度のことばかりいいますが、コラーゲンがなくてカルシウムだけがついた骨はポッキリと折れることが知られています。骨粗鬆症の薬はそれだけではほとんど意味が無いのです。

    そのため、私は骨粗鬆症の薬をめったに処方しません。きちんとバランス良い食事をして運動しないと、薬を飲んだだけでは骨は強くならないのです。私はテキサスのヒューストンの近くに留学していました。ヒューストンにはご存知NASAがあります。私の研究室はNASAとコラボしていたので、共同のプロジェクトを持っていました。私は呼吸器の生理学を研究するチームだったので、NASAの研究員ともその分野での実験を分担していました。一方、別のラボでは、骨粗鬆症を研究していました。無重力の宇宙空間で狭い部屋にじっとしているとあっという間に骨がすかすかになってしまい、パイロットが地上に帰還した際に立てなくなります。そこで、骨粗鬆症の予防をどうするかという研究がされていました。

    結論から言うと、骨に重力をかけてやらないと骨は弱くなります。無重力でも骨に付加をかけて運動する事が必要です。それに近いのが寝たきりの老人です。薬を飲んで寝ていても骨は強くなりません。私が骨を丈夫に保つために大事だと思うのは、コラーゲンをしっかり取ること、カルシウムとビタミンDをしっかりとること(ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける)、ビタミンCをとること(ビタミンCは食べたコラーゲンが消化吸収されたあとに体内でまたコラーゲンとして再構築されるために必須)、十分日に当たること(日にあたると体内でビタミンDを合成する)、運動すること、血糖を上げないこと(血糖を上げると骨の中のコラーゲンが糖化して劣化します)といったことです。骨の薬を飲んで安心しているあなた、大丈夫ですか?

  • 会社をやめたくてもやめられないときには・・・

    金曜の夜は東区のささえりあ主催の連携の会でした。医療介護系の事業所の代表者が一同に集まり、顔の見える関係づくりです。会場には所狭しと120名程度の人が集まりました。病院だけでなく、訪問看護、介護事業所、デイケア、老人ホーム、鍼灸院、その他いろんな職種の人が一斉に集まります。東区役所からは区長さんを始め保険行政に関係する方々も来られていました。また、東区に事務所がある弁護士さんも参加されていたので、色々相談できて有意義な会でした。

    当クリニックで結構相談されるのが、会社で鬱になってもうこれ以上は働けないと退職願いを出しては見たものの、上司や経営陣からやめさせてもらえずどうしたら良いでしょうというケースです。もしかしたら、うつのために頭がうまく働かずにきちんと上司に相談できていないのかもしれません。わたしは、こういうケースでは、今すぐ退職と決めなくても2-3ヶ月の休職をできるように診断書を書きますから、体調が落ち着いてからゆっくり退職するか職場復帰するかを決めて下さいとお話ししています。

    しかし、しばらく休んで体調は戻ったところで、復職するとまた残業やストレスフルな仕事にさらされ、再度体調を壊すのは目に見えているという場合、家族で話し合ってやっぱり退職したいという場合があります。そこまで考えて退職するのなら、あとで悔いはないと思うのですが、退職したいと申し出てもやめさせてもらえずにまた鬱になる方がいます。今日弁護士さんに相談したところ、そういうケースは弁護士さんに頼むと書類一枚で法的にきちんと退職できるのでまったく心配ないとのことです。自分で会社と交渉する自信のない場合、法律の専門家に頼んだほうが間違いないようです。たいへん勉強になりました。