むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 遺伝子組み換えの話

    GW前半は天気が良かったので、クリニックの駐車場の芝生の草取りをしました。冬の間気を抜いていたら気がつけば草だらけです。芝生は草が混じっていると見栄えが悪いので、管理が大変です。そうこうしているうちに、芝が遺伝子組換えだったらどんなに楽かと想像しました。そうです。遺伝子組み換え植物というのは大豆やとうもろこしだけではありません。作ろうと思えばどんな植物にでも遺伝子を入れれられます。なんの遺伝子を入れるかわかりますか?そうです。「除草剤でも枯れない遺伝子」を入れるのです。そうすることにより、芝生や大豆畑にはバンバン除草剤をまいて雑草の増殖を抑えます。芝や大豆は除草剤で枯れないような遺伝子が入っていれば、問題なく成長します。

    こういう遺伝組み換え技術で世界をリードしているのはアメリカのモンサントという会社ですが、最近はドイツのバイエル薬品に買収されました。もちろんモンサントは除草剤を製造販売している会社です。遺伝子組換え植物の持っている遺伝子は、モンサントの除草剤に対してだけ強くなるよう設計されていますから。当然除草剤はセットで売られていています、会社の収益にはダブルで寄与する仕組みです。その結果、農家は除草の手間が省けて収益が上がります。アメリカの農家ではヘリコプターで除草剤や農薬を撒きますが、最近はドローンを使った農薬散布が可能となっています。GPSで畑の位置情報を入力しておくだけで自動運転で農薬が撒けるのです。

    結局、遺伝子組み換え食品は農家にとっては大規模農業で手間を取らずに除草できて収益も上がりいいことずくめです。しかし私達消費者はそれら生産物が農薬や除草剤まみれであることを認識しないといけません。店で買った納豆や味噌が「遺伝子組み換えでない」と書いてあっても安心できません。肉は国産でも牛を育てたとうもろこしなどの飼料は遺伝子組換えで安く大量に生産したものを使っていますから、残留農薬などは想像以上と思われます。そういった遺伝子組み換え飼料を使っていない、草だけで育った(グラスフェッド)牛肉や牛乳が最近では手に入るそうですが、近くのスーパーなどでは無理です。それなりのいい店で高いお金を出さないと手に入りません。怖い世の中ですね。