むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 働き方改革の犠牲者?

    働き方改革法案が成立したとニュースにありました。野党がくだらないスキャンダルばかり追いかけているうちに重要なことをしっかり議論する暇もなく、可決した印象です。私たち働く側、あるいは雇う側はこの法律が成立することで何がどう変わるのか、皆さんちゃんと理解していますか?私にはまだ全然わかりません。

    一方、民間の会社ではすでにこの働き方改革を逆手にとって、行動に移ったところが多数あります。「残業禁止」です。残業禁止は定時に帰れると喜んではいけません。「残業手当は出さないから5時までに全部終わらせちゃってね」ということです。今まで残業してなんとかこなしていた仕事量そのものは全く変えずに残業禁止とは従業員いじめです。本来なら、定時で仕事が終わるだけの人材確保だったり仕事の無駄を省いたり意味のない会議をやめたり、決済をもらうために大勢のハンコをもらう仕組みを無くしたり、そういう制度上の問題を解決してから残業ゼロに取り組むのが筋でしょう。

    当院にはすでにこういう「名ばかりの」働き方改革の被害者が続々と来院しています。残業させてもらえない→仕事が終わらない→どうしていいかわからない→パニック・うつになってしまった、という感じです。皆さんこの法案とは関係なく、「働き方改革」という名の残業(経費)削減の犠牲者です。なんとか立ち直っていただきたく、毎日時間の限り新患を受けていますが、この調子では同様の犠牲者はこの先どんどん出てきそうで、心配しています。

  • アメリカは個性、日本は協調性

    America’s Got Talent (https://www.youtube.com/channel/UCT2X19JJaJGUN7mrYuImANQ?reload=9)

    というアメリカのテレビ番組があります。YouTubeで見ることが出来ます。スター誕生みたいな番組です。アメリカではこのようなショービジネスは素晴らしく成熟しており、見ていて飽きません。大好きな番組です。審査員の言葉は結構厳しくて時にはそこまで言わなくても、と思うような場面もありますが、すばらしい演技を見た後の盛り上がりは感動するものがあります。久しぶりにこの番組を見ていてあまりの才能ある人達(Talent)の歌声に思わず涙がこみ上げて来ました。

    最近の日本で似た番組といえば、カラオケで100点をとる歌自慢の番組がありますね。とても上手です。しかしこれが日本らしいのは、点数を高く取る基準(音階やテンポをはずさないこと、ビブラートを効かせて見せ場を作ることなど)がはっきりしている点で、ひたすら練習あるのみです。完璧な歌声を良しとする番組です。

    一方、アメリカの番組は全く違います。オリジナルと同じでは意味がありません。いかに自分なりの味付けをするかが大切です。カラオケマシンで100点を目指すなんてアメリカ人の発想にはないと思います。この、「素晴らしい才能」✖「オリジナリティー」がアメリカの強みです。オリジナリティーよりも協調性(みんなと同じようにできたら得点が高い)という風潮が今の経済発展も止まり閉塞的な日本社会を作っていると思います。

    上江津湖

  • 健診は10数秒の真剣勝負

    私は中学校の校医をしているため、全生徒の診察をしないといけません。毎年1学期は健診の仕事で大忙しです。内科検診なのに背骨の曲がり(側わん)に関する診察もあります。私が思うに、外から見て左右の肩甲骨の高さが違うとか、そんな診察しなくても入学時のレントゲンがあります。それさえ見れば微妙な背骨のゆがみも一目瞭然です。それなのに、レントゲンではなく診察でチェックさせようとします。意味あるのか?と思います。

    また、診察中に保健室が非常に騒がしい!心臓の音なんか全然聞こえません。また、女子の聴診がしにくいこと。わずかな洋服の隙間から聴診器を入れて聞きますが、聞こえにくいことこの上ないです。健康第一ですから、学校検診は恥ずかしがらずきちんと診察させてもらいたいものです。今のようなプライバシー第一主義(?)の風潮は一体どこが決めているのでしょうか?教育委員会?

    そんな中、私が密かに注目しているのは生徒さんたちの腕や胸にできたアザです。「あれ、どうしたのこれ?」とききます。「サッカーで、このまえボールが当たって」とかすぐに答えられる人は大丈夫。「うーん・・・どうしてアザができたか?覚えていません」とおどおどしていうようなら大問題です。学校や家庭でいじめやDV(家庭内暴力)に会っていないか、じっと目を見て不自然なところがないかを観察します。診察はわずか10数秒の1対1の真剣勝負です。それから、洋服を脱いでくれない女子にはこういう配慮もできないのです。困った問題です。

  • 腸内環境を整える

    腸内細菌に善玉悪玉という話題はよく耳にすると思います。ヨーグルトにも生きて腸まで届くとか、いろんなタイプの乳酸菌が話題です。腸内細菌の検査はごく最近になり技術的に進んできて、いろんなことがわかるようになってきました。技術的に難しかったのは、消化管内が無酸素状態で嫌気性菌(酸素を苦手とする細菌)について培養したり同定して検査することが容易でなかったためです。

    しかし、たべたヨーグルトの乳酸菌が生きて腸まで届いてそこで増殖するなら大問題です。我々の人体は口からたくさんの雑菌が入りますが、胃で殺菌されて感染を起こさないようになっています。もし菌が生きて腸で増殖するならそれはいわば感染症です。常識的にありえないし、もしそういうことが起これば危険極まりないです。腸内環境を整えるには外から菌を入れるのではなく、いい菌が育ちやすい環境を作ることです。そのためには、食物繊維をたくさん取ることです。

    もう一つ大切なのは、防腐剤や農薬に注意することです。防腐剤や農薬は当たり前ですが腸内細菌までも殺菌してしまいます。せっかく腸内環境を整えても、菌を殺してしまうような食材をとっては意味がありません。カット野菜、コンビニ弁当などは要注意です。普通に買ってきた野菜も農薬や防腐剤に関しては日本の基準はそうとうあまいのでよほど注意が必要です。先週まで麦畑だったところを刈り取った途端に水を張ってもう田植えしてあります。全く土地を休めてありません。こういう農業では免疫力のある植物は育ちません。当然のように除草剤、農薬、肥料を大量投入されています。参考までにご一読を→

    http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50668

  • 仕事の効率アップでマックス頑張る

    最近は街中にステーキ屋さんがたくさんできています。「いきなりステーキ」などは全国的に有名ですね。量り売りで300gくらいの肉を切って焼いてもらうのですが、料金は肉の種類(サーロイン、リブなど)とグラム数で計算されます。例えばグラムあたり7円として300gなら2100円です。明朗会計です。

    この値段の原価設定はどうなっているんだろうと思っていたら、とある番組で原価7割と言っていました。これはすごいことです。通常飲食店の原価は3割程度ですから、その倍以上です。もちろん回転寿司などは同じ100円でもウニ、イクラのような原価割れしているものから、カッパ巻きや納豆巻きのように原価が相当やすいものまで混在しており、平均的に食べるときちんと収益に繋がるようにできています。それにしても、いきなりステーキは原価7割ですから、回転率が通常の倍以上を想定しなければ商売として成り立ちません。そこは、立ち食いに近い形で長居をしないシステムづくりなど良く考えてあります。

    当院では、当院でしか治せないような心や体の不調を持つ患者さんを一人でも多く見られるよう工夫しています。無駄に長い診察時間をかけず待ち時間は最小限で済むよう努力しています。それでも長くなった場合はご容赦ください。お待ちいただく時間は「おたがい様」の精神と「人助け」の精神でご協力頂けると助かります。いきなりステーキのように内容充実(原価率高く)x 効率良い診察 で満足いただけるよう最大限の努力をしていきたいと思います。